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掲載:2019年8月19日 更新:2022年01月12日

床暖房の種類と選び方

高気密、高断熱へと進化してきた住まいに合わせ、室内の空気を汚さない暖房機器の需要が高まっています。中でも、かつて日本の住宅ではあまり見られなかった「床暖房」への関心は高く、一度は導入を考えてみたいと思われた方も多いのではないでしょうか。

でも、他の冷暖房や空調機器などを選ぶ場合と比べ、床暖房導入には、コスト面や施工などへの不安もあるようです。
床暖房

1)床暖房の効果と種類

床暖房は文字通り床を暖める暖房方法で、足元だけでなく部屋全体を暖める手段として使うことができます。床から発生する暖気は、ふく射によって壁や天井に吸収されて表面温度を上げ、室内に熱を放射します。床面そのものの快適さはもちろん、室内を均一な暖かさに保ち、室内の空気を汚さず、高効率で安全かつ健康的な暖かさを実現します。

床暖房には「温水式」と「電気式」の二種類があります。

①温水式床暖房
温水式床暖房は、パイプを内蔵したマットなどを床下に敷設しガスや灯油などで温めた温水を循環させて暖房する仕組みになっています。温度ムラも少なく室内全体に均一に暖かさを提供することができます。環境性、経済性にも優れ、床暖房のなかでも採用実績が多いようです。

②電気式床暖房
電気式床暖房は、床下材に発熱体を内蔵して電気を通し床を暖めます。蓄熱タイプ、PTC、電熱線ヒーターなどの種類があり、蓄熱タイプは料金の安い夜間電力を利用して蓄熱材に蓄えた熱を使って24時間放熱します。PTCは、面状またはチップ状の発熱体で床面を暖めます。PTC自体が自己温度をコントロールする機能を持っているため、効率よく暖めることが可能です。また、電熱線ヒーターは安全性も高く、施工は簡単ですがランニングコストがやや高めなので、時間を区切って使用するなどの工夫も必要になります。

床暖房

2)床暖房の設置とメンテナンス

温水式と電気式それぞれの快適さやメンテナンス、コストなども考慮に入れて選択し、どちらの方法で設置するか比較検討してみましょう。

①快適さ・安全性
温水式も電気式も、ともに自然な空気の対流で室内を均一に暖める効果があります。また、水蒸気の発生がほとんどないので結露やカビの心配がありません。室内で燃焼させるタイプの暖房器具と比べ、有毒ガスなどを発生しないため人に優しいという利点があります。

②施工性・メンテナンス
温水式は床下に温水パネルを敷設、更に温水を循環する温水配管と熱源機の設置も必要となります。既築住宅で床材の上から後付けで温水パネルを敷くタイプもありますが、温水式は配管施工、熱源機の設置など施工に手間がかかってしまいます。温水を循環しているだけなので日々のメンテナンスは不要ですが、熱源機が故障すると部品交換など必要となることもあります。また寒冷地で不凍液にしていると定期的な不凍液の入替が必要となります。

電気(ヒーター)式は、床下に電熱パネルを敷設します。温水式に比べ工事は簡単で、既築住宅でのリフォームにも最適です。温水式に比べるとシステムがシンプルで工事も簡単なため、一般的にはメンテナンスは不要とされていますが、修理がきかないという面もあります。

③初期費用・ランニングコスト
床暖房の設置費用は、一部屋なら電気式が安価ですが、部屋数が多く面積が広い場合は、配管施工や熱源機の設置費用が高価でも温水式床暖房の方が長期的にみると割安となります。また、ランニングコストも温水式床暖房の場合広いスペースで使用時間が長いほど電気式よりも割安となります。 床暖房を設置する部屋数や広さ使う時間など、暮らしに合わせて選びましょう。

床暖房








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