- 掲載:2026年04月14日 更新:2026年04月14日
魅せる壁 -〈和vs欧〉意表を突く造形美の競演 株式会社翔洋 × 株式会社吉光工業 / 株式会社Anonimo Design
- 株式会社 翔洋
- デザインマネジメント事業部所属
嶋田 陽子 -
港区元赤坂1-5-12
住友不動産元赤坂ビル 8F
TEL:03-6850-3320 - http://www.shouyo.co.jp/
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モデルルーム、オフィス、商業施設等における空間設計およびインテリアデザインの統括を担う空間プロデューサー。
五感を重視し、挑戦を続けながら、質の高い空間創出を通じ、ブランド価値の最大化に取り組んでいます。
- 株式会社吉光工業
- 代表取締役 一級建築士・一級技能士
吉田 知志 -
福井県福井市高木中央2丁目510
TEL:0776-54-0706 - https://4432.co.jp/
- 本業は屋根の専門工事業。瓦産業と文化の持続にむけて、建築家・窯元とチームを組み、地域の産業歴史から発想したWoven Ceramicを商品化。建築を楽しみましょう!
- 株式会社Anonimo Design
- 代表取締役 二級建築士
黒澤 哲 -
東京都港区南青山5-12-3
小田急南青山マンション701 号室
TEL:03-3797-3904 - https://anonimodesign.com/
- イタリア、フィレンツェでインテリアデザインを学び、その経験を活かした仕事をしています。イタリアに関することならなんでもご相談ください。
株式会社翔洋
今回、吉光工業の装飾瓦「Woven Ceramic Echizen」とAnonimo Designの「リトスデザイン ハマール」を採用された決定的な理由は何でしたか?
イノベイシアプレミアムサロンでは、意匠性だけでなく、空間としての説得力や長期的な価値を重視しました。吉光工業様の装飾瓦「Woven Ceramic Echizen」は、伝統素材でありながら現代的な表情と確かな施工性を備え、空間に重厚な奥行きを与えてくれます。一方、Anonimo Design様の「リトスデザイン ハマール」は、石材と光を融合させることで視線を惹きつけ、ハイエンド空間に求められる象徴性を担います。両者を組み合わせることで、静と動、重さと光の対比が成立すると判断したことが、採用の決定打でした。
全く異なる特性を持つ2種の素材を組み合わせることで、〈GINZA SIX〉というプレミアムな空間にどのような相乗効果を期待しましたか。
日本の瓦とイタリア大理石の光壁という、用途や文化背景の異なる素材を組み合わせることで、単体では生まれない伝統性と現代性が共存する奥行きと印象的な体験の創出を期待しました。吉光工業様の瓦が空間に安定感を与え、Anonimo Design様のリトスデザイン ハマールは光と質感によって視線や動線に変化を生み出します。異素材の対比により、落ち着きと華やかさが共存する、記憶に残る上質なサロン空間の実現を目指しました。
特注性の高い各建材の施工にあたり、設計・デザインの観点での課題をどのように克服しましたか。
特注性の高い建材を扱う上では、図面上の完成度だけでなく、現場での再現性をどう担保するかが大きな課題でした。吉光工業様とは、割付や下地条件を早期にすり合わせ、施工誤差が意匠に影響しないよう段階的な確認を重ねました。Anonimo Design様の建材についても、重量や取り合いを考慮した施工手順を事前に共有し、設計意図と現場判断のズレを最小限に抑える工夫を行いました。こうした調整が、最終的な空間の質を支えていると感じています。
プロジェクト完成後に来場者の方々からの反響はいかがでしたか。
来場者の方々からは、「素材の背景まで感じられる空間」「落ち着きがありながら印象に残る」という声を多くいただきました。吉光工業様の装飾瓦については、内装材としての意外性と上質な陰影表現に驚かれることが多く、会話のきっかけにもなっています。また、Anonimo Design様の建材は、空間全体を静かに引き締め、ハイエンドサロンとしての信頼感や説得力を高めているという評価をいただいています。
株式会社吉光工業
今回、イノベイシアプレミアムサロンに施工された装飾瓦「Woven Ceramic Echizen」について教えてください。
「Woven Ceramic Echizen」は建築家・工事店・瓦メーカーのチームで生み出した装飾材になります。越前瓦の産地・福井県は、良質な粘土が取れ日本六古窯の一つでもある越前焼があり、日本でも有数の繊維産地でもあります。
本商品は福井が持つ瓦と繊維の二つの産業の歴史文化の掛け合わせから発想した、立体的な平織状の意匠をもつ装飾壁です。瓦の持つ曲線を生かした形状は、一枚一枚手作業でプレスし製造しています。取付方法も通常のタイルとは違い、面に張り付けるのではなく、支持体から浮かせたワイヤーメッシュを下地としているため、重量感も感じさせながら軽やかなデザインになります。この新しい支持方法は特許を取得しています。割れても一枚から交換可能で、施工も簡単です。瓦は不燃材であるため、外装はもちろん内装でも制限なく使用でき、今回は内装の装飾として採用いただきました。越前瓦は1200 ℃前後の還元焼成で焼き上げ、独特の風合いを持った「銀鼠」は福井の街並みを彩ってきた色で、無釉で焼成する「窯変」は歩道やビルの外壁で使用されてきました。還元焼成特有の質感は建築家・デザイナーの方に気に入っていただけるものかと思います。
「Woven Ceramic Echizen」
江戸時代から続く「越前瓦」の伝統と、福井の地場産業「繊維」が融合した装飾壁「Woven Ceramic Echizen」。
今回の内装プロジェクトで、特に技術的に工夫した点や難しかった点はありましたか。
内装の装飾としての使用ということで、当初は間接照明も検討されており、光の広がり方を考えて、壁からの持ち出し寸法や細部の納まりについて検討をしていました。また重量があるため、下地の作り方についても検討をしていました。清掃の面も考えて、下のクリアランスを少し大きめにしておこうかなども考えていました。
施工の実績も踏まえて今後の展望をお聞かせください。
株式会社Anonimo Design
今回、イノベイシアプレミアムサロンに施工された「リトスデザイン ハマル」について教えてください。
今回採用頂いた製品は、大理石などの石材特殊加工を得意とするイタリアのリトスデザイン社の光壁「Hamal(ハマル)」です。リトスデザイン社はヴェネツィアを中心としたヴェネト州に設立された会社で、邸宅やホテル、船舶、トップメゾンの店舗に至るまで、優れた石材加工でさまざまな意匠の案件を実現しています。
今回ご採用頂いた光壁についてですが、通常石の光壁はオニキスなど光を透過する素材を使用したものが主流だと思いますが、リトスデザインはそれを透けない大理石で実現した、という点がまず新しいところかと思います。光を透過させるために石全体を薄くすると脆く、割れやすくなってしまいますが、デザイン性を持たせた彫り加工にすることで十分な強度を保ちながら同時に光も透過する、という製品になっています。
また、ハマルは600ミリ角のLEDユニットと石板がセットになってモジュールを形成しており、それだけで製品として完結しているので、石を支える下地や、照明器具の選定や設置方法などで悩む必要はありません。建築側は重量に耐えるしっかりとした平滑な下地壁を作るだけで良いのです。光壁全体の厚みも約50㎜とコンパクトで、造作家具などに組み込むことも容易です。
大規模な施設での施工において、難燃性や安全基準にどのように対応されましたか?
リトスデザインの光壁は、スチールと石で出来上がっていますので、難燃性については心配しておりませんでした。ただ本石で20㎜厚となるとそれなりの重量になりますので、下地を堅牢に作って頂く、という事は事前の打ち合わせでしっかり確認をしながら、進めさせて頂きました。
また、光壁は電気工事も同時に必要となりますので、配線の経路、開口位置、サイズ、また電源装置の微細な振動に対するケアなどは、予め打ち合わせを重ねながら、丁寧に進めさせて頂きました。
今後の製品ラインナップの方向性や、展開についてどのような展望をお持ちですか?
今後も、石でしか出来ない加工や、意匠、また石で作ったからこそ感じられる重量感や、存在感、といった五感で感じるデザインといったものを、インテリアにおける満足感、充足感に繋げて行こうと思います。


