建材情報まとめサイトすまいりんぐ
ARCHITECT
建築家インタビュー
  • 掲載:2019年11月29日 更新:2024年12月06日

言葉のキャッチボールがスタートラインとして大切だと思っています。
山下建築研究所 山下光男

山下建築研究所
山下建築研究所 山下光男
山下建築研究所
山下光男(やましたみつお)
一級建築士

〒329-0101
栃木県下都賀郡野木町友沼6614-5
TEL:0280-57-2441
【経歴】

1951年
埼玉県さいたま市生まれ

株式会社奥野建築設計事務所勤務を経て1980年より山下建築研究所開設



設計において正解は無い

 人として何らかの形で人や社会の役に立ちたいと言う思いを持たれている方も多いと思いますが私自身も建築家である前に一人の人間として関わった方々のお役に立ちたいと思いが前提としてあります。

私の場合は一人事務所と言う事もあり個人、特に住宅設計の依頼が多いです。住宅の場合は特にご希望はそのご家族それぞれで或る家では喜ばれたことが別の家族では全く評価されない等多々あり設計において正解は無いと思っています。
色々と提案する前にまずは建て主さんのご希望を良く聞くことから始まります。ご希望を写真や箇条書き、文章等でまとめてこられる方もおられますが中には漠然とした思いは有っても具体的にどのような家に住みたいのか考えのまとまっていない方もおられます。その時点では良いと思われていた事も話を聞いていく内「この様な考え方、選択肢も有りますよ」と提案すると「ああ、その様な考え方もあったのか!」というケースも多々あります。

まずは「話をよく聞く」その上で意見や提案等をしていく言葉のキャッチボールがスタートラインとして大切だと思っています。



良い家を建てる為には

部屋単位でなく空間単位で考える

住まいを考えるとき、多くの場合は居間や食堂あるいは寝室など部屋単位で住まいを考えます。限られた面積の中に要求の部屋数を取らねばならない時など当然ひと部屋ひと部屋は小さく狭くなってしまい、切詰める過程の中で本当にこの部屋は必要か?という場面がときおり見られます。
たとえば子供室、成長にともなって幼児期は親子一緒、学生になって独立した個室、結婚や一人立ちで空室となったり、時間の経過と共に多様に形態は変わります。たとえば客室、年に数回程度の来客であればその為に1年中一部屋を空けておくのはもったいないといわざるを得ません。
部屋という単位ではなく大きな空間で考え、その一部をあるときは子供の為の個室に使うとか来客のための接待や寝室に使うとか、取り外しが可能な建具や可動の間仕切で仕切るといった柔軟な使い方のほうが、その時々に合せた多目的で永く使える空間とする事が出来ると思います。

いいかげんにつくる(つくり過ぎない)

誤解を恐れずに言わせてもらうとこうなります。細かな要望を取り入れきっちりと造り込むことは良い事のよう思いますが、永い時間の流れの中では必ずしも正解とはいえなくなってくるのではと思っています。
出来たその時点ではそれは正解だろうと思います。しかし子供の成長や結婚等、家族の成長に伴いライフスタイルそのものが変わったり家族構成が変わったりと時間の流れの中では空間も不変ではありえません。
あまり造り過ぎない、ざっくりと造って可変な置き家具や仕切り等で使いつづけた方が長い目で見ると使いやすいこともあると思います。その場に合わせ過ぎないアバウトさも時には必要なのではないでしょうか。




施工事例




SHARE

RELATED ARTICLE

アクセスランキング(ARCHITECT)
株式会社TSUMUJI 佐野温史
人と空間、双方向のデザイン
株式会社藤村デザインスタジオ​ 一級建築士事務所 藤村益生
デザインを寝かせることによる客観視とテクノロジー活用方法の追求
一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 小松原敬
設計とは「住まいの大切なDNA」良質な遺伝子が育む居心地の良い住まい。
株式会社Old Kan 浦田晶平
懐かしくて古き良き感覚を大切にしつつも、トレンドは意識し長く残る空間デザインを心掛けています
塚田裕之建築設計事務所 塚田裕之
流行に左右されない50年後、100年後も良いと思えるデザインをしてきたいと考えています。
SumaiRing最新記事
SPECIAL
住まい・建築・不動産の総合展 BREX関西
メルマガから実現へ!BREX関西「大阪・関西万博プロジェクト採用建材 特別展示コーナー」企画成功の背景
STORY
高橋建設株式会社 ✕ 株式会社FPコーポレーション
断熱性・気密性・耐震性に優れた「FPウレタン断熱パネル」
ARCHITECT
株式会社コンセプション 代表取締役 CEO デザインプロデュース 平識伸二郎
イタリア「A Design Award」で銀賞を受賞したWINERYナゴパイナップルパーク
MANUFACTURER
マグ・イゾベール株式会社
日本初登場「理想的な音環境」を創造する高性能吸音材〈Ecophon〉
COLUMN
【万博採用建材】ガラスの美しさと金属の堅牢性を融合したホーロー「エマウォール」
最近見た記事
IGArchitects一級建築士事務所 五十嵐理人
持ち主が変わっても空間の持つ魅力を損なわない。そういう建築をつくりたいと思っています。
杉浦事務所
無理難題を積極的に取り入れその回答を探し出した先に新しい建築が生まれる。
小野建築設計室 小野誠一
住まい手の“想い”に寄り添い、さまざまな暮らしの改善要望に丁寧に応える
片岡直樹建築設備設計一級建築士事務所
構造設計者・設備設計者の立場に立ち、設計上の高度な判断ができる統括設計者を目指してます。
有限会社アルキプラス建築事務所 髙志俊明
家をつくることはあくまでも「家族の生活が良くなるため」の手段です
ARCHITECT
建築家インタビュー
2007年秋にスタートした、取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。