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掲載:2022年11月17日 更新:2022年11月17日

Withコロナの家づくり。工夫したい部分はどこ?

Withコロナの家づくり。工夫したい部分はどこ?
コロナウイルスの蔓延によって、私たちの生活は一変しました。そして未だに終息の目処は立っていません。 そんなときに建てる家だからこそ、感染対策をしっかりと行い、お家時間を快適に過ごせるように、間取りや設備にこだわりたいものです。

今回は、Withコロナの家づくりをテーマに、新しい生活様式で配慮すべきポイントや間取り、設備を紹介します。 これから家づくりをスタートする方は、ぜひ参考にしてください。


新しい生活様式で配慮すべき2つのポイント

コロナ禍に入って2年が経ち、「新しい生活様式」が私たちの生活にも根付いてきました。今、コロナを考慮して家を建てるのなら、配慮すべきポイントはどこなのでしょう?

ここでは、新しい生活様式で配慮すべき2つのポイントを説明します。

1.感染対策


配慮したい1つ目のポイントが、感染対策です。

家庭内感染を防ぐために一番大切なのは、外から家の中にウイルスを持ち込まないこと。 家庭内での感染を防げるように、間取りや設備を考えてみましょう。
例えば、玄関に手洗いや大型クロークを配置し、除菌してから衣類を収めておけば、ウイルスの持ち込みを防ぐ効果が期待できます。また、廊下を通って洗面室・浴室に行く間取りにしておけば、入浴や身支度の際にも家族との接触を極力減らすことができます。

ウイルスを家の中に持ち込まない工夫は、コロナの終息後には「花粉対策」として有効です。家族の接触を減らせる間取りは、インフルエンザ・ノロウイルスなどのウイルス感染対策にも効果があります。

2.仕事環境


コロナ禍に入ったことを機に、社内での感染対策としてリモートワークやテレワークを取り入れる企業も増えてきました。

しかし、賃貸物件の場合は自室がなく、リビングで仕事をしている方も多いはず。 お子さんの声や家族の気配が気になり、仕事に集中できないという話もよく聞きます。 自宅で集中して仕事をするためにも、これから家づくりをするのであれば、テレワークやリモートワークができる環境を整えることをお勧めします。

完全個室・半個室・リビングの一角など、仕事内容に合わせた間取りを考えてみましょう。


コロナ禍の家づくりで工夫したい間取り

Withコロナの家づくり。工夫したい部分はどこ?
前項では、感染対策と仕事環境に配慮した間取りを考えることが大切だとお伝えしました。 では、具体的にどんな部分を工夫すればいいのでしょうか。

ここでは、コロナ禍に対応できる間取りについて解説していきます。

玄関内に手洗いを設置する


コロナ禍に入ってからの家づくりでは、玄関に手洗いや洗面台を設ける方がとても増えました。玄関で手を洗ってうがいをすれば、室内にウイルスを持ち込むリスクが減らせるからです。

コロナウイルスが蔓延する前までは、室内に入ってから洗面室で手を洗う、またはキッチンで手を洗うのが当たり前でした。 しかし、その動作では、手を洗うまでに洗面室やリビングのドア、キッチンの蛇口など、さまざまな部分に触れることになります。 室内にウイルスを持ち込まないためには、玄関先でしっかりと除菌しておくことが大切です。
簡易的な手洗いであれば、配管を引き、造作棚の上に設置するだけで場所を取らず簡単に設置できます。

浴室・洗面室へのアクセスを考える


家族内感染を考慮するのであれば、浴室・洗面室へのアクセスも考える必要があります。 玄関から浴室・洗面室へ直行できるようにしたり、勝手口を設けたりして、家族と接触せずに利用できるように工夫しましょう。
最近では、浴室・洗面室をリビングに併設し、キッチンから直接アクセスできるようにする方も増えてきました。 その場合、廊下の面積を他の部分に充てられることや、浴室・洗面室とリビングの温度差がなくなること、そして家族との接点を持てることがメリットです。 しかし、家族が接触するという点は、感染対策から見ればデメリットと言えます。 両者のメリットとデメリットを把握したうえで、浴室・洗面室のアクセス方法を考えてみてください。

玄関にファミリークロークを設ける


玄関除菌を考えるのなら、シューズクロークも有効です。 上着やバッグにウイルスや花粉が付着している場合、上着やバッグを室内に持ち込むと同時にウイルスなども持ち込んでしまいます。 玄関や玄関付近にファミリークロークを設置しておけば、室内へのウイルスや花粉の持ち込みを最小限に抑えられるでしょう。

テレワークスペース・書斎


テレワークやリモートワークが身近になり、お家時間も増えた今だからこそ、仕事や作業ができるスペースを設けたいものです。 テレワークスペース・書斎の設置を検討する際には、まずはその空間の使い方を考えてみてください。 使い方がはっきりとしていれば、完全個室にするのか、間仕切りを設けて半個室にするのか、それともスペースだけ設けるのかなど、書斎のつくり方を決めやすくなります。
書斎は、将来的にはお子さんの勉強スペースやゲーム部屋として活用することもできます。他の部屋の面積との兼ね合いも考慮しながら、面積や間取りを考えてみてください。



コロナ禍の家づくりで工夫したい設備

Withコロナの家づくり。工夫したい部分はどこ?
感染対策は間取りだけではなく、設備にも取り入れることができます。ここでは、コロナ禍の家づくりで工夫したい設備を紹介します。

宅配ボックス


コロナ禍でネット通販の利用が増え、対面せずに受け取りができる「置き配」もできるようになりました。 置き配は対面することなく荷物を受け取れるほか、不在時にも荷物を玄関先に置いてもらえるメリットがありますが、盗難被害も多発しているので注意が必要です。

共働きで自宅を留守にする時間が多いのであれば、宅配ボックスの設置をお勧めします。 設計時に宅配ボックス専用のスペースをつくることもできますし、郵便ポストと一体化した宅配ボックスや既製の宅配ボックスを置くなど、設置方法はさまざま。 玄関の広さや、ボックスの大きさを考えながら、設置方法を考えてみてください。

タッチレス機器


家庭内での感染対策として有効な設備が「タッチレス機器」です。 手にウイルスが付着していた場合、手を洗う前に蛇口に触れると蛇口にウイルスが付着し、水を止めるために蛇口に触れると、きれいに洗った手に再びウイルスが付着してしまいます。
蛇口をアルコールで消毒すれば良いのですが、毎回消毒するのは面倒ですよね。 タッチレス機器であれば、手をかざすだけで水の吐水・止水ができるので、蛇口にウイルスが付着することはありません。 キッチンや洗面室、玄関先の手洗いなどに取り入れれば、ものを介した感染を抑えることができます。
タッチレス水栓のほかにも、人感センサーライト音声操作できる機器も続々と登場しています。できるだけ手で触れるものを減らし、家庭内感染を防ぐ工夫をしておきましょう。

まとめ

新しい生活様式を意識した家は、コロナウイルスの感染を防ぐ効果もありますが、コロナ終息後にも安全で快適に暮らすことができます。 花粉・インフルエンザ・ノロウイルスなども防げますし、この先新たなウイルスが蔓延したときにも効果を発揮するでしょう。
ただ、感染対策だけにとらわれすぎると、プランの自由度が下がってしまいます。 自分たちの暮らしに必要なものを考え、優先順位を決めたうえで、感染対策を取り入れていきましょう。


著者(井本ちひろ)プロフィール

工業大学建築系学部卒業。
FP2級技能士。

キッチンメーカーで、キッチン、風呂、洗面、トイレのプランニングなど行う。
家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中
子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用なども得意。

ブログ「フリーランス主婦のあれこれ日誌」 






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