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建築家インタビュー
  • 掲載:2012年09月06日 更新:2024年12月06日

住まい手の“想い”に寄り添い、さまざまな暮らしの改善要望に丁寧に応える
小野建築設計室 小野誠一

小野建築設計室
小野建築設計室 小野誠一
小野建築設計室
小野誠一(おのせいいち)
一級建築士
インテリアコーディネーター
福祉住環境コーディネーター3級
D.I.Y.アドバイザー

〒210-0813
神奈川県川崎市川崎区昭和2-6-9
TEL:044-270-5669
【経歴】

1965年
法政大学工学部建築学科卒
1988年
株式会社地域計画設計
1989年
株式会社矢沢建築設計室
1993年
株式会社象地域設計など、住まいづくりを主とした設計事務所を経て
1998年
一級建築士事務所小野建築設計室 設立
2012年より
浅野工学専門学校 建築デザイン科 非常勤講師


異素材との出会いを探し求めてクライアントの『好き』を空間に演出

主に住まいづくりに関わる仕事をしています。設計事務所というと、資金のある方が特徴的な作品づくりをするところと思われる方もいると思いますが、私の場合は、全くその逆をいっている感じです。

人は、どんな環境に置かれても、自らの(家族の)居場所を持つことと、その居場所を居心地の良いものにしたいという権利と欲求を持っています。
資金の有る無いや計画の大小に関わらず、そうした人たちの望みを叶える役に立つことが建築士としての社会的役割であるべきだと考えています。地域のまち医者のような存在を目指しています。
一定の線引きをして、そのラインに満たない人はお断りというようにはしたくないんです。



住まい手と一緒になって設計と監理をすすめていくことが大切

新築や建替えといった事以外にも、家具の移動や暮らし方の見直しで解決していくこともあれば、さまざまな補助制度を活用しての小さな改修リフォームなどもあります。今は耐震診断、耐震改修を兼ねたリフォームの相談が多いですね。また、欠陥住宅の相談から、調査、意見書づくり、しいては弁護士さんと調停や裁判での証言に立つことなどもあります。

どんな小さな計画であっても、建築士がきちんと住まい手と一緒になって設計と監理をすすめていくことが大切だと考えています。

建築トラブルを生んでいるケースの多くが、住まい手の方のイメージがきちんと伝わっていないままだったり、建築士や工務店へのお任せ的であったり、監理がきちんと行われていなかったり、記録が残されていなかったり、というものだからです。

また、住まいは、暮らし始めてから歴史を刻んでいきます。良い歳のとり方ができるように、住まい手の方に提出する工事完了報告書の中に、工事中の記録をきちんと整理し、また使用した建材のメンテナンスの仕方や中長期修繕計画なども作成してお引渡しするようにしています。



「普通」「標準的」な中身は人によってみんな違う

それぞれ事情を抱えた住まい手の方の想いに、どう寄り添うか、どう共通認識をつくりだせるかという部分を大切にしています。
「普通でいい」「標準的には」という言葉が飛び交うことがありますが、その中身は人によってみんな違うんです。その普通の暮らしを紐解く問いかけをしたり、部屋の片隅に置いてある荷物などから、暮らし方を言葉にしてみたり、時にはその方の人生に想いを馳せることからの提案などもしてみたり。安易に「それはできません」などの否定的な言葉は使わないように気をつけています。

説明の段階を踏むということを大切にしています

設計・監理をする上で、説明責任を大切にしています。
住まいづくりの過程では、数多くの選択が必要です。その一つ一つに良い点と良くない点とが存在するものです。それをきちんとやり取りすることをしています。
これを繰り返すことで、住まい手自身も、何を優先し、何を大切にしたいのかが少しずつ見えてきたりするようで、打ち合わせがだんだん楽しい雰囲気になってきます。つまり、その方の住まいづくりにおける共通認識ができあがってくることを実感します。
さきほどの「それはできません」といった内容についても、一呼吸置いて、その理由や良い点と良くない点を説明しお伺いするという段階を踏むということを大切にしています。
それと、細かいことですが、横文字もできるだけ使わないように気をつけています。専門用語などに多いのですが、できるだけ、わかりやすい日本語に置き換えて話すようにしています。



施工事例




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