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掲載:2019年10月04日 更新:2022年07月06日

外壁を塗り壁にする特徴や費用を解説!土壁や漆喰・ジョリパットの違いは?

塗装とは違って手作業でさまざまな模様が作れるのが「塗り壁」です。
あなたは家の外壁と聞くとどのようなものをイメージしますか?

・サイディング
・タイル
・ペンキを塗った壁
・神社や日本家屋の白い壁
・おうぎ形の模様がついた壁

このうち塗り壁は「神社や日本家屋の白い壁」と「おうぎ形の模様がついた壁」の2つが該当します。 本来は下地処理だけの左官業者が仕上げもおこなった工法が塗り壁です。
塗り壁で使う主な材料は「ジョリパット」と呼ばれ、カラーバリエーションは180以上、模様も100種類はあります。
この記事では、そんな塗り壁について以下のことを説明します。

• 塗り壁のメリットやデメリット
• 施工費用の相場
• 塗り壁の仕上げ工法の種類
• 工事を頼むときのポイント

塗り壁は模様や色味ひとつで印象が変わるので、クールなモノ、ほんわかしたモノなど、あらゆるイメージに対応できるでしょう。

1.外壁を塗り壁に変えるメリットとデメリットとは

一軒家の外壁材を仕上げる主な方法には2種類あります。

• 塗り壁
• サイディング

塗り壁は、モルタルを下地として塗装をしたり模様付けしたりする工法です。
サイディングは、金属や窯業系のパネルを外壁にはりつけていく施工方法です。
塗り壁にはどのような利点があるのでしょうか。

外壁を塗り壁で工事するメリット

塗り壁はサイディングと比べて3つのメリットがあります。

1. 世界で唯一のデザインを作れる
2. 独自性がある手ざわりを実現できる
3. 防火性に優れている

詳しく説明していきましょう。

1.世界で唯一のデザインを作れる
既製品を加工して外壁に張り付けるサイディングとは違い、塗り壁はすべてが手作業なので細かいデザインや色味を選択できます。

オリジナルデザインの例
• サビない金属を材料に混ぜて光で外壁を反射させる
• ビー玉を埋め込む
• 貝殻を埋め込む
• 自分の子供の手形をつける


まさに世界唯一のデザインで家を作ることできます。

2.独自性がある手ざわりを実現できる
仕上げに選ぶ材料や、塗り方で手触りも変わるので、手仕上げ特有の温かみや質感を楽しめるでしょう。

3.防火性に優れている
塗り壁の下地に使う「モルタル」は以下の材料を掛け合わせます。

• セメント
• 砂
• 水

モルタルだけではなく表面の仕上げ材も燃えないため、塗り壁は防火性に非常に優れているのです。 一軒家は基本的に木造なので外壁の耐火性の強さは重要です。

外壁を塗り壁で工事するデメリット

塗り壁はサイディングと比べた場合に4つのデメリットがあります。

1. 工事価格が高い
2. ひび割れが起こりやすい
3. 凹凸が多くて汚れやすい
4. デザインや耐久性の質が職人任せになる

具体的に見ていきましょう。
1.工事価格が高い
塗り壁は、すべてが手作りなので手間がかかってしまい工期が長くなります。
そのため、人件費がかかります。
また、材料によっては価格が高くなってしまうデメリットがあります。

2.ひび割れが起こりやすい
モルタルは時間とともに水分量が減少して体積が収縮するため、ひび割れが起こります。
下塗りのあとに2週間くらいあけて下地をヒビだらけにしてから表面を仕上げることで、多少の抑制は可能です。

しかし、外壁表面のひび割れを防止してもモルタルはサイディングよりひび割れしやすいでしょう。
ひび割れ防止策をおこなうと工期が延びてしまうため、ひび割れ対策のためだけに日にちを空けることができない場合もあります。
「塗り壁にはひび割れがつきもの」という認識をしておきましょう。

3.凹凸が多くて汚れやすい
塗り壁は、作業の特性上、表面に凹凸ができます。
表面に凹凸があると、汚れや雨水がたまって黒ずみやコケ、カビの原因になります。

4.デザインや耐久性の質が職人任せになる
左官は技術力を要するので、品質に差が生じます。
外壁が平らではないと以下の弊害が起こるのです。

1. 外壁の厚みがバラバラ
2. 薄いところに負荷がかかる
3. 薄いところからひびが入る

また、横日がさすと外壁の下地のデコボコが目立ってしまい見栄えもよくないです。
手作業ゆえにデザインにもセンスの違いが生まれます。
「技術がある=あなたの感性に合う」というわけではないので、入念な打ち合わせが必要です。

2.外壁を塗り壁にする費用相場を知ろう

塗り壁

塗り壁とサイディングの費用相場を紹介します。
日本の一軒家の平均坪数は35~40坪と言われていますので、以下では40坪で外壁の面積が150平方メートルの家をモデルとします。

「左官塗り壁」と「サイディング張り替え」の費用相場

サイディングの張り替え相場は160万前後が目安となります。
一部だけの張り替えならもっと費用が安くなります。
一方で、塗り壁の施工にかかる費用は仕上げの施工方法で異なります。
詳しくは以下の表をご覧ください。

塗り壁

・「単価」=1平方メートル相場
・「40坪費用」=150平方メートル
・「諸経費」=工事価格の5%

上記は、「下塗り」や「防水処理」なども込みの価格と考えてください。
「モルタル仕上げ」は、その後にタイル張りや塗装による最終仕上げ作業が入る場合が一般的です。

「リシン掻き落とし」とは、モルタルの表面を平らに仕上げた後で表面を細かくザラザラに荒らすものです。 塗装による「リシン仕上げ」という吹き付け工法があるのですが、左官の「リシン掻き落とし」の仕上がりに見かけを近づけただけであり、両者は異なる手法です。 最近では「リシンを使った工法」と言えば塗装の「リシン仕上げ」が主流ですので間違えないように注意しましょう。

「左官塗り壁」と「サイディング張り替え」の費用相場

一般的な一軒家だと、サイディングも塗り壁も外壁塗装という形でのメンテナンスが基本です。
また、40坪の一軒家の外壁塗装の費用相場は「80~150万円」です。

サイディング

塗り壁

メンテナンス方法

費用相場

メンテナンス方法

費用相場

塗装

80~150万円

塗装

80~150万円

張り替え

160~300万円

吹き付け

70~200万円

重ね張り

140~280万円

左官

70~180万円

コーキング補修

20~50万円

部分補修

3~60万円

上記のほかに、足場や養生費用で20〜30万円程度が加算されます。


3.外壁におこなう塗り壁の種類をチェック

塗り壁は仕上げ方法により材料、費用、日数が変わるでしょう。
以下では、施工方法による種類の違いを紹介します。

塗り壁の材料による違い

塗り壁には主に3つの施工方法があります。

1. 土壁
2. 漆喰
3. ジョリパット

それぞれ材料が異なります。
各工法のメリットやデメリット、相場を説明していきましょう。
1.土壁

土壁は昔の農家の外壁と考えるとイメージがしやすいでしょう。
昔ながらの施工方法で、質感に手作り感があるためとてもオシャレな外壁です。

土壁のメリット
・調湿効果があり日本の気候に合う
・断熱性が高い
・防火性が高い

土壁のデメリット
・工期が長い
・コストが高い
・施工できる職人が少ない
・劣化の際にボロボロ崩れて下地が見えてくる

1. 小舞(こまい)下地 4,000円程度
2. 荒壁塗り 2,700円程度
3. 裏返塗り 2,200円程度
4. 貫張り 1,200円程度
5. 壁真壁下地・中塗り・仕上げ 4,600円程度

土壁の場合は合計で約14,700円/平方メートルが費用の目安となります。

2.漆喰

神社の外壁や、昔ながらの日本家屋の外壁に使われていることが多いのが漆喰です。
独特の白さだけではなく、墨汁を入れて黒く仕上げる「黒漆喰」という施工方法もあります。

黒漆喰の場合、何度も磨き上げることで鏡のように正面のモノを映し出すこともできるようになります。ただし、黒漆喰は最も難しい左官技法のひとつです。

漆喰のメリット
・摩擦に強くて電気をためないので、ホコリが付きにくい
・防火性が高い
・防音性が高い
・殺菌性が高いのでカビが付きづらい


漆喰のデメリット
・傷が付きやすい
・技術が必要なので費用が高い
・工期がかかる


1平方メートルあたりの単価は7,000円前後です。

3.ジョリパット

もっとも一般的な外壁の仕上げ作業です。
カラーバリエーションは180を超え、仕上げ模様も100以上あります。
組み合わせがほぼ無限にあるため、個性を出しやすいのが特徴です。

ジョリパットのメリット
・耐久性が高い
・雨や紫外線につよい
・防音性が高い
・耐火性が高い
・コストが低い

ジョリパットのデメリット
・模様によっては汚れやすい
・冬に施工すると白華(はっか/白色化すること)しやすい

1平方メートルあたりの単価は5,500~6,500円前後です。
次からは、ジョリパットの代表的な模様を紹介します。

ジョリパットの仕上げ方法による違い

ジョリパットの仕上げ方法で主流の模様は4つです。

1. コテ波
2. ハケ引き
3. おうぎ
4. スタッコ

どのような特徴があるのでしょうか?
コテ波
塗り壁
コテで塗った後に、自然な直線に近い形を残す仕上げ方法です。
コテの先のほうに力を入れて腕を横に伸ばしていくことで自然と右肩下がりの線が生まれます。
主張が強すぎない一般的な仕上げ模様の一つです。

ハケ引き
塗り壁

ジョリパットを平らに塗った後、40センチくらいの歯ブラシ状のハケや、ほうきなどで表面を荒らす工法です。
横に線を引いていく際に、正確に直線で引いて仕上げるかラフに引くかで印象が異なります。

おうぎ
塗り壁

半円を描くようにコテを動かすことで扇のような模様を作ります。
コテの先に力を入れて、先端だけ動かすイメージです。
規則正しく仕上げるよりもある程度のランダム性が要求されます。
一般的な外壁の多くで見られる模様です。

スタッコ
塗り壁

スタッコは「漆喰」という意味で、スタッコ仕上げはヨーロッパの石造建築の壁をイメージした仕上げ工法です。 近年では、リシン仕上げと同様に吹き付け塗装での施工が主流です。

左官で施工する場合は、表面に骨材(砂や小石)が浮かび上がらないように、コテや木で表面をケバ立たせて模様を作ります。
技術力を要する施工方法です。


4.外壁を塗り壁で工事するときのコツ

塗り壁

外壁を練り壁にする際の注意すべき3点を紹介します。

1. 相見積もりで業者を比較する
2. 職人の技術を直接確認する
3. デザインや色の相談は徹底的にする

詳しく見ていきましょう。

1.相見積もりで業者を比較する

相見積もりとは「複数の業者から見積もりをもらうこと」です。
相見積もりの特徴
• 適正価格やサービスがわかる
• 価格競争を起こすことができる
相見積もりの注意点
• 相見積もりであることを伝える
• 断る際は必ず連絡を入れる
• 納期、施工内容、予算などの条件を統一する
• もらった見積もりはすべて内訳を確認する

業者も相見積もりと認識することで相談に応じてくれやすいでしょう。
業者により内訳の項目は異なることがあるので、サービス内容を確認して後々のトラブル防止につとめましょう。
また、業者は他の案件を抱えているケースがほとんどなので、断る際は連絡を入れるマナーも身につけておきましょう。

2.職人の技術を直接確認する

これまでの施工実績を写真で確認したり、資格の有無・職人の職歴を確認したりすることが大事です。 可能であるのなら仕事道具や車も確認しましょう。
道具や車の保存状態で、職人の命である道具の扱いかたと性格の几帳面さが伺えます。
道具がキレイだと仕事も丁寧で技術が高いことが多いです。

3.デザインや色の相談は徹底的にする

デザインや色の相談は細かく打ち合わせましょう。
施工中にあなたが顔を出して改めて細部の確認をすることも大切です。
また、打ち合わせ時に誠実に説明をしてくれない業者は注意が必要です。
デザインや色味はサンプル表で確認することが必須ですが、壁全体を仕上げてサンプルよりも面積が大きくなってから確認すると想定より色の主張が強くなります。
理想の色味や仕上げ模様よりも少し暗めの色を選ぶと、想定したイメージとの差異を埋められるでしょう。


5.まとめ:外壁の塗り壁は価格こそ高いがデザイン性は抜群!

塗り壁の工事は基本的にどの仕上げ方法でも価格が高いです。
しかし、職人のセンスやあなたのイメージひとつで、「ありそうでどこにもない壁」や「オリジナリティあふれる塗り壁」に仕上がります。

塗り壁を作る「左官」の技法は奥が深く、材料ひとつで表情がまったく変わります。
サイディングや内装のクロスとは違って自然由来の材料でアレルギーが起こりづらく、環境にもやさしいのも塗り壁の魅力のひとつです。
世界で一つだけのデザインにしたい人はぜひ塗り壁を選んでみてください。

塗り壁に使う商品例として石材の模様を描ける「石材調コテ塗材 【グラテ】」がありますので、興味がある人はチェックしてみましょう。



著者(岡崎 康裕)プロフィール

塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験







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