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掲載:2023年05月16日 更新:2023年05月16日

サウナとフィンランドの建築。昨今流行しているサウナの魅力を発祥の地フィンランドの写真と共にご紹介

“ととのう”という言葉と共にブームになっているサウナ。最近は、老若男女問わずサウナが人気。ホテルやジムなどではもちろんキャンプ場やレジャー施設などでも見かけるようになりました。
特に北海道の道東地方ではアヴァントと言う凍った湖に穴を開けて水風呂がわりにするという本格的なものも。私は、アヴァントは、未体験。でも興味があるので今度の冬でも挑戦したいと考えております。

サウナの発祥は、フィンランド(諸説あり)。昔は、出産や亡くなった人を清める神聖な場所だったとか。今では、住宅や集合住宅、会社やお店にもサウナがあるところが多く、家族の団らんや会議に用いられるなど重要な決断もサウナの中で行われるようです。
サウナは、フィンランドの人たちの暮らしに欠かせないものになっています。そんな魅力あふれるサウナをフィンランドの写真と共にご紹介します。



1.ローリュ(ヘルシンキ)

ローリュ(ヘルシンキ)
ヘルシンキ中央駅からトラムに乗ること約20分。バルト海を望む海沿いにLoylyローリュヘルシンキという人気のサウナがあります。2016年オープンの公衆サウナ。設計は、Avanto Architects。
予約しないと入れない人気のサウナでレストランもあり、大変すばらしいところです。サウナは、全般的に熱め。電気式のタイプ薪を使うオールド(ミスト)サウナがありました。

施設の名前でもあるローリュは(サウナストーンがある部分は高く水もたっぷり入れられるため)迫力があり、あっという間に室内が高温に。熱い体を冷やすための水風呂はなく、外気浴かバルト海に入るのがおススメです。(体力に自信がある方)あとロッカーが小さいので荷物は少なめに。 団体のプライベートサウナもあり。

Avanto Architectsについて


ヘルシンキにある建築事務所。建築国際賞の受賞歴が多数あるフィンランドで最も有名な建築事務所のひとつ


2.フラミンゴスパ(バンター)

フラミンゴスパ(バンター)
バンター国際空港からバスで約10分のJunbo(ユンボ)ショッピングセンターの隣にあるフラミンゴスパ(フラミンゴエンターテイメントセンター内)。

プールやお風呂があるウォーターパークです。こちらにもサウナが8種類もあり、ゆっくり楽しむことが出来ます。早めに入国した時や乗り継ぎ時間があるときにいかがですか?
海外のサウナは混浴が多いので水着はお忘れなく。水着の販売もしています。

フィンランドのサウナの入り方


① シャワーを浴びて体や髪を洗います。
② 水着(混浴の場合)か裸でサウナ室へ。お尻に敷く紙をサウナの入口から持っていくか設置していない場合は、タオルを持参。
③ ゆっくりスチームやスモークを浴びます。ローリュをする場合は、同室の人に断ってからバケツの水をひしゃくを用いておこなってください。
④ 体が温まったらシャワーで汗を流してクールダウン外気浴で休憩します。
⑤ ③と④をくりかえす。

無理しないで楽しむことがポイントです。水分補給もお忘れなく。


3.マイレア邸(ノーマルク)

マイレア邸(ノーマルク)
北欧で最も美しい家と言われているアルヴァ・アアルト設計のマイレア邸。彼の設計した住宅の中で最も有名な作品です。
ヘルシンキから列車を乗り継ぎバスでノーマルクへ小高い森の中にその美しい家はありました。居住しているため一部は非公開。庭には、当然サウナが…。
交通アクセスはよくありませんが何度も行ってみたくなる建築です。

マイレア邸について


1939年マイレとハッリ・グリクセンの邸宅として建築。製鉄所あとの広大な敷地を活かしたミッドセンチュリーの傑作。ディティール使いが美しく、時には和風の引き戸があったりと見ごたえのある住宅。夏なら庭のプールも見ることが出来ます。

アルヴァ・アアルトについて


1898年フィンランド生まれ。北欧の巨匠として有名なフィンランドを代表する建築家。フィンランド、ヨーロッパやアメリカでも多くの建物を設計している。
フィンランディアホール、ロヴァニエミの都市計画などが建築家として有名です。亡くなってから半世紀経った現在でも世界中にファンが多い(私もその一人です)。

また、プロダクトデザインも有名でスツール60や照明器具のゴールデンベル、テキスタイルのシエナなども人気が高い。アルテックで家具やインテリア用品を販売しています(アルテックの創業にかかわったのは、グリクセン夫婦)。
映画「AALTO-アアルト」も今秋日本で公開予定。


4.コッコネン邸(ヤーベンバー)

コッコネン邸(ヤーベンバー)
こちらもアルヴァ・アアルトの設計。ヘルシンキから郊外列車で約1時間森の中にあるコッコネン邸。作曲家のヨーナス・コッコネンの邸宅でした。
現在は、ヤーベンバー市が所有しています。管理をまかされている音楽家のお二人は陽気できめ細かいおもてなしをしてくれるガイド。内部は、プライベート空間のため撮影は禁止ですが外観やお庭の撮影は自由。
その中でサウナについて熱くお話をされたのが印象的でした。サウナから湖が見えるようにアアルトが設計したとか。建物が美しい旋律を奏でているような感じがした名作住宅。音楽家の家らしいです。

ヨーナス・コッコネンについて


1921年生まれのフィンランドの作曲家。国際的に有名な作曲家で「最後の誘惑」のオペラなどの作品がある。



5.ストックマンデパートで買ったサウナグッズ

ストックマンデパートで買ったサウナグッズ
ヘルシンキに行った時に必ず行くストックマンデパート。映画「かもめ食堂」のロケ地として有名なカフェアアルトはアカデミア書店の2階にあり、ストックマンデパートと地下で繋がっています。

最初にフィンランドに行った時にストックマンデパートでサウナ用のひしゃくを買いました。現在は、庭の水まき用として使っています。
ストックマンデパートにはサウナグッズが豊富にあり、サウナ用の温度計、木製の桶やタオルなど見ているだけでも楽しいのでサウナ好きの方は必見です。
フィンランドのサウナと言えばヴィヒタというシラカバの葉の束で体を叩くシーンを思い浮かべる方も多いと思います。私は、ヴィヒタも未体験。機会があったらフィンランドの人とヴィヒタで叩きあってみたいです。



6.サウナのあるくらしを夢見て

旅でサウナに入るのもいいのですがもっと身近にサウナがあればいいと考えるようになり自分なりにいろいろ調べてみました。

フィンランドのバレルサウナという小屋タイプに興味がありシュミレーションしたところ、サウナ建築の目的には自宅用と商業用があり、自宅用でも建築地が防火・準防火地域にあったり、増築する面積が10㎡以上だと確認申請が必要。自宅の水回りまでのアクセス問題も関係してきます。
住宅街の場合は、庭が見えないように目隠しや柵が必要になることも。設備は、電気が主流。大きいタイプだと薪(スモーク)もありますが地域によっては難しそう。

いつか庭にプライベートサウナが欲しいです。

バレルサウナとは


フィンランド発祥の樽型のサウナ小屋。耐久性があり、ローリュの熱の循環も良いので人気のサウナ。



7.まとめ

体を温め心までやわらかくなるサウナ。発汗により代謝が良くなる美容効果も期待できそうです。サウナの中ではより深いコミュニケーションがとれたり、瞑想にもぴったり。
サウナがお好きで自宅やお庭に余裕のある方は、プライベートサウナを取り入れてはいかがですか?日々の暮らしに潤いや癒しをもたらしてくれるでしょう。


著者(村上 佐記枝 )プロフィール

▼略歴
福祉系専門学校卒業後保育士1年勤務
役所で補償業務の臨時職員1年
ハウスメーカー、工務店で建築事務や建築設計、確認申請業務、宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーターなどを30年経験

▼保有資格
二級建築士、宅地建物取引主任士、インテリアコーディネーター、カラーコディネーター2級、福祉住環境コーディネーター2級、整理収納アドバイザー2級、保育士







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