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  • 掲載:2026年02月09日 更新:2026年02月10日

左官職人として、ものづくりに取り組む楽しさを
有限会社原田左官工業所 左官職人 福吉奈津子

福吉奈津子さん
およそ60名の左官職人のうち、10名を超える女性左官職人が活躍する文京区の原田左官工業にて一級左官技能士として働く福吉奈津子さん。
左官と言えば、漆喰、珪藻土、モルタルなどの素材を壁や床などにコテを使って美しく塗り仕上げる仕事である。コテの使い方の柔軟性や強弱など、そのテクニックによって仕上がりが左右される、ある意味クリエイティブなセンスが求められる仕事でもある。今年で入社17年目という福吉さんに仕事のやりがいや、苦労されたこと、後輩へのアドバイスなどを伺った。

Guest

福吉 奈津子 | Fukuyoshi Natsuko

神奈川県出身。2005年に原田左官工業所に入社。同社で産休・育休制度を活用した初の女性職人。14年、建設業界女性代表として安倍晋三前首相を表敬訪問。東京都「ものづくり・匠の技の祭典2017」において「匠なでしこ」受賞。

有限会社原田左官工業所
東京都文京区千駄木4-21-1
ハラダビル


現場で磨いた技術と経験が生かされる仕事

福吉奈津子さん

―左官職人という仕事を選ばれたきっかけを教えてください。

福吉  きっかけは、最初に入った造園の会社がやはり男性中心の職場で、あまり人間関係がスムーズにいかなかったので、インターネットで「女性 建築」と検索をかけたところ、今の会社、原田左官にたどり着いたということです。その当時、左官という仕事に何か知識があったからというわけではなく、そこに他にも女性が働いているという理由で決めたのですが、20年前のことなので今ほど情報が沢山ある環境でなく、ただ身体を動かしていっぱいお金が稼げそうな職種と思い(笑)、選びました。



―職人としての技術を身に付けるのは大変でしたか。

福吉  他の建材などもそうだと思うのですが、左官材料も時代のニーズに合わせて変わって行きます。会社としてもどんどん意匠的なものを採り入れるようになり、建物の目立つところをデザイン重視にシフトして行って、そういうのは飽きないでやれますから、そこが長く続けて来られた要因だとも思います。

また、左官という仕事は何か感覚のような、言葉で説明しにくいところがあり、例えばコテを使う力の加減や押さえ方のような、やはり経験を積まないとできないようなことが結構あります。ですから現場で技術を磨くというか、できるまで何度もやってみるしかないですね。ただ、現場では塗っていて楽しいというより、失敗できないというプレッシャーの方が大きいので、緊張しながらやっています。でも、どんな仕事でもそうですが、手を抜こうと思えば抜けるところもありますが、どんな細かい部分でも絶対手を抜かずきちんとやるということを心掛けてやっています。



―女性だからこその特性が生かされるポイントはありますか。

福吉  それもすごく難しいのですが、入りたての最初の頃は若干、女性の方が呑み込みが早いというか、聴く能力が高いような気もしますが、長く続けて行くとそれほど男女比での差はあまりないような気がします。いずれにしろ器用さは必要で、あまり不器用ですと難しいかもしれないですね(笑)。


目に見える所に自分の仕事が残るという左官の魅力

左官材料

―現場で苦労されたこと、左官の仕事で面白いところについて教えてください。

福吉  現場の大変さと言えばやはり暑さ、寒さですね。最近の夏の暑さは半端なく暑いですからね。それでも空調服の着用など、熱中症予防の暑さ対策は、元請け側からの配慮もあり何とかなっているのですが、冬の寒さも大変です。気温も5℃以下になると材料にも影響があり、作業時間や待ち時間などが長くなったりもします。建設業界は、本当に気候に左右されてしまいます。
あと、よく苦労するところとしては、現場に行ってからエレベーターが使えない、他の業者が多すぎる、片付いていない、ボードも貼られていないなどのトラブルもよくあります。

また、左官の仕事で面白いところは、建築のほとんどの部分が完成すると見えなくなってしまうことが多いのに比べ、目で見える所に自分の仕事が残っているというところで、それが左官の魅力だなと思っています。

―今後チャレンジしたいことについて教えてください。

福吉  そうですね、最近は大きな仕事も増えてきましたので、今後は私自身の生活圏内の何処かで、形に残るような仕事が出来たらいいなと思っています。また、他の業界と同じく職人の高齢化も進んでいますので、これからは左官仕事の知名度を上げて、若い人にもその魅力を知ってもらうためにPR 活動などもできたらいいと思います。

原田左官の仲間たち

原田左官の仲間たち


取材

KENZAI-NAVI Media Planner 秋葉 早紀(二級建築士)
ショールーム内に併設されている作業場で実際に使っている道具を見せていただきました。
現場で活躍する福吉さんの作業風景も拝見させていただき、淡々と作業される姿も力強く、左官職人の技術と美しさを感じることが出来ました。

福吉奈津子さん・建材ナビ広報担当



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福吉 奈津子 | Fukuyoshi Natsuko

神奈川県出身。2005年に原田左官工業所に入社。同社で産休・育休制度を活用した初の女性職人。14年、建設業界女性代表として安倍晋三前首相を表敬訪問。東京都「ものづくり・匠の技の祭典2017」において「匠なでしこ」受賞。

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