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掲載:2023年10月03日 更新:2023年10月03日

欠陥住宅をつかまないためのチェックリスト

欠陥住宅をつかまないためのチェックリスト

イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉で、「家は、中に住むために建てるのであって、外から見るためではない」という言葉があります。

本来はであれば自分や家族がその家で快適に生活できればいいのに、建物の外見にばかり力を入れお金をかけることによって中身がその分、手が回らず不便な部分が出てきてしまう、という滑稽な事実を鋭く指しているのだと思います。

欠陥住宅というものは、いつの時代でもどこにでも存在するものです。
これからマイホームを建てよう、購入しようと考えている方が、トラブル回避のための最低限の知識を身につけ、少しでもそういった欠陥住宅を避けるお手伝いができたらと思います。


1.3階建て建造物は「準耐火構造」か確認すべき


3階建て建造物は「準耐火構造」か確認すべき

近年、都市部では「広さ」を確保するために木造3階建てにするケースが目立ってきています。
しかしこの木造3階建ての住宅が欠陥住宅になりやすい特徴をもっています。
理由は以下の通りです。

●もともと土地が狭かったり、分割したことで土地が狭くなった上に家を建てたりするときにフロア数を増やして通常の2階建て並みの床面積を確保するため
●住宅金融公庫の融資対象は「100平方メートル以上の土地が条件」となっていますが、木造3階建てはこれに該当しないため

融資の対象でないため、公庫の審査もなく、気軽の建てることができます。
そのため必要不可欠なコスト削減など、さまざまな部分で手抜きをしてしまう業者もあり、欠陥住宅になりやすいという特徴が増えています。


準耐火構造とはこういうもの



準耐火構造とは、以下3つの条件を満たしたものをいいます。

●燃えにくい建物にすること
●火災が発生したときに延焼するまでの時間をかせげるような材料を使用すること
●非難が有効にできること

簡単にまとめると、火事が起きた時にどこまで燃えにくくして、逃げる時間を確保できるかということです。

具体的には、

●壁・天井に厚いボードを貼る
●燃えにくい表面材を使う
●燃え広がらないように柱と梁のあいだをしっかり塞ぐファイヤーストップを設置する

などの対応策があります。

また、消火活動や避難対策にも、本来木造3階建てには規制があります。
仮に火事になった際に3階から自力で飛び降りてしまうと、そのまま亡くなってしまったり、かなり危険を伴います。 そのため3階建ての場合には消防の梯子車が入ってこれるように、非常用進入口を設けなくてはなりません。

しかし3階建てをきちんとつくろうとすると、2階建てや平屋に比べてコストも多くかかってしまうため、縄はしごや避難器具の設置が義務付けられているにも関わらず、無視をされているケースが多くあります。

【対策】
●3階建ての住宅を購入する際は、準耐火建築物の条件を満たしているか確認する
●最終的な判断は難しいので、第三者機関に依頼するのが確実



確認申請図面をしっかりと確認する


確認申請図面をしっかりと確認する

見た目ではなく、構造・性能で判断することが大切です。 マイホームが欲しいと購買意欲が高まり、勢いで買ってしまった外見重視派の方の多くは、確認申請図面を重視しなかった例が多いです。 その方々の多くは、住宅展示場で購入したという方がほとんどです。

住宅展示場には吹き抜けやオープンキッチン、パティオ(中庭)付きなど・・・夢のような美しいデザインにうっとりする方も多いのではないでしょうか。

こういったところで購入する人に理由を聞いてみると、「外見と間取りが気に入って購入した」「大手のハウスメーカーだから安心だと思った」というおのも多いです。 こういった面からも建物の外見や会社の規模で選ぶと失敗してしまう原因になってしまいがちです。

実際に、ある方はモデルハウスを見に行って、間取りがとても気に入り、すぐに即決したそうです。 また、年間200憶の販売実績のある大手のハウスメーカーだったため、安心してしまっていたそうです。
この方の場合問題となったのが、販売用の図面と確認申請図面がまったく異なっていた点です。
まさかその男性本人も偽物の図面を渡されているとも知らず、そのまま工事は着工していきました。 そのため、思っていたものとは違う建築物ができあがってしまうという事態を招いてしましました。

このとき、契約段階で「確認申請図面を見せてください」と伝えていたら、事態は変わっていたかもしれません。
確認申請書や図面というのは、黙っていてもなかなか業者側が自発的に渡してくれるものではありません。


役所の管理は・保管は5年まで


役所の管理は・保管は5年まで

確認申請書類や図面は、その建物が建てられた住所を管轄している市町村役所に保管されているのですが、情報公開により、一般の人が取り寄せ、閲覧できるのは過去5年までと決まっています。

先ほどの男性も公開を申請しましたが、残念ながら5年を経過していたため、図面は確認できませんでしたが、確認申請書類は残っていたので、そこに記載されていた面積と販売用の図面に記載されている面積を比較したそうです。 すると、面積がまったく異なっていたそうです。
面積だけでなく、建築基準法に違反しているような手抜き工事も見当たり、家のゆがみも出てきていました。
そのため裁判にすることができたようですが、もっと慎重に買うべきだったと夢のマイホームに悩まされているようで、知識の重要性を感じました。

【対策】
●外見や間取りに惑わされないこと。建物は容姿ではなく中身(性能・構造)で判断する
●どんな業者であっても書類・図面のチェックは必ず行う



ハウスメーカーの賢い選び方


ハウスメーカーの賢い選び方

工法を決めたうえでハウスメーカーを選ぶ


工法の違うメーカーに見積もりを依頼しても比較になりません。
自分がどの工法の家に住みたいかでその工法を得意とするメーカーに絞って選んでいくのが合理的です。

手がけた物件を見てみる


ハウスメーカーの場合、専門知識がなくとも建設中の工事現場をみるとその仕事ぶりでメーカーの監理体制がある程度わかります。
チェックすべき点は以下のとおりです。

●整理整頓されているか、材料の置き方が乱雑だったり、たばこの吸い殻はないか
●暇を持て余してぶらぶらしている職人はいないか
●職人に指示を出している責任者らしき人がいるか

要はある程度の緊張感があるかどうかです。

経営状況をチェックする


大手だからと言って倒産しないという保証はありません。
希望するハウスメーカーの経営状態に不安はないかどうか確認しておきましょう。 決算報告や株価の動きをチェックすると手っ取り早いです。 もしも大手であればホームページで決算報告を公開していますし、株価についても新聞やインターネットで簡単に調べることができます。

一般的な目安としては、株価が1000円を切っている会社は避けたほうが賢明でしょう。

まとめ


まとめ

個人的に理想を言えば、50年は安心して暮らせる家であってほしいです。 せっかく高いお金を払って買うので、当然の願望であると思います。
日本の住宅が長持ちしないのは、欠陥住宅を生み出す建設業界の体質や職人の質の低下が起因しています。

マイホームの入手を考えている方にとって、いますぐ活用できる自己防衛術を身につけていくべきことが、最も大切な姿勢であるように思います。




著者(SaKI)プロフィール

<経歴>
建設会社にて2×4工法、RC造の建築物の設計・積算を担当。
故郷である熊本が地震で被災した際に知った、建築家の坂茂さんの紙のログハウスに感銘を受け、命を守る建築の魅力に気づく。

技術職とは別に、ジュエリーブランド「casa」を立ち上げ、ジュエリーデザイナーとしても活動中。
インテリア界のパリコレと言われる審査の大変厳しい Maison & Objet への出展許可をいただきました。
建築の知的な造形美をジュエリーに取り込んだ作品を生み出しています。

<保有資格>
・建築積算士
・二級建築士







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