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コラム
安藤忠雄設計の直島新美術館が2025年春にオープン|アートの新時代

瀬戸内海のアートアイランドとして知られる直島に、2025年春、新たなランドマークが誕生します。
建築家・安藤忠雄が設計を手がけた「直島新美術館」は、自然とアート、そして建築が融合する文化拠点として注目を集めるでしょう。
本記事では、美術館の概要や建築の特徴、展示予定の作品や訪問時に役立つ情報をご紹介します。
1.直島新美術館の概要
直島新美術館は、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、従来の展示空間とは異なる体験を提供することを目指して計画されました。設計を手がけるのは、直島の象徴とも言える建築家・安藤忠雄氏。新美術館は、これまでの文化的蓄積を継承し、未来に開かれた場として展開されます。
開館予定日と場所
ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計のアート施設として新たに建築された直島新美術館が、2025年5月31日(土)に開館予定となりました。場所は宮浦港から徒歩15分ほどの木村地区の高台に位置し、島の自然と瀬戸内海を見渡す静かな環境にあります。
建物は、敷地の高低差を活かして南北に広がる構造で、周囲には屋外展示やカフェスペースも整備されています。
また、ベネッセアートサイト直島の他施設や豊島方面からの連絡船利用にも便利で、アート巡りのルートとしてもアクセス性に優れた立地です。
・ 住所:⾹川県⾹川郡直島町 3299-73
・ 開館日:2025年5月31日(土)
・ 開館日:2025年5月31日(土)
美術館の目的と理念
直島新美術館は、島内外の多様な人々が出会い、交流や連携が生まれる場として、多機能な美術館を目指しています。
1980年代後半から始まったベネッセアートサイト直島では、これまでに数々のアート施設や作品が展開されてきました。その流れを受け継ぎ、直島新美術館は、こうした施設をつなぐ「美術館群」の中心的な存在としての役割を担います。
従来の美術館が果たしてきた「鑑賞」の機能を果たしつつも、訪れる人に新たなアート体験を届け、直島におけるアートの可能性をさらに広げていくことでしょう。
参考: 直島新美術館特設サイト
従来の美術館が果たしてきた「鑑賞」の機能を果たしつつも、訪れる人に新たなアート体験を届け、直島におけるアートの可能性をさらに広げていくことでしょう。
参考: 直島新美術館特設サイト
2.美術館での展示内容と展示参加アーティスト

直島新美術館では、展示空間そのものがひとつのアート体験となるよう設計されています。
来館者が作品を「見る」だけでなく、「感じ、考える」ことができる構成が予定されており、館全体を使った多層的な表現の場としての展開が期待されています。
開館記念展示では、ベネッセアートサイト直島の初期から近年までに関わりのある作家、12名/組の作家による展示が予定されています。
展示は、地下2階から地上1階にまたがる複数のギャラリーやカフェテリア、さらに屋外敷地にも広がり、美術館全体がアート作品で埋め尽くされるでしょう。
本展は、「よく生きるとは何か?」という問いを出発点に、アジアのアーティストたちのまなざしや表現を通して、現代社会や環境への鋭い視点を投げかけます。直島で始まった活動の原点を再確認しながら、作品群が未来への希望のメッセージとなることを目指しています。
来館者が作品を「見る」だけでなく、「感じ、考える」ことができる構成が予定されており、館全体を使った多層的な表現の場としての展開が期待されています。
開館記念展示では、ベネッセアートサイト直島の初期から近年までに関わりのある作家、12名/組の作家による展示が予定されています。
展示は、地下2階から地上1階にまたがる複数のギャラリーやカフェテリア、さらに屋外敷地にも広がり、美術館全体がアート作品で埋め尽くされるでしょう。
本展は、「よく生きるとは何か?」という問いを出発点に、アジアのアーティストたちのまなざしや表現を通して、現代社会や環境への鋭い視点を投げかけます。直島で始まった活動の原点を再確認しながら、作品群が未来への希望のメッセージとなることを目指しています。
展示参加アーティスト(姓のアルファベット順)
・ 会田誠/Aida Makoto
・ マルタ・アティエンサ/Martha Atienza
・ 蔡國強/Cai Guo-Qiang
・ Chim↑Pom from Smappa!Group
・ ヘリ・ドノ/Heri Dono
・ インディゲリラ/indieguerillas
・ 村上隆/Takashi Murakami
・ N・S・ハルシャ/N. S. Harsha
・ サニタス・プラディッタスニー/Sanitas Pradittasnee
・ 下道基行 + ジェフリー・リム/Shitamichi Motoyuki + Jeffrey Lim
・ ソ・ドホ/Do Ho Suh
・ パナパン・ヨドマニー/Pannaphan Yodmanee
参考: 展示について(直島新美術館特設サイト)
・ 会田誠/Aida Makoto
・ マルタ・アティエンサ/Martha Atienza
・ 蔡國強/Cai Guo-Qiang
・ Chim↑Pom from Smappa!Group
・ ヘリ・ドノ/Heri Dono
・ インディゲリラ/indieguerillas
・ 村上隆/Takashi Murakami
・ N・S・ハルシャ/N. S. Harsha
・ サニタス・プラディッタスニー/Sanitas Pradittasnee
・ 下道基行 + ジェフリー・リム/Shitamichi Motoyuki + Jeffrey Lim
・ ソ・ドホ/Do Ho Suh
・ パナパン・ヨドマニー/Pannaphan Yodmanee
参考: 展示について(直島新美術館特設サイト)
3.安藤忠雄氏による建築と特徴

写真:ベネッセアートサイト直島のベネッセハウス「オーバル」 ©︎663highland, CC BY-SA 3.0 出典:
Wikimedia Commons
直島新美術館は、展示作品と建築が響き合う「場」として設計されました。建物そのものがひとつの芸術体験となるように構成されており、自然・アート・建築の三位一体による空間づくりが随所に見られます。
設計を担当したのは、ベネッセアートサイト直島で長年にわたりプロジェクトを手がけてきた建築家・安藤忠雄氏です。本章では彼の思想と、建築的特徴について紹介します。
設計を担当したのは、ベネッセアートサイト直島で長年にわたりプロジェクトを手がけてきた建築家・安藤忠雄氏です。本章では彼の思想と、建築的特徴について紹介します。
安藤忠雄のデザインと直島での歩み
直島新美術館は、安藤忠雄(Tadao Ando)氏が長年関わってきたベネッセアートサイト直島の節目となる建築プロジェクトです。地中美術館などで築いてきた、自然と調和する空間づくりの思想が、本施設にも息づいています。
開館にあたり安藤氏は、「直島を世界的に有名な芸術文化の島として開花させたのは、福武總一郎さんの熱意に他ならない」と語っています。 福武氏は、ベネッセホールディングスの元会長であり、アートと地域をつなぐ活動を30年以上にわたり牽引してきました。
今回の新美術館も、福武氏の自由な精神と意志に導かれて誕生した建築です。安藤氏のデザインには、直島との対話と信頼の歴史が刻まれています。
参考: 関係者ご挨拶(直島新美術館特設サイト)
開館にあたり安藤氏は、「直島を世界的に有名な芸術文化の島として開花させたのは、福武總一郎さんの熱意に他ならない」と語っています。 福武氏は、ベネッセホールディングスの元会長であり、アートと地域をつなぐ活動を30年以上にわたり牽引してきました。
今回の新美術館も、福武氏の自由な精神と意志に導かれて誕生した建築です。安藤氏のデザインには、直島との対話と信頼の歴史が刻まれています。
参考: 関係者ご挨拶(直島新美術館特設サイト)
建築物の主要な構造と素材
直島新美術館の建築には、安藤忠雄氏がこれまでのプロジェクトで培ってきた設計思想が、空間のディテールにまで反映されています。
建物は地下2階・地上1階の3層構造で、敷地の高低差を活かしながら、自然光と空気の流れを丁寧に取り込む設計となっています。
主要素材には、安藤建築の代名詞ともいえる打ち放しコンクリートが用いられており、周囲の自然や光の移ろいを引き立てるシンプルな造形が特徴です。また、館内の動線は作品との出会いを意識して設計されており、屋外展示との連続性も計算されています。 機能面では、展示環境に配慮した空調・照明・音響システムが整備され、アーティストの滞在制作やワークショップへの対応も視野に入れた多目的性が確保されています。
参考: 建築について(直島新美術館特設サイト)
建物は地下2階・地上1階の3層構造で、敷地の高低差を活かしながら、自然光と空気の流れを丁寧に取り込む設計となっています。
主要素材には、安藤建築の代名詞ともいえる打ち放しコンクリートが用いられており、周囲の自然や光の移ろいを引き立てるシンプルな造形が特徴です。また、館内の動線は作品との出会いを意識して設計されており、屋外展示との連続性も計算されています。 機能面では、展示環境に配慮した空調・照明・音響システムが整備され、アーティストの滞在制作やワークショップへの対応も視野に入れた多目的性が確保されています。
参考: 建築について(直島新美術館特設サイト)
4.ベネッセアートサイト直島における新しい挑戦

写真:ベネッセアートサイト直島のベネッセハウス「パーク」 © 663highland, CC BY-SA 3.0 出典:
Wikimedia Commons
直島新美術館は、ベネッセアートサイト直島が長年培ってきた「自然・アート・建築の共生」の理念を継承しながら、より開かれた関係性の場として構想されたプロジェクトです。これまで島内に点在してきた各施設を「美術館群」として横断的につなぐ役割を担い、島全体がひとつの展示空間として機能する構想が進められています。
また、新美術館は「変化のある場」「関係が深まる場」を目指し、作品を見るだけではなく、関わり合う体験が重視されています。来館者とアーティスト、あるいは地域住民との対話を促すような展示設計や空間構成がなされており、対話と変化を生む場としての可能性が期待されています。
さらに、教育普及活動や社会課題への応答も視野に入れたプログラムが予定されており、従来のミュージアムの枠を超えた存在として、直島の文化的進化に寄与することが目指されています。 新しいアートのあり方、新しいつながりの形を提示する場として、直島新美術館は新たな挑戦を始めています。
また、新美術館は「変化のある場」「関係が深まる場」を目指し、作品を見るだけではなく、関わり合う体験が重視されています。来館者とアーティスト、あるいは地域住民との対話を促すような展示設計や空間構成がなされており、対話と変化を生む場としての可能性が期待されています。
さらに、教育普及活動や社会課題への応答も視野に入れたプログラムが予定されており、従来のミュージアムの枠を超えた存在として、直島の文化的進化に寄与することが目指されています。 新しいアートのあり方、新しいつながりの形を提示する場として、直島新美術館は新たな挑戦を始めています。
5.直島新美術館への訪問計画
直島新美術館を訪れる際は、交通手段や施設の利用方法を事前に把握しておくことで、よりスムーズにアート体験を楽しむことができます。ここではアクセスの基本情報に加え、宿泊や体験型ツアーといった、より深く直島を楽しむための方法もご紹介します。
アクセス方法と交通手段
・ 岡山県(宇野港) → 宮浦港
所要時間:約20分(フェリー)、約15分(高速船)
・ 香川県(高松港) → 宮浦港または本村港
所要時間:約50〜60分(フェリー)
直島新美術館は、宮浦港から徒歩約15分。道中にはベネッセハウスやカフェも点在しており、散策を楽しみながらのアクセスが可能です。詳しくは以下サイトをご覧ください。
参考: アクセス(ベネッセアートサイト直島)
所要時間:約20分(フェリー)、約15分(高速船)
・ 香川県(高松港) → 宮浦港または本村港
所要時間:約50〜60分(フェリー)
直島新美術館は、宮浦港から徒歩約15分。道中にはベネッセハウスやカフェも点在しており、散策を楽しみながらのアクセスが可能です。詳しくは以下サイトをご覧ください。
参考: アクセス(ベネッセアートサイト直島)
直島新美術館利用のための登録やチケット情報
新美術館の入館は、公式サイトからの事前予約制です。2025年5月31日に開館するこの注目の施設を確実に楽しむためにも、あらかじめチケットの取得をおすすめします。
参考: チケット予約(ベネッセアートサイト直島)
また、公式サイトでは新美術館を含む宿泊付きの鑑賞プランや、直島の文化を体験するツアーも紹介されています。
たとえば、島内に点在するアート施設をめぐりながら、地元の食や人との出会いを楽しめる構成が特徴です。
より深く直島のアートと暮らしに触れたい方は、これらのプログラムもぜひチェックしてみてください。
参考: チケット予約(ベネッセアートサイト直島)
「直島新美術館」
・ 開館時間:10:00 ~ 16:30( 最終入館16:00 )
・ 休館日:月曜日 ※ ただし、祝日の場合開館、翌日休館
詳細は開館カレンダーをご確認ください。
・ 鑑賞料金:オンライン購入 1,500円/窓口購入 1,700円
※15歳以下無料
・ 開館時間:10:00 ~ 16:30( 最終入館16:00 )
・ 休館日:月曜日 ※ ただし、祝日の場合開館、翌日休館
詳細は開館カレンダーをご確認ください。
・ 鑑賞料金:オンライン購入 1,500円/窓口購入 1,700円
※15歳以下無料
また、公式サイトでは新美術館を含む宿泊付きの鑑賞プランや、直島の文化を体験するツアーも紹介されています。
たとえば、島内に点在するアート施設をめぐりながら、地元の食や人との出会いを楽しめる構成が特徴です。
より深く直島のアートと暮らしに触れたい方は、これらのプログラムもぜひチェックしてみてください。
まとめ|直島新美術館がもたらす、未来へのアートの在り方

写真:ベネッセアートサイト直島のベネッセハウス「ミュージアム」
© 663highland, CC BY-SA 3.0 出典: Wikimedia Commons
© 663highland, CC BY-SA 3.0 出典: Wikimedia Commons
直島新美術館は、香川県・直島町の自然と文化に根ざしながら、アート・建築・人をつなぐ新しい挑戦として誕生します。
建築家・安藤忠雄氏とベネッセアートサイト直島の長年の協働により生み出されたこの空間は、単なる展示施設を超え、訪れる人々の感性と社会を揺さぶる場となることでしょう。
直島新美術館が、地域にも、世界にも、これからのアートの可能性を開いていくことを期待しています。
建築家・安藤忠雄氏とベネッセアートサイト直島の長年の協働により生み出されたこの空間は、単なる展示施設を超え、訪れる人々の感性と社会を揺さぶる場となることでしょう。
直島新美術館が、地域にも、世界にも、これからのアートの可能性を開いていくことを期待しています。
著者(長谷川裕美)プロフィール
建築・インテリアの専門学校卒業後、設計事務所や住宅メーカーに勤務。
現在は建築関連のライターとして活動中。
常に変化する建築業界の話題を丁寧にお届けします。
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