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掲載:2022年06月28日 更新:2022年06月28日

家づくりは何からはじめる?注文住宅を建てる前にすべきこと


家の間取りを考えて建てるまでが「家づくり」だと考えている方が多いのですが、家づくりは情報収集や資金計画からはじまります。

今回は、注文住宅を建てる前にすべきことを説明していきます。
家づくりをスタートさせたいと考えていて「何からはじめていいか分からない」「準備することはある?」と悩んでいる方は、参考にしてください。


家づくりの流れと必要な期間はどのくらい?


住宅購入を検討するタイミングの一つに、賃貸の更新時期が挙げられます。注文住宅の場合は家づくりをスタートしてから引っ越しまでに時間がかかるので、家づくりにどのくらいの時間を要するのか把握しておくことが大切です。

まずは家づくりの流れと必要な期間を確認しておきましょう。

家づくりの流れ


家づくりは、以下のような流れで進んでいきます。

1. 家づくりの情報収集をする
2. 予算・自己資金を考える
3. 工務店・ハウスメーカーを決める
4. 住宅ローンを契約する金融機関を探す
5. 土地を探し、購入する
6. 家のプランニングをする
7. 着工
8. 引き渡し

流れだけを見ればあまりやることがないように感じますが、それぞれの工程に時間がかかるため「家を建てたい」と思い立ってからすぐに引っ越しはできません。

では、家づくりに必要な期間はどのくらいなのでしょうか。

家づくりにかかる期間


「土地の有無」や「自由設計・規格住宅」のどちらにするかによって差はあるものの、家づくりにかかる期間は6ヶ月〜15ヶ月が一般的です。そのため、引っ越し時期を決めている場合には、家づくりに必要な期間から逆算して行動しなければなりません。

特に土地探しは、家づくりを進めるなかでも時間がかかる工程です。理想の土地になかなか出会えなければ、土地探しに1年以上かかることも珍しくはありません。
立地・周辺環境・形状など、土地にこだわりがあるのであれば、家づくり計画は長期戦で考えたほうが良いでしょう。


家づくりの自己資金と予算を決めておく


家づくりをはじめる前に必ず考えておきたいのが「自己資金と予算」です。資金計画は家づくりにおいて最も重要な工程だといっても過言ではありません。

資金計画を疎かにするとローンの返済が厳しくなり、最悪の場合、マイホームを手放すことになる可能性もあるからです。ここでは、家づくりをはじめる前に考えておきたい資金計画について説明していきます。

自己資金の考え方


自己資金は「家づくりに必要なすべての費用」から「住宅ローン借入額」を差し引いた金額をいいます。つまり、家づくりのために手元から出せる現金が「自己資金」です。

自己資金の目安は住宅価格の10%程度だといわれていますが「500万円貯金があるからすべて自己資金にしよう」と、貯金をすべて自己資金にすることはおすすめできません。
病気や事故、車の故障などの思わぬ出費に備えるためにも、生活費の6ヶ月〜12ヶ月分程度の生活防衛資金を差し引いた金額を自己資金にしましょう。

しかし、生活防衛資金を残すとなると、自己資金の捻出が難しい場合もあるかもしれません。最近では「頭金0円で家を建てられる」という広告をよく目にしますが、頭金を入れないことにはそれなりのリスクがあります。
もし頭金なしで家を建てるのであれば、リスクを把握したうえで資金計画を進めていきましょう。

予算の考え方


予算を考えるときには、現在の家賃を一つの目安にします。
家賃の支払いで精一杯なのか、それともまだ余裕があるのかなど、現時点での家計の状況を考えながら月々の返済額を決めましょう。月々の返済額やボーナス支払いの有無、自己資金なども考えながら、最終的な予算を決めてください。

予算オーバーしてしまう場合に備え、なるべく余裕のある金額を出しておくと良いでしょう。


家族で理想の家や暮らしについて話し合う


工務店やハウスメーカーは、それぞれ特徴や得意なテイストもさまざま。建設会社を探す際には、家のイメージや求める性能などをザックリとでも決めておかなければ、会社選びにとても時間がかかってしまいます。

そのため建設会社を探す前に、まずは家族で理想の家や暮らしについて話し合っておく必要があります。では、具体的にどんなことを話し合えばいいのでしょうか。

理想の家のイメージを考える


まずは家族で理想の家のイメージを考えてみましょう。「冷暖房をあまり使わなくていい家にしたい」「自由設計がいい」など、ザックリとした希望を決めるだけでも候補の建設会社を絞ることができます。

「北欧風にしたい」「和モダンにしたい」のように家の具体的なイメージを決めておけば、希望のテイストから建設会社を探すことも可能です。まずは、家族で家の仕上がりイメージを話し合ってみてください。

家を建てる地域を決める


工務店やハウスメーカーとの契約後には、土地探しがはじまります。先述したように、家づくりは土地探しにかかる時間によって、引っ越しまでにかかる期間が大きく左右されます。家づくりをスムーズに進めるためにも、次のような項目をもとに地域を絞っておくと良いでしょう。

● 通勤や通学のしやすさ
● 商業施設や医療機関の距離
● 治安
● 平均坪単価

工務店やハウスメーカーは会社で土地を所有していることが多く、希望の地域を伝えれば土地を紹介してもらえることも。また、その地域の特徴やルールなど、地図には載っていない情報を教えてもらえることもあるので下調べがスムーズに進みます。


工務店・ハウスメーカーの情報を集める


工務店・ハウスメーカー探しは情報収集からはじまります。
まずは自分の住んでいる地域には、どのような建設会社があるのかを把握しておきましょう。工務店とハウスメーカーの大きな違いは、会社の規模と対象エリアの広さです。

工務店は地域に密着して風土に合わせた自由設計を行っている会社が多く、ハウスメーカーは独自ブランドを持って全国展開している会社が多くあります。
では、工務店とハウスメーカーはどのようにして探すのでしょうか。探し方を詳しく紹介していきます。

インターネットやSNSから探す


まずは、住宅ポータルサイトから住んでいる地域に対応している工務店・ハウスメーカーを探しましょう。ポータルサイトは建設会社が一覧で表示され、ユーザーの口コミなども確認できるので比較検討をしたいときにはうってつけです。

具体的な家のイメージから探したいときには、インターネットで「◯◯県 北欧風」「◯◯件 モダン」のように、ワード検索をする方法もあります。建設会社の公式サイトを見れば、その会社が得意としているテイストやこだわりなどが分かり、施工事例や口コミなどを見れば家の仕上がりをイメージしやすくなるでしょう。

会社を複数社まで絞ったら、実際に建設会社で家づくりをした人のSNSを見るのもおすすめです。Twitterの検索窓やInstagramの#(ハッシュタグ)に建設会社名を入れれば、投稿が見つかる場合もあります。
注文住宅の場合には「家づくり専用アカウント」を作っている人も多いので、家づくりの参考になるでしょう。

住宅展示場や完成見学会に行く


住宅展示場には工務店からハウスメーカーまで、さまざまな建設会社がモデルハウスを展示しています。外観だけではなく間取りや設備、インテリアなどの内装まで見学できるので、それぞれの建設会社の特徴や得意とするテイストを比較できます。

ただし、モデルハウスは見栄えや機能を重視したグレードの高い家ばかりなので、必ずしもモデルハウス通りの家が建てられるわけではありません。
「他の人が実際にどんな家を建てているか知りたい」という人は、完成見学会に参加してみましょう。完成見学会とは、実際に建設会社で家を建てた人の住宅を引き渡し前に一般の人にお披露目するイベントです。

モデルハウスのように家の中まで見学できるので、その建設会社が実際にどのような家づくりをしているのかを知ることができます。

家づくりにおいて、情報収集はとても重要です。少し面倒に感じるかもしれませんが、理想の家を実現させるためにも、しっかりと情報を集めて建設会社を比較検討しましょう。


まとめ


家づくりの最終目的は家を建てることですが、それまでにさまざまなステップを踏まなければなりません。建設会社を決めるまでにも、資金計画や土地選び、家のイメージなど、さまざまなことを考えておく必要があります。

注文住宅を建てたいと考えている方は、今回紹介した内容をもとに家族で家づくりの第一歩を踏み出してみてください。


著者(井本ちひろ)プロフィール

工業大学建築系学部卒業。
FP2級技能士。

キッチンメーカーで、キッチン、風呂、洗面、トイレのプランニングなど行う。
家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中
子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用なども得意。

ブログ「フリーランス主婦のあれこれ日誌」 






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