建築材料のことなら【建材ナビ】
建材を探すなら建材ナビ

グラスウールってどんな断熱材?メリット・デメリット

  • 村田日菜子
  • |
  • 更新日:2020年6月25日
グラスウール

グラスウールは、安いコストで高い断熱性をもつことから、住宅用断熱材として幅広く使われています。しかし特徴をよく知らなければ、施工ミスでせっかくの性能が発揮できず、寒さや暑さが防ぎきれないことも。
今回はグラスウールを断熱材として使うときに知っておくべき特徴について解説します。

グラスウールの特徴

建物の断熱性を高めるためには、家の外側を断熱材で覆ったり、壁の中に断熱材を充填したりといった工法がよくとられます。住宅の断熱材としてよく使われるのが、「繊維系断熱材」や「発泡プラスチック系断熱材」です。

繊維系

無機繊維系 ● グラスウール
● ロックウール
木質繊維系 ● セルロースファイバー
● インシュレーションボード
発泡プラスチック系 ● ビーズ法ポリエチレンフォーム
● 押出法ポリエチレンフォーム
● ウレタンフォーム
● 高発泡ポリエチレンフォーム
● フェノールフォーム

グラスウールは無機繊維系断熱材の一種で、繊維と繊維の間に空気を含むことで熱を伝わりにくくします。

グラスウールの原料・製造方法

グラスウールは、原料のガラスを高温で溶かして、遠心力などで細かい繊維状にしています。主に資源ゴミからできたリサイクルガラスを使用しており、環境にも優しい素材です。

グラスウールの種類

グラスウールの断熱材には、ボード状のものや吹込みタイプなどの種類があります。また、繊維の密度(K=kg/㎡)によって種類が分けられ、この数字が高いほど断熱性能に優れています。

グラスウールの断熱性能

断熱材の性能は「どのくらい熱を通しにくいか」で決まります。これを表すのが「熱伝導率[W/m・K]」という指標です。熱伝導率は「厚さ1m・面積1㎡の断熱材の表裏に1℃の温度差があるとき、1秒間にどのくらいの熱量が移動するか」を示した数字です。つまり、「熱伝導率の数字が低い=熱を伝えにくい=断熱性能が高い」ということになります。

グラスウールの断熱性能は、繊維の密度で決まります。製品ごとに「10K」「24K」などのように繊維の密度が表示してあり、「◯K」の数字が大きいと密度が高く断熱性能が高いということになります。

繊維の密度

熱伝導率[W/m・K]
グラスウール(10K) 0.050
グラスウール(16K) 0.045
グラスウール(24K) 0.038
グラスウール(32K) 0.036

アクリアサンカット

グラスウールのメリット

メリット1:優れたコストパフォーマンス

グラスウールは高い断熱性能を低コストで実現できる断熱材です。グラスウールよりも断熱性能が高い断熱材として「フェノールフォーム」などがありますが、非常にコストが高いのが難点です。同じ断熱性能を発揮するのに必要なコストは、グラスウールは外の断熱材の半分前後と言われています。

メリット2:燃えにくい

グラスウールの原料であるガラスは不燃性の素材です。万が一、火事が起こっても有毒ガスなどを発生しません。隣家で火災が起こって家の壁が数百度まで熱されたとしても、不燃性のグラスウールなら延焼を防いでくれます。

メリット3:経年劣化があまりない

ガラスは高い耐久性を持ち、経年による劣化が少ない素材です。発泡ポリスチレンなどの発泡プラスチック系断熱材はいわゆる「プラスチック」でできており高温多湿状態で変形する可能性がありますが、グラスウールは変形したり断熱性能が下がったりしにくい特徴を持ちます。

メリット4:体に優しい

グラスウールは「国際がん研究機関(IARC)」により、発がん性リスクが低いということが証明されています。

国際がん研究期間による発がん性評価

グループ1 ヒトに対して発がん性あり ホルムアルデヒド・たばこ・アスベストなど
グループ2A ヒトに対しておそらく発がん性がある ディーゼル排気ガス・支配線・熱いマテ茶・レッドミートなど
グループ2B ヒトに対して発がん性の可能性がある ガソリン・ピクルス・コーヒーなど
グループ3 ヒトに対して発がん性に分類しない グラスウール・ナイロン・紅茶など
グループ4 ヒトに対しておそらく発がん性はない カプロタクラム1品種のみ

高性能グラスウール【ハウスロンZERO】

グラスウールのデメリット

デメリット1:水に弱い

グラスウールは繊維の間に空気を含むことで、熱を伝えにくくします。水に濡れたり湿気を含んだりすると、断熱性能を発揮できません。そのためグラスウールは、袋詰めや防水シートなどを用いて、湿気の影響を受けないように施工されます。 「グラスウールは内部結露がひどい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、この原因の大半は「施工不良」です。断熱材にすきまができたり、吸湿シートが施されていなかったりといった誤った施工方法によって、結露が生じやすくなります。

デメリット2:施工に精度が必要

グラスウールは壁の中に充填して使われることが多く、すきまなく詰め込む施工技術が必要です。押し込みすぎたり、柱や壁との間にすきまができてしまったりすると、そのぶん断熱性能は下がります。ただしグラスウールは柔軟性のある素材のため、枠に合わせてぴったり施工されていれば、地震の揺れや経年によって家に多少歪みが生じても、すきまが生じにくいです。

まとめ

グラスウールは、断熱性が高い無機繊維系の断熱材で、コストパフォーマンスもとても優れています。また燃えにくく経年劣化もあまりなく、体にも優しい素材です。デメリットもありますがメリットの方が多いので、環境にやさしい住宅用断熱材として住宅に欠かせない存在になっています。

あわせて読みたい

Page Top▲