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掲載:2022年11月09日 更新:2022年11月09日

ウッドデッキの費用相場とウッドデッキ材の選択肢

エクステリア・外構リフォームの中でもウッドデッキの設置は人気の高いメニューですが、実際にウッドデッキを新設する場合に費用はどの位になるのかはイメージしにくいかもしれません。
この記事では、

● ウッドデッキの費用相場
● ウッドデッキに使用される素材ごとのメリットとデメリット

についてご説明します。


ウッドデッキの費用相場

ウッドデッキを新設する場合、費用の見積もりには主に、

● 資材の値段(セミオーダーであれば本体価格)
● 施工費用
● オプション費用

が含まれます。戸建て住宅に平均的なウッドデッキを新設する場合の費用は30〜50万円程度となることが多いようです。
費用の内訳を詳しく確認していきましょう。

フルオーダーのウッドデッキの場合


フルオーダーの場合、ウッドデッキに使用する資材の費用はおおむね下記のようになります。

● 人工木…2.5万〜3.5万円/㎡
● 天然木(ソフトウッド)…3万〜6万円/㎡
● 天然木(ハードウッド)…5万〜7万円/㎡

注目したいのは「前入れ後ろ出し」が選べること。外壁に埋め込めば、外に出ることなく、家の中から荷物を受け取ることができます。
木目調(パイン・タモ・ウォルナット)、レザーレッド、マットベージュとデザインも豊富です。

ここに、オプション費用や諸経費などが加算され、ウッドデッキ設置費用の総額となります。さらに、ウッドデッキの形状や規模、設置場所の条件によっては、

● 基礎工事費
● 設計費

などが加算されます。高級な木材を使用した大掛かりなウッドデッキであれば、戸建てのウッドデッキでも予算が100万を超える場合もあります。

セミオーダーのウッドデッキの場合


セミオーダーのウッドデッキの場合、束や根太などの構造材まで含めた本体価格の相場は、おおむね下記のようになります。

● 2800×1000サイズ(2.8㎡)…10万〜15万円
● 3600×1300サイズ(4.7㎡)…18万〜23万円
● 5500×1800サイズ(4.7㎡)…34万〜40万円

メーカーによって表示方法が異なることもありますが、セミオーダーのウッドデッキの本体価格には施工費用が含まれていないケースも多いので注意しておきましょう。大抵の場合上記の本体価格+施工費用+諸経費(送料など)がウッドデッキ設置工事の総額になります。

ウッドデッキにオプションを追加する場合の費用


上記の費用はデッキ(床)部分だけの価格ですので、そこにオプションを追加する場合にはその分費用も高くなります。ウッドデッキの代表的なオプションには下記のようなものがあります。

● 屋根の設置:+15万円〜
● オーニングの設置:+20万円〜
● 階段・ステップの設置:+2万〜5万円
● ルーバー(目隠し)の設置(1,800mm×900mm程度1枚あたり):+1万〜1.5万円
● ラティス(手すり)の設置(900mm×900mm程度1枚あたり) ルーバー(目隠し)の設置(1,800mm×900mm程度1枚あたり):+0.5万〜1万円


コスパ重視ならセミオーダーのウッドデッキが有利


ウッドデッキ工事を行う際、フルオーダーのウッドデッキよりもセミオーダー製品の方が低価格になります。
セミオーダーのウッドデッキではほとんどの場合、樹脂(プラスチック)と木の粉を混ぜ合わせて成形した人工木(樹脂木)が使用されています。人工木は加工しやすく軽量で運搬もしやすいため、人工木のセミオーダー製品はウッドデッキとしては入手しやすい価格帯となっているようです。
デッキ部分のみの構造で小型のセミオーダー式ウッドデッキであれば、20万円程度もしくはそれ以下の予算でもウッドデッキを設置できる可能性は十分にあります。

ウッドデッキ材の素材ごとのメリットとデメリット

ウッドデッキ材として使用されるのは主に「人工木」と「天然木」の2種類です。それぞれには下記のようなメリットとデメリットがあります。

人工木(樹脂木)


人工木とは、樹脂(プラスチック)と木の粉を混合して成形した板状の素材です。木目はありませんが木のような質感があり、プラスチックのように軽量で耐久性のある素材です。人工木は天然木より安価というイメージがあるかもしれませんが、素材単体で見ると比較的安価なハードウッド類と比べても大きな価格差があるわけではありません。

ウッドデッキに人工木を使用する場合には下記のようなメリットとデメリットがあります。

人工木のメリット
● 防腐処理をしなくても長持ちする
● 素材の形状が安定しており、品質が均一
● 乾燥してささくれが立ったりしない
● 木材のように簡単にカットしたりビス留めしたりできる

人工木のデメリット
● 夏場には表面温度がかなり熱くなることがある
● 天然木のようなエイジングを楽しめない


天然木


ウッドデッキに使用される天然木には、大きく分けると「ソフトウッド」と「ハードウッド」の2種類があります。価格面では人工木と同価格帯で手に入る天然木もありますが、人工木に比べて価格帯の幅が広く、ウッドデッキ用の高級な木材は人工木の何倍もするものもあります。

『ソフトウッド』は針葉樹から取られた木材で、成長が早く加工も簡単なのでハードウッドより安価で流通しています。ウッドデッキに使用する場合、下記のようなメリットとデメリットがあります。

ソフトウッドのメリット
● 柔らかくて加工しやすい
● 比較的安価で手に入りやすい
● 木目がはっきりとしていて美しい

ソフトウッドのデメリット
● 腐りやすいので防腐処理が必要
● 防腐処理(塗装)は数年に一度塗り替える必要がある
● 屋外環境で使用すると、経年劣化で割れたり変形したりしやすい
● 乾燥でささくれが立ちやすい



針葉樹を製材したソフトウッドに対して、広葉樹からとられた木材を『ハードウッド』といいます。ハードウッドは成長に時間がかかり、運搬・加工に手間がかかるため比較的高額です。
ウッドデッキに使用する場合、ハードウッドには下記のようなメリットとデメリットがあります。

ハードウッドのメリット
● 頑丈で経年劣化しにくい
● 腐食・虫食いの被害も受けにくい

ハードウッドのデメリット
● 加工が難しい
● 重量がある
● ソフトウッド・人工木と比べて高額になる


ウッドデッキで人気のある樹種

天然木でウッドデッキを作るならハードウッドが有利ではありますが、適切に防腐処理されていればソフトウッドを使用することもできます。

セランガンバツ


東南アジア産の広葉樹で、ウッドデッキ材としては非常に人気の高い木材です。赤みがかった褐色の木肌は見た目も美しく、十分な強度、腐食や虫害への耐久性も持ち合わせている優れた素材です。

ウリン


その頑丈さと腐食・虫害への強さから「アイアンウッド(鉄の木)」の異名を持つハードウッドです。非常に高い耐久性に比べて価格はさほど高くなく、人工木より安く価格設定されている製品もあります。ただし、経年で強度はほとんど変化しないものの、見た目については、製材当初の赤みのある褐色から灰色へと退色していくのがウリンの弱点になります。

ウエスタンレッドシダー


ウエスタンレッドシダーはヒノキ科の一種でソフトウッドに分類されます。そのため軽く、柔らかく、加工しやすいのが特徴ですが、ウエスタンレッドシダーは内部に天然の抗菌成分を含んでいるため、長年屋外で使用しても腐りにくいのが特徴です。

オーストラリアサイプレス


ヒノキの一種で、針葉樹なのでソフトウッドに分類することもできますが、このオーストラリア産の樹木は非常にゆっくりと成長し、広葉樹に匹敵する強度を保つため、ウッドデッキ材としてはハードウッドに分類されます。
針葉樹特有の美しい木目と、広葉樹のような強度をもつ素材で高い人気を誇りますが、価格もかなり高額になります。

まとめ

オーニングやステップを備えた大型のウッドデッキをハードウッドで作成するなら100万円を超えるケースもありますが、一般的なウッドデッキの費用相場は50万円以内で、20万円以下で設置可能なウッドデッキもあります。
お住まいにウッドデッキの設置を検討しているなら、予算内でどんな選択肢があるか、この記事の情報をもとに一度検討してみるのはいかがでしょうか。


著者(澤田 秀幸)プロフィール

CAD利用技術者1級、CADアドミニストレーター
住宅メーカの下請けとして木造大工作業を担当。
注文家具の製造と設置。製図補助を担当。
国内最大手インテリアメーカーの店舗で接客・販売を担当。







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