SPECIAL
特集
- 掲載:2025年12月08日 更新:2025年12月08日
日本空間デザイン賞 2025 年度 KUKAN OF THE YEAR【大阪・関西万博 「EARTH MART」】【和光 本店地階 アーツアンドカルチャー】【美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレ IMAI】の3作品に決定 JCD(日本商環境デザイン協会)
Photo by HIROSHI TSUCHIDA
DSA(一般社団法人日本空間デザイン協会、会長:出原 秀仁、所在地:東京都品川区)と JCD(一般社団法人日本商環境デザイン協会、理事長:窪田 茂、所在地:東京都品川区)が共同主催する日本空間デザイン賞は、8 月 23 日の3次・最終審査会にて金賞・銀賞・銅賞の合計 37 作品を選出し、金賞に選ばれた 12 作品の中から 【大阪・関西万博 「EARTH MART」】、【和光 本店地階 アーツアンドカルチャー】、【美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレ IMAI】の3作品を今年度グランプリの「KUKAN OF THE YEAR 2025」に決定しました。
なお、【大阪・関西万博 「EARTH MART」】 と【和光 本店地階 アーツアンドカルチャー】の2作品は「日本経済新聞社賞」も受賞しました。
11月21日に日本橋三井ホール(東京・日本橋室町)で贈賞式・懇親パーティーが開催され、受賞者・関係者など約400名が会場に集い、KUKAN OF THE YEAR・日本経済新聞社賞・金銀銅賞・審査員特別賞・Shortlist・ヤングタレント賞の受賞者へ表彰状やトロフィーなどが贈呈されました。
なお、【大阪・関西万博 「EARTH MART」】 と【和光 本店地階 アーツアンドカルチャー】の2作品は「日本経済新聞社賞」も受賞しました。
11月21日に日本橋三井ホール(東京・日本橋室町)で贈賞式・懇親パーティーが開催され、受賞者・関係者など約400名が会場に集い、KUKAN OF THE YEAR・日本経済新聞社賞・金銀銅賞・審査員特別賞・Shortlist・ヤングタレント賞の受賞者へ表彰状やトロフィーなどが贈呈されました。
日本空間デザイン賞とは?
2019 年に誕生した日本で唯一かつ最大級の空間デザインアワードです。
国内外の優秀なデザイナーや卓越したデザイン作品を発掘し、評価をすることを目的としています。 素晴らしいデザインを日本から世界に発信し、「空間デザインのちから」を多くの人々に伝えていきます。
2019 年に誕生した日本で唯一かつ最大級の空間デザインアワードです。
国内外の優秀なデザイナーや卓越したデザイン作品を発掘し、評価をすることを目的としています。 素晴らしいデザインを日本から世界に発信し、「空間デザインのちから」を多くの人々に伝えていきます。
DSAとは?
日本空間デザイン協会(DSA)は、社団法人としての公的な立場に立ち、デザイン技術の向上、デザインアワードの運営、シンポジウム、国際交流、研究、出版などの普及啓発活動を通し、経済、産業、社会、文化に広く貢献できる公益活動に取り組んでまいります。
日本空間デザイン協会(DSA)は、社団法人としての公的な立場に立ち、デザイン技術の向上、デザインアワードの運営、シンポジウム、国際交流、研究、出版などの普及啓発活動を通し、経済、産業、社会、文化に広く貢献できる公益活動に取り組んでまいります。
JCDとは?
JCDは1961年に創立され、永きに渡りインテリアデザインの発展と文化育成に貢献して参りました。現在の主な活動は、デザインアワード、シンポジウム、子供達にデザインを教えるSODA活動、各種出版を始め、全国の各支部では様々なデザインイベントや交流会など開催しております。
JCDは1961年に創立され、永きに渡りインテリアデザインの発展と文化育成に貢献して参りました。現在の主な活動は、デザインアワード、シンポジウム、子供達にデザインを教えるSODA活動、各種出版を始め、全国の各支部では様々なデザインイベントや交流会など開催しております。
2024年度 KUKAN OF THE YEARの記事はこちらでご覧いただけます。
a

日本空間デザイン賞 2024 年度 KUKAN OF THE YEAR 【在る美】【馬場川通りアーバンデザインプロジェクト】【tobe】 の3作品に決定
DSAとJCDが共同主催する日本空間デザイン賞は、8月24 日の3次・最終審査会にて金賞・銀賞・銅賞の合計38 作品を選出し、金賞に選ばれた12 作品の中から【在る美】、【馬場川通りアーバンデザインプロジェクト】、【tobe】の3作品を今年度グランプリの「KUKAN OF THE YEAR 2024」に決定しました。
日本空間デザイン賞2025年度 KUKAN OF THE YEAR 受賞作品
KUKAN OF THE YEAR 2025
三次審査員・ファイナル審査員
| 特別審査員
※順不同・敬称略
|
・AB Concept 共同創業者兼代表 Ed Ng ・NOT A HOTEL CONSULTING 代表取締役CEO 黒田 哲二 ・株式会社モーメント / 空間デザイナー 平綿 久晃 ・スターバックス グローバルコンセプト クリエイティブティレクター ブライアン・ヴァン・ステイップドンク ・「WWDJAPAN」編集長 村上 要 ・成瀬・猪熊建築設計事務所 / 建築家 成瀬 友梨 ・株式会社NY4 代表取締役/ 東北大学特任教授(客員) 山本 尚美 ・アーティスト 鈴木 康広 ・NAP建築設計事務所/建築家 中村 拓志 ・SUPPOSE DESIGN OFFICE株式会社 代表取締役/建築家 吉田 愛 ・デザイン戦略家 太刀川 英輔 |
|---|---|
| 審査委員長 | (一社)日本商環境デザイン協会理事長 / Degins JP株式会社 代表 / 一級建築士 窪田 茂 |
| 審査副委員長 | (一社)日本空間デザイン協会会長 / 空間プロデューサー / 駒沢女子大学人間総合学群住空間デザイン学類非常勤講師 出原 秀仁 |
大阪・関西万博 「EARTH MART」
Photo by ナカサアンドパートナーズ 河野 政人
作品名: 大阪・関西万博 「EARTH MART」
受賞者: 小山 薫堂 / オレンジ・アンド・パートナーズ、大西 亮 / 乃村工藝社 nora
受賞者: 小山 薫堂 / オレンジ・アンド・パートナーズ、大西 亮 / 乃村工藝社 nora
審査員選評審査員:平綿 久晃(株式会社モーメント / 空間デザイナー )
スーパーマーケットという、誰もが行ったことのある場を軸にしている点が秀逸である。国内外からの情報が集まる博覧会において、直感的にコンセプトやメッセージが視覚化されていることは非常に重要であろう。
空間を理解するための時間を省き、どこかなじみのある陳列ですべてを表現しているため、来場者は日常の延長の感覚のまま、あとは体感する楽しみに没入できる。小さい命を大きく見せたり、命を色として抽象化したり、多様な視線へと誘導しつつ、来場者自身の命についても思考を促す構成になっている。
映像や動きなどの最新技術によるドラマティックさに頼るのではなく、身近なものの連鎖が大きなエネルギーを生む構成こそ、来場者一人ひとりの日々に寄り添うドラマティックさと言えるだろう。
(『年鑑日本の空間デザイン 2026』(発行:六耀社、2025 年 12 月発売予定) より一部抜粋)
映像や動きなどの最新技術によるドラマティックさに頼るのではなく、身近なものの連鎖が大きなエネルギーを生む構成こそ、来場者一人ひとりの日々に寄り添うドラマティックさと言えるだろう。
(『年鑑日本の空間デザイン 2026』(発行:六耀社、2025 年 12 月発売予定) より一部抜粋)
受賞者コメント大西 亮 / 乃村工藝社 nora
この度は大変栄誉ある賞をいただき誠にありがとうございます。万博YEARに万博プロジェクトが選出されたことは、プロジェクトメンバーだけでなく、関係者の皆さんにとっても感慨深い吉報になったかと思います。未来を予測するのではなく、未来に残すべきものは何なのか。これからもその本質に触れ、表現できるようなプロジェクトに関わっていきたいと思います。
共感いただいた審査員の方々、心より御礼申し上げます。
共感いただいた審査員の方々、心より御礼申し上げます。
和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
Photo by 加藤 純平
作品名: 和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
受賞者: 武蔵 淳 / 和光、新素材研究所
受賞者: 武蔵 淳 / 和光、新素材研究所
審査員選評審査員:村上 要(「WWDJAPAN」編集長 )
小売店、特に旗艦店はパンデミック期間中の DX を経て、ブランドの哲学や思想、アティチュードなどを表現・体現し、訪れる人たちに体験してもらう空間へと進化しつつあるように感じている。和光の本店地階は、まさにそんな空間。ある意味日本の中心地として、そして時の経過を表現する時計を祖業とする小売店として、日本で長年育まれた建材を用い、日本を代表する商材で、海外の人を呼び込むという、和光の社会的な役割を体現している。
(『年鑑日本の空間デザイン 2026』(発行:六耀社、2025 年 12 月発売予定) より一部抜粋)
(『年鑑日本の空間デザイン 2026』(発行:六耀社、2025 年 12 月発売予定) より一部抜粋)
受賞者コメント武蔵 淳 / 和光
日本空間デザイン賞『KUKAN OF THE YEAR』に選出いただき、深い喜びとともに身の引き締まる思いです。心より感謝申し上げます。昭和七年、時計塔誕生時に地階は新しい価値を試みる場でした。その精神を受け継ぎ、素材や光、音まで空間の本質を問い直し、新素材研究所をはじめとする多くの関係者の皆さまの知恵と感性を結集し、『時の舞台』をコンセプトに創り上げました。
和光ならではのおもてなし、日本の美意識と世界視点のキュレーションを融合し、この場所で紡がれる時間を、より深い文化体験へと高めてまいります。
和光ならではのおもてなし、日本の美意識と世界視点のキュレーションを融合し、この場所で紡がれる時間を、より深い文化体験へと高めてまいります。
美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレ IMAI
Photo by 野津 研一
作品名: 美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレ IMAI
受賞者: 中本 剛志、田中 裕一 / STUDIO YY
受賞者: 中本 剛志、田中 裕一 / STUDIO YY
審査員選評審査員:成瀬 友梨(成瀬・猪熊建築設計事務所 / 建築家)
2030 年の島根国体のカヌー競技施設として、日常的には中高生の部活動で使われ、一方では観光資源としても期待される、町と友好協定を結ぶバリの様式を取り入れたカヌー艇庫を建設する。この、他にはない特徴的な企画が、人口約 4,000 人の地方自治体から出てきたことに驚きを隠せない。
縮小社会において地方が生き残るために必要なのは、地域のクオリティーオブライフを目標に挙げることはもちろん、他にはない特徴をもつことではないだろうか。この企画に、美郷町の熱い想いを感じとらずにはいられない。
建築家はこのお題に見事に応え、地域の自然と呼応しながら遠く離れたバリの建築様式や文化・哲学を解釈して取り入れ、日常の部活動にも対応しつつ、イベント時には祝祭性を発揮する建築を実現した。川や山並みに呼応する緩やかな弧を描く大屋根、バリの木舟「ジュクン」の船底をモチーフとした木トラス、大きく開かれた開口部からは川風が入り、まさに地域の自然とバリの文化が組み合わさった唯一無二の空間を生み出している。
屋根は木材(アコヤ材)で葺かれ、雨に濡れるたびに色が変化し、時を経て古美(ふるび)る表情を見せる。こうした提案を勇敢に示した建築家と、それを理解し採用した自治体の姿勢は賞賛に値する。互いの信頼関係が、この挑戦を可能にしたと想像する。
昨今の日本社会に蔓延するリスク回避や前例主義に真っ向から挑む、大きな勇気を与えてくれるプロジェクトであり、まさに KUKAN OF THE YEAR 2025 にふさわしい。
(『年鑑日本の空間デザイン 2026』(発行:六耀社、2025 年 12 月発売予定) より一部抜粋)
縮小社会において地方が生き残るために必要なのは、地域のクオリティーオブライフを目標に挙げることはもちろん、他にはない特徴をもつことではないだろうか。この企画に、美郷町の熱い想いを感じとらずにはいられない。
建築家はこのお題に見事に応え、地域の自然と呼応しながら遠く離れたバリの建築様式や文化・哲学を解釈して取り入れ、日常の部活動にも対応しつつ、イベント時には祝祭性を発揮する建築を実現した。川や山並みに呼応する緩やかな弧を描く大屋根、バリの木舟「ジュクン」の船底をモチーフとした木トラス、大きく開かれた開口部からは川風が入り、まさに地域の自然とバリの文化が組み合わさった唯一無二の空間を生み出している。
屋根は木材(アコヤ材)で葺かれ、雨に濡れるたびに色が変化し、時を経て古美(ふるび)る表情を見せる。こうした提案を勇敢に示した建築家と、それを理解し採用した自治体の姿勢は賞賛に値する。互いの信頼関係が、この挑戦を可能にしたと想像する。
昨今の日本社会に蔓延するリスク回避や前例主義に真っ向から挑む、大きな勇気を与えてくれるプロジェクトであり、まさに KUKAN OF THE YEAR 2025 にふさわしい。
(『年鑑日本の空間デザイン 2026』(発行:六耀社、2025 年 12 月発売予定) より一部抜粋)
受賞者コメント中本 剛志 / STUDIO YY
コロナ禍を機にプロポーザルへの挑戦を始めて以降、ご縁があり地方のプロジェクトに関わる機会が増えました。現地に足を運び、その土地の文化や産業、歴史を丁寧に読み解きながら、地域に根付く建築のあり方を模索してきました。私たちが目指してきたのは、竣工して終わりではなく、人々が集い、使い、時間とともに新しい風景が育っていくような建築です。
今回、カヌー艇庫を通して、そうした思いがかたちになり評価いただけたことは、とても励みになります。これからも、人々がいきいきと活動できる建築をつくり続けていきたいと思います。
今回、カヌー艇庫を通して、そうした思いがかたちになり評価いただけたことは、とても励みになります。これからも、人々がいきいきと活動できる建築をつくり続けていきたいと思います。
金賞(GOLD PRIZE)
銀賞(SILVER PRIZE)
銅賞(BRONZE PRIZE)
入賞(SHORT LIST)
ヤングタレント賞(YOUNG TALENT PRIZE)
受賞者ピックアップ
表彰式では、「建材ナビジャーナル」のインタビューでお世話になった方々も表彰されていました。
その他にも、「林 洋介」氏や「津川 恵理」氏も受賞者として名前が呼ばれてました。
懇親会の様子
編集後記
今年で7回目を迎えた日本空間デザイン賞「2024 年度 KUKAN OF THE YEAR」へメディア関係者として参加をさせていただきました。冒頭で窪田理事長より今年は新たに「ヤングタレント賞」の枠を設ける話がありました。若手デザイナーが自分の作品を紹介できる場があることは大変喜ばしく、窪田理事長の「若い人には未来のデザインが宿っている」という言葉には共感致しました。
858作品から一次、二次、三次そして最終審査を経て選ばれた各受賞作品はどれも素晴らしい作品ばかりでした。受賞されたデザイナーや関係者の皆様、本当におめでとうございます。
858作品から一次、二次、三次そして最終審査を経て選ばれた各受賞作品はどれも素晴らしい作品ばかりでした。受賞されたデザイナーや関係者の皆様、本当におめでとうございます。
JCD(日本商環境デザイン協会) インタビュー&レポート
Award
RELATED ARTICLE
ARCHITECT GROUP TAGS
アクセスランキング(SPECIAL)
SumaiRing最新記事

