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掲載:2019年9月29日 更新:2022年06月17日

『外壁塗装は必要ない』と感じた人に起こる5つのトラブル

外装塗装

外壁の劣化が気になって見積もりをとっても、業者から「あなたの家の外壁は塗装が必要ない素材です」と言われることがあります。

一方で、塗装が必要であるにもかかわらず業者の判断によって不要とされるケースがあるのも事実です。

この記事では、外壁に塗装が必要ないと感じている人向けに情報をお届けします。
具体的には以下の内容を解説します。

1.「外壁塗装は必要ない」と感じた人に起こる5つのトラブル

外装塗装

塗装したほうが明らかに良いと見受けられる場合でも必要ないのでしょうか。
外壁の劣化を放置すると発生するトラブルは、次の5つです。

1.室内が暑くなる・寒くなる
2.外壁の見栄えが悪くなる
3.雨漏りが起こる
4.外壁の補修費用が増える
5.住宅の建て直しで10倍以上の費用が必要になる

主なトラブルについて、詳しく解説します。

1.室内が暑くなる・寒くなる

外装塗装

塗装がはがれている状態を放置しておくと、ひび割れから隙間風が侵入して室温調節が難しくなります。 真夏では外の熱気が内部に入って暑くなりますし、真冬であれば冷気が室内に侵入して暖房を付けていても追いつかないほど寒くなるでしょう。

塗装の種類によっては紫外線カットや断熱効果があるため、冷房や暖房の効果が薄れるだけではなく他のトラブルも発生してしまうのです。

2.外壁の見栄えが悪くなる

外装塗装

紫外線カットや断熱だけでなく、コケやカビを予防する効果があります。
コケやカビは悪臭の原因にもなります。 悪臭は、近所トラブルを起こす可能性があります。

3.雨漏りが起こる

外装塗装

塗装がはがれるとひび割れが発生して雨が侵入する危険があります。 室内に雨が侵入すると、電化製品がショートして火災が起こるリスクがあるでしょう。

4.外壁の補修費用が増える

外装塗装

塗装がはがれて雨が侵入すると、外壁の劣化が進みます。
劣化は塗装表面から下地、外壁材の内部を侵食し、やがて建築材や基礎部分にまで及ぶのです。
はがれた段階で補修すれば費用は安いのですが、外壁の内部にまで劣化が侵食すると外壁材の交換が必要となり、高額な費用が発生します。

5.住宅の建て直しで10倍以上の費用が必要になる

外装塗装

外壁が劣化しつづけると建築材がボロボロになってしまうと説明しましたが、最悪の場合は建て直しまで検討しなければなりません。
住居を建て直すとなった場合は2,000万円以上が必要となります。
塗装をおこなうだけであれば工事費用は150万円以下で済むのに、放置すると10倍以上の費用がかかるのです。

2.外壁塗装が必要な4つの理由

外装塗装

見た目を良くするだけでなく、4つの必要性があっておこなわれています。

1.外壁や建物を保護するため
2.美観を維持するため
3.補修費用を抑えるため
4.雨漏りを防ぐため

それぞれを具体的にチェックしておきましょう。

1.外壁や建物を保護するために必要

紫外線をカットする効果があるのが特徴です。
紫外線は人体に悪影響を及ぼすことで知られていますが、住居も同様です。
紫外線を浴びすぎた外壁はひび割れのように劣化が起こりやすくなるため、塗装によって壁材を保護する必要があります。

2.美観を維持するために必要

建物の美観を維持するためにも必要な作業です。
外壁のカラーリングを変えることで違った印象を与えることができますし、模様付けすることも可能です。 ボロボロの住宅は近隣住民から冷たい視線を受けやすくなるため、長く放置することは推奨しません。

3.補修費用を抑えるために必要

壁材の補修費用を抑えるために必要です。
本来は塗装だけで十分だったにもかかわらず、放置して壁材が劣化してしまうと張り替えなどを行う必要性が出てきます。
張り替えは費用が2倍以上必要になるため、工事費を安く抑えたいのなら定期的な塗装をおこないましょう。

4.雨漏りを防ぐために必要

外壁材をコーティングする効果があり、撥水効果をもたせることが可能です。
塗装工事ではひび割れの隙間などを埋めることができるので、雨漏りを防ぐ効果があります。 ただし、既に発生している雨漏りは防げません。
雨漏りが発生している場合は先に雨漏り修理業者に依頼しましょう。

3.外壁塗装が必要なくなるような対策はないのか

外装塗装

塗装は、あくまでも壁材をコーティングする意味合いで施工するものであり、外壁の保護効果を永久に持続できるわけではありません。
塗装のはがれなどが発生した場合は定期的な塗り直しが必要です。
いちいち塗り直すと高額な費用が必要となってしまいますが、塗装メンテナンスを不要にする方法はあるのでしょうか。

対策として2つを紹介します。

外壁塗装が必要ない材料を使う

外装塗装

外壁材や屋根材の中には、塗装が必要ないものが存在します。
必要ない主な材料としては、次の3つがあります。

1.タイル
2.レンガ
3.日本瓦

メンテナンスが面倒だという人はいずれかの素材を使うことを推奨します。

1.タイル
外装塗装

タイルとは、粘土を板状にして焼いて作られたもので、外壁以外に風呂場の壁や床にも張ります。
素材が頑丈なため塗装が不要であり、長持ちさせやすいのが特徴です。

2.レンガ
外装塗装

レンガは、劣化に強くてカビが生えにくく紫外線に対して強い耐性があるため塗装が必要ありません。 主に古い洋風の建築物で使用するレンガは、日本だと「神奈川県の赤レンガ倉庫」や「東京駅」などで使用されています。

3.日本瓦
外装塗装

屋根材として日本古来の住居で使用されている日本瓦は、粘土を材料に作った焼き物です。
日本瓦は無機質素材ですので塗装が不要です。
また、釉薬瓦(ゆうやくがわら)と呼ばれる日本瓦だと製作段階で「うわぐすり」と呼ばれる薬品を焼き付けているため、新たに塗装する必要がありません。

外壁塗装のメンテナンス時期を延ばす

外装塗装

外壁塗装が必要ない材質を使うのではなく、メンテナンス時期を延ばすことでメンテナンスの手間を省くことが可能です。
外壁塗装のメンテナンス時期を延ばす方法には以下があります。

耐用年数が長い塗料を選ぶ
外装塗装

外壁塗装では、使用する塗料にこだわることで塗膜の耐用年数を延ばすことが可能です。
耐用年数が長い主な塗料としては、「フッ素」や「無機」があります。
「フッ素系塗料」は主成分が合成樹脂であり、樹脂にフッ素が含まれている塗料です。
最長で20年程度まで耐用年数を延ばせる点が魅力となっています。
「無機系塗料」とは、一般的な有機塗料と違って鉱物やガラスなどの無機物を中心に作られた塗料です。

最長で25年程度の耐用年数があり、紫外線や雨の影響を受けにくいため劣化しにくく外壁を長持ちさせることが可能です。

定期的に検査をして劣化を確認する
外装塗装

定期的に外壁の検査をして劣化を確認することも重要です。
人間の体と同じで、住居も定期的に検査することで不具合に早く気づくことができます。
劣化の初期段階でメンテナンスをすることで、手間を省けますし長期的には費用も抑えられるのです。

4.外壁塗装の工事にかかる費用の相場

外装塗装

外壁塗装の工事にかかる費用は50万円を超えますが、金額は使う塗料や業者によって大きく変わります。
では、一般的なサイズの住宅だと、どのくらいの費用が必要なのでしょうか。

外壁塗装にかかる工事総額

業者に依頼する場合は、30坪で80万円前後の費用が必要です。
上記は外壁のみの塗装価格で、屋根を塗る場合は20〜30万円ほどの追加費用がかかります。
業者への依頼ではなくDIYによって工事をした場合でも、足場だけは業者に依頼して組んでもらう必要があります。
足場以外にも材料費や道具代が欠かせないため、DIYの場合でも総額は40万円程度の費用が必要でしょう。

「外壁塗装は必要ない」と放置した場合にかかる追加費用

塗装をしなかったために外壁材が劣化した場合、30坪の住居におけるケース別に次のような費用が発生します。

•大がかりなコーキング補修:24万円程度
•重度のひび割れ補修:50万円程度
•雨漏り修理:30万円程度
•住宅の建て直し:2,000万円程度

放置をしても得をすることはほとんどなく、外壁を安く修復するためには早めの対策が望まれます。

5.まとめ:「外壁塗装は必要ない」と決めつけると無駄な費用がかかる

外装塗装

素材として「タイル」や「レンガ」「日本瓦」を使用しているなら外壁塗装は必要ないでしょう。
他の外壁素材を使っている場合は基本的に塗装が必要です。
放置をすると劣化が進行し、補修費用が増えたり雨漏りが起こったりする危険性があります。
外壁を定期的にメンテナンスすることで費用を安く抑えましょう。

外壁がどのくらいの年数や劣化でメンテナンスが必要かは、「外壁塗装の耐用年数は20年が限界!寿命を延ばすポイントを解説」で知ることができます。

メンテナンス時期をチェックして最適なタイミングで塗装をおこなってください。



著者(岡崎 康裕)プロフィール

塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験







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