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掲載:2022年02月16日 更新:2022年06月17日

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
建築の仕事は金額が大きい分、受けるとたくさんの仕事が発生します。
しかし、仕事を受けてはいけない地雷のような施主が存在します。
ですが、地雷のような施主を見分けるのは、実際に仕事を一緒にしてみないと困難です。

というわけで、この記事では以下をご紹介します。

・仕事を受けてはいけない施主の見分け方


改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
この世の中には、一目ではわからない、仕事を受けてはいけない施主というものが存在しています。彼らはときとして牙をむき、私達を襲ってきます。

受注してしまったら後には引けません。
赤字を最小限に済ませられるように手を尽くすか、諦めて手をかけずに処理するか、契約をなかったことにするか、3つの選択肢があります。

どれを選んでも、地獄です。
できることならば仕事を受けないのが最善でしょう。
実際、それができるだけでも助かります。

では、仕事を受けてはいけない施主を見極めるにはどうすればよいでしょう?
少額の改修工事を受注して、施主を見極めるのがおすすめです。

私の経験から、このパターンの施主は仕事を受けないほうが良いな、というのが5つあります。

❶決まったことがすぐにひっくり返る
❷締切を守らない
❸お金の支払が良くない
❹責任区分が不明確
❺過剰なサービスを要求してくる

順番に説明していきましょう。


❶決まったことがすぐにひっくり返る

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
1つ目は、物事が決まらない施主です。
このパターンの施主は、建築というものがどういうものかわかっていないケースが大半でしょう。

建築は決めてから製作を始めるものがたくさんあります。
建具もそうですし、家具などもそうでしょう。
既製品をそのまま取り付けるわけではないからです。
間に合わない場合は既製品をそのまま付けることもありますが、デザインなどにこだわりがあればあるほど、既製品では対応できません。
既製品であっても、海外製であれば納品に3ヶ月ほどかかることはざらです。

具体的にどう困るかというと、ものが決まらないので発注ができません。
発注ができないので工事がすすまないのです。
ようやく決まったと思っても、すぐに決まったことがひっくり返ったりして、発注をストップしないといけない事態にも発展します。
発注を止めれば当然キャンセル代などもかかりますから、支払い代金も増えるでしょう。そういった施主は、得てしてキャンセル代もまともに支払ってくれないものです。ものが決まらないだけで、赤字へのリスクが大幅に増えます。

法人でもそういった施主は存在し、会議で決まったことを平然とひっくり返してきます。
何のために会議を開いているのか謎です。私の経験では、1年かけて決まったものが、全部白紙になってことがありました。

こういった施主は非常に困るので、事前に対策を取ることが必要です。
たとえば、この日までに決まらなければこのデザインで決定します、この日以降に変更する場合はキャンセル料がかかります、といった覚書を交わしておきましょう。
物事が決まらないタイプの施主は、そんなこと聞いていないといった、言った言わない論争になりがちです。
面倒ですが、文書で残して自衛してください。

❷締切を守らない

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
2つ目は、締切を守ってくれない施主です。
このパターンの施主は共同作業型の商品を買うのが初めてなケースが多いでしょう。

ものを買うという行為は2種類に分類されます。
・すでに出来上がっている既製品を買う
・一緒に作り上げていくものを買う


建築というのは、後者のように一緒に作り上げていくタイプのものです。
しかし、新築を買ったりリノベーションをしたりする施主は、一緒に作り上げていくタイプの買い物をしたことがありません。
そのため、新築を買う、リノベーションをするという決断をしたあとに、たくさんの決めごとをしないといけないとは知らないのです。

具体的にどう困るかというと、締め切りを守ってくれないのでスケジュールが立てられません。
そのため、工程が確定できないのです。
設計の打ち合わせの日程もそうですし、工事の工程も決められないので、着工日すらまともに決められないので、竣工日も決められません。
そうなると、ただずるずると打ち合わせだけが長引いてしまい、経費だけが増えていきます。

そういった施主への対策は、2種類です。決まったら連絡くださいと放置するか、専門家の独断で決めますとリードするかです。
施主の中には専門家に決めてほしい人と、自分で納得がいくまで考えたい人の2タイプがいます。施主の様子から見極めて対策をしましょう。


❸お金の支払いが良くない

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
このパターンの施主は、少しでも安くしたいという欲求を隠せていません。
すでに契約で決まっている金額を払いたがらないのです。

具体的にどう困るかというと、理由をつけて支払わないですむように画策されます。
決まったことを毎回再交渉するのは非常に面倒です。
少額の改修工事ですらこうなのですから、大きな金額になったらそれ以上に大変でしょう。

支払いを渋る施主への対策は、完全前払い制にしてしまうことです。
お金を受け取ってしまえば渋られることはありません。
支払ってもらえないものは、着手しなければいいのです。
お金を支払いたくない施主には、設計内容で減額できるように調整してあげましょう。


❹責任区分が不明確

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
4つ目は、責任を曖昧にしてくる施主です。
このパターンの施主は一緒にプロジェクトを進めるのに難があります。

具体的にどう困るかというと、それぞれでやるべきことをやってくれません。その結果、こちらに仕事を押し付けてくる傾向があります。下請けに仕事を押し付けるのと同じ構図です。
発注者と受注者という関係は、どうしても上下関係ができがちです。

少額の改修工事ですらこうなのですから、大きな金額になったらそれ以上に大変でしょう。

こういう施主に当たった時は、すぐに契約を白紙にするのをおすすめします。
想定外の仕事を押し付けられて、やればやるほど赤字です。
多少の違約金を払ったとしても損失は少なく済むでしょう。
少額の改修工事の部分だけ我慢して工事をするのも手ですが、大きい工事は絶対に受注しないほうが良いです。手間賃を乗せると、さらなる事務作業をさせられるでしょう。


❺過剰なサービスを要求してくる

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
5つ目は、過剰なサービスを要求してくる施主です。
このパターンの施主は発注者が偉い、特別扱いしてほしいという謎の価値観を持っています。

具体的にどう困るかというと、見積もりに入っていないことを要求されます。
サービスしてもらうほうがお得なのはわかりますが、過剰なサービスは単純に利益を圧迫します。

少額の改修工事ですらこうなのですから、大きな金額になったらそれ以上に大変でしょう。

こういった施主への対策は、きっぱり断るしかありません。
特別扱いには特別な料金が発生します。VIPはVIP料金を払っているからVIP待遇を受けられるのです。
何度もお世話になっているお得意様であれば検討の余地はありますが、そうでない場合は面倒なので仕事を断りましょう。


まとめ

改修工事からわかる、仕事を受けてはいけない施主5選
この記事では、
・仕事を受けてはいけない施主の見分け方
について具体的な理由を交えて説明しました。

簡単にまとめると以下の通りです。

❶決まったことがすぐにひっくり返る
❷締切を守らない
❸お金の支払が良くない
❹責任区分が不明確
❺過剰なサービスを要求してくる

変な施主の仕事を受けて倒産してしまわないように注意しましょう。


著者(きくりん)プロフィール

ゼネコンで一級建築士&一級建築施工管理技士業務

「一級建築士への道」記事執筆 






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