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掲載:2019年08月14日更新:2025年12月05日

外装材の種類と基礎知識

外装材
外装材は住まいの印象を大きく左右する大切な素材です。また、外気の様々な条件から建物を守るために、耐候性、耐火性、遮音性などの性能が要求されます。太陽や雨風にさらされるためメンテナンス性も重要です。

このほかにも、デザイン性や機能性、価格などにも配慮し、トータルな観点から選ぶことが大切です。

一般的な外装材の種類と特徴

外装材

1.サイディング

サイディングは、ボード状の外壁材で、工場生産するため品質が均一で安定しており工期も比較的短く、価格も安価なことが特徴である。サイディングには素材により、主に3種類に分けられる。

①金属系サイディング
金属サイディングは、ガリバリウム鋼板とアルミ合金製が主流で、断熱性能を上げるため発砲樹脂で裏打ちしたものもある。素材の耐候性が高く、凍害にも強いが、断熱性と遮音性は窯業系サイディングの方が優る。

②窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主原料に、圧力釜で高温、高圧の養生をしたものである。レンガ風や石積風などの表情も多彩な加工が可能。

③木質系サイディング
木質系サイディングは、耐候性のある木壁のことで、自然の風合いが趣のある外壁を演出する。
 

2.モルタル(塗り壁)

セメントと砂を混ぜて水で練ったモルタル下地に、樹脂系の素材や漆喰、珪藻土などを塗装する方法。樹脂系の吹き付けは最も一般的で、安価に施工できる。
健康への配慮から、漆喰や珪藻土など自然素材の塗り壁も人気が高まっている。
外装材

3.タイル

タイルは年度を主原料に各種鉱物を混ぜ合わせて成形し、根音で焼き上げる。焼き方や吸水率の違いで、磁器質、せっ器質、陶器質に分類できる。
耐候性、耐火性に優れており価格は高いが汚れなどに強く、その分メンテナンス費用が少なくて済む。

4.コンクリート

セメント、砂、砂利、水などの骨材を調合して煉り合せたもの。
セメントと水の化学反応によって硬化体となり、耐火性、耐水性に優れている。
直線、滑らかな曲線といった複雑な彫刻的造形などの、自由なデザインが可能である。

5.ALC

ALCは軽量気泡コンクリートとよばれ、珪石、セメント、石灰石などを主原料に鉄筋を組んだ型枠に注入して高温高圧の養生釜で生成する。
多孔質で耐熱性に優れ、コンクリートの重量のおよそ4分のⅠと軽量で施工性も良く耐火性も高いのが特徴である。

外装材の選び方のポイント

外装材は、使用する面積も大きいので素材の選び方で価格も大きく左右されます。耐候性やメンテナンス性も十分比較検討して、適切なものを選びましょう。
外装材

1)外装材を長持ちさせる、特殊な耐候性技術の開発と実用化の例

排気ガスや煤煙、酸性雨など外気の汚れは長年の間に、外壁にこびりつき美観を損ねるようになります。そのため、外壁材には様々な技術で汚れをつきにくくする工夫が施されているものがあります。

●ナノ親水マイクロガード技術
塗膜を特殊シリカの超微粒子で覆うことで、表面に超親水性の状態を作り出し、雨と共に汚れが流れ落ちる仕組み。
しかもマイクロガード加工を採用している塗膜表面は、藻やカビの生育を抑制する効果がある。

●ハイドロテクトを用いた技術
光が当たると強い酸化力を発揮し、有機物を分解する力と超親水性を発生させる光触媒の特性を生かした技術「ハイドロテクト」。
この技術を施した外壁は光触媒が分解した汚れの下に、雨水が入り込み汚れを浮き上がらせる。

●親水性フッ素コートのセルフクリーニング機能
親水性フッ素コートを外壁の表面に塗装することで、親水性によって雨と一緒に、藻やカビなどの汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を備えている。


2)街並みとの調和を考慮したデザインや色を選ぶ

外壁材を選ぶ時の、大切な要素の一つに街並みへの配慮があります。
外壁材は使用する面積が大きいため、素材の選び方で住まいの印象も、価格も大きく変わります。

●比較的安価な素材に、高価な素材をデザイン的に配置する。
他の素材に比べ、安価な塗り壁と重厚で厚みのあるサイディングを組み合わせる。
またレンガやタイルをアクセントとして配置することで、色や柄の組み合わせによるデザイン性のある外壁を楽しむことができる。





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