COLUMN
コラム
【万博採用建材】青竹及び油抜き加工した晒竹を高温の蒸気で燻した「炭化煤竹」
大阪・関西万博では、各国のパビリオンや共用施設、屋外設備にいたるまで、機能性・美しさ・環境配慮を高次元で融合させた多彩な建材が採用されました。
本連載「万博採用建材」では、実際に万博で使用された建材メーカーの製品を取り上げ、採用の背景や開発の裏側、そしてそれぞれの建材が空間にもたらす価値を深堀して紹介します。
今回は、株式会社竹六商店の炭化加工処理した銘竹「炭化煤竹」です。
今回は、株式会社竹六商店の炭化加工処理した銘竹「炭化煤竹」です。
採用された製品
採用された経緯
大阪・関西万博では『循環・自然素材・環境負荷低減』が環境配慮型建築のコンセプトでした。設計会社が上記を満たす竹材加工メーカーを選定する中で、弊社は『炭化処理技術・環境配慮型塗料・無機物/天然材料ベースの防カビ剤』を保有している点が評価され、屋外暴露試験を経て採用に至りました。水蒸気を用いた炭化処理により、糖分やたんぱく質が分解され、腐朽菌や竹を食べる害虫を防ぎつつ、薬品不使用で着色可能です。環境負荷低減に貢献します。
今回は屋外設置のベンチ・日よけであったため、水分や紫外線による劣化リスクを考慮し、『水性防カビ剤・環境配慮型塗料』を併用することで、万博終了まで美観を維持できる仕様を実現しました。
今回は屋外設置のベンチ・日よけであったため、水分や紫外線による劣化リスクを考慮し、『水性防カビ剤・環境配慮型塗料』を併用することで、万博終了まで美観を維持できる仕様を実現しました。
採用場所
出展地域 :国内、アジア、中南米、 欧州、北米、アフリカ
会場エリア:東ゲートゾーン、西ゲートゾーン、静けさの森
万博採用写真
製品の特長
- 材質
- 炭化煤竹
- 寸法
- L2000x15-30φ・L3000x20-30φ・L4000x25-90φ
- 色調
- 薄茶色~濃茶色
- 主な用途
- 内装壁面および天井・ルーバー等、外装にも使用可(外装用の保護処理必須)
- 設置場所
- 住宅や店舗、公共施設内装および外装
開発で苦労したこと
竹六商店が関わった大阪・関西万博に使用される竹材は万博会場全域に設置したベンチ58基とパーゴラ9基でした。加工した竹材は半割加工で約5300枚・丸竹で約2300本という経験のない数だったため多くの方の協力を必要としました。竹材は竹林から切り出され、油抜き作業後、炭化加工を施し、その後防カビ処理及び防カビ塗料を塗布、丸竹にはフィルムを巻くことでベンチおよびパーゴラに使用できる状態となります。
全ての作業に人の手が携わっており、多くの方の協力がないと成しえないものでした。大阪・関西万博を機に竹業界が明るい未来へ進むと信じ、一人一人が作業をできたことは竹を生業とする企業として一つの誉れになりました。
全ての作業に人の手が携わっており、多くの方の協力がないと成しえないものでした。大阪・関西万博を機に竹業界が明るい未来へ進むと信じ、一人一人が作業をできたことは竹を生業とする企業として一つの誉れになりました。
製品の活用例・施工実績
建材ナビ担当者より
私も実際モノづくりを行っている現場にもお邪魔させていただきましたが、竹加工を1本1本丁寧に行われているのがとても印象的でした。
空間演出の善し悪しを決める大切な要素である竹の「質」にこだわる姿勢は、竹の持つ素材の魅力を理解しているからこそと実感します。
既に多くの現場にて施工されていますが、竹材の良さを多くの方に知っていただきたいと思います。
株式会社竹六商店 担当:藤原
大阪・関西万博プロジェクト採用建材
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