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掲載:2021年02月04日 更新:2022年01月12日

ウィルスや菌に強い建材7選。建築のプロなら知っておくべきウィルス対策


テレビを見ても、スマホを見ても、連日のように流れてくるニュースは「新型コロナウィルス関連」ばかり。 「本日の感染者は何名」「死者は何名」「医療がひっ迫している」と言うネガティブな情報に触れ続けていると、気持ちまで滅入ってしまいそうになります。 昔から「病は気から」と言われますが、自粛生活や制限の多い生活様式から強いストレスを抱える人が増加しているようです。

新型コロナウィルスに限らず、毎年のように猛威を振るうインフルエンザやその他の感染症に対し、マスクとうがい・手洗いだけでは十分な対策とは言えません。 アルコール除菌だけではなく、ウィルスや菌に強い住まいづくりが必要です。

リモートワークや自粛生活により長時間利用する自宅のウィルス対策は、自分の体や大切な家族の命を守る為にも万全を期すべきではないでしょうか。
今回はウィルスや菌に強い住まいづくりに役立つ建材を紹介します。



1.日々進化する抗ウイルスの住まいづくり


「ステイホーム」や「テレワーク」は、すっかり馴染みとなった言葉です。不要不急の外出を控え、他人と接触せず自宅に引きこもって仕事や生活を送ることが推奨されています。
長時間過ごす自宅ですが、本当に安全な空間と呼べるのでしょうか。 理屈抜きの話、買い物や必要な用事の場合は外出をします。いつ、どこで、どのように感染するのかわからないのが目に見えないウィルスや細菌の驚異です。

もしも、うっかり肌や衣服に付着してしまった場合は、安全であるはずの自宅にウィルスや細菌を持ち帰ることになり、大切な家族へ感染させてしまう危険性があります。 マスク着用やアルコール消毒が推奨されていますが、これだけの処置では完璧な対策とは言えません。

「おうち」こそ、重点的なウィルス対策が必要となる空間です。

住宅メーカーも次々に「抗ウイルス・抗菌仕様」を打ち出すように、家庭内感染を防ぎ、安心して過ごせる住まいづくりに関心が集まっています。 建築に携わるプロであれば、ウィルスや菌に強い建材・住宅設備機器についてしっかりとした最新の知識を蓄えておかなければなりません。

ちょっとした工夫で出来るウィルス対策や、本格的なものまで商品ラインナップが揃いつつあります。具体的にどのような商品があるのか紹介しましょう。


2.交換するだけで除菌効果がある驚きの『電球』

【感染症予防・抗菌照明】省エネ照明
新型コロナウィルスの広がりとともに、ウィルスや細菌に強い建材は急速な商品開発が進んでいます。 驚くような発想から生まれた商品も数多くあり、簡単な工事で抗ウイルス・抗菌仕様の空間を作り出すことが出来ます。

中でも私自身が特に驚かされた商品が「aiSave(アイセーブ)」と言う抗菌CCFL照明です。

表面にコーティングされた酸化チタンとナノシルバーにより、「光触媒と銀イオン」のパワーで除菌・消毒・防カビ対策が行える照明です。 インフルエンザウィルスをはじめ、ノロウイルスや大腸菌・ミクロコッカスの除菌・抗ウイルスにも効果があるとして第三者機関の調査でも実証された照明器具です。

さらに、2021年1月12日に奈良県立医科大学で行われた試験では、aiSave(アイセーブ)による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活性化が確認されています。

ライトの表面に接種させた新型コロナウイルスが30分で99.996%も減少したと言う優れものです。 この照明は、単純にウィルスや細菌に強いと言うだけでなく、目に優しく、省エネで、さらにLED以上に長寿命である点も注目すべき点です。


蛍光灯タイプ、電球タイプ、ダウンライトタイプのラインナップがあり、一般住宅やオフィスでも電球を交換するだけの簡単な作業で、抗ウイルス・抗菌仕様の空間が誕生します。


3.触れる部分にウイルス対策できる『フィルム』

【ドア・スイッチなどに!】簡単施工の抗ウイルス性フィルムをご存知ですか?
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ウィルスや細菌は、空気感染や飛沫感染によるものだけではありません。 特に新型コロナウィルスは正しく消毒しないと、金属やガラス、プラスチックの表面では最長で9日間も生存するそうです。
ドアノブやスイッチ類、手すりと言った部分はどうしても手で触らなければならない箇所です。頻繁に触れる箇所ですから重点的に気を付けなければなりません。

特に店舗や公共施設では不特定多数の人が頻繁触れる部分だけに、万全の対策を施しておかなければなりません。 これは住宅の内部でも同じです。外出先から持ち帰る可能性のあるウィルスや細菌に対して、感染を防止する対策が必要です。

とは言え、個人の住宅では費用や施工の面で難しい問題があります。極力費用を抑えて高い効果があり、さらに簡単に施工出来るものがあれば最高でしょう。

頻繁に手が触れる箇所に効果的な抗ウイルス対策として重宝するのが「アキレスウイルセーフ」と言う抗ウイルス性粘着付フィルムです。

【ドア・スイッチなどに!】簡単施工の抗ウイルス性フィルムをご存知ですか?
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柔軟性のあるフィルムなので施工性が良く、カットすることで色々な場所に貼ることが出来ます。
ドアノブやスイッチ類だけでなく、取手やインターホンと様々なシーンに対応可能です。薄いフィルムタイプですから複雑な形状にも貼ることが出来ます。 もちろん住宅だけでなく、オフィスや商業施設でも利用出来、貼り替え可能な点も大きな利点です。


4.他にもたくさんある抗ウイルス建材

シンコールインテリア
新築やリフォーム工事を検討されているなら、手の触れる部分や照明器具だけでなく、部屋全体を安心出来る空間にしませんか。 内装に利用する建材を抗ウイルス製品にするのがオススメの方法です。

抗ウイルス『化粧板』


「抗ウイルス化粧板」は、食中毒や感染症の防止から生まれた抗ウイルス建材です。
キッチンやトイレと言った水回りに利用される機会の多い化粧板ですが、熱や湿気に強く、丈夫で傷に強いと言う特徴があります。 住環境だけでなく、 医療や介護・育児・教育施設などの壁面材としても広く使われています。

抗ウイルス『壁紙』


壁紙にも抗ウイルス性能を持ったものがあります。
パルプを主原料としたフリース壁紙で、抗ウイルス・抗菌性に優れ、消臭やホルムアルデヒド・アセトアルデヒドの吸着・除去効果もあります。



抗ウイルス『カーテン』


壁紙だけでなく、カーテンも抗ウイルス仕様の商品があります。
本来は医療や福祉関係施設で利用されるカーテンですが、頻繁に触れる部分でもあるので、お部屋の隅々まで安心感を施すのであれば検討されても良いでしょう。



5.お部屋まるごとウイルス対策

【液体ガラス】新型コロナ対策に!ウイルスバスターをご存知ですか?

抗ウイルス『コーティング』


部分的な抗ウイルス対策だけではなく、部屋の隅々までしっかりとした対策を取りたい場合は、お部屋まるごとの「抗菌・抗ウイルスコーティング」がオススメです。

液体ガラスや特殊塗料を吹き付ける本格的な工事になりますが、長期間続く抗ウイルス・抗菌作用と、シームレス(隙間なく施工出来る)な空間を構築するには最適な方法です。
金属や樹脂など素材を問わず施工可能な抗ウイルス対策であり、本来は医療機関、介護施設を中心に施工されてきた方法です。
パネルや壁紙とは異なり、スプレーガンや刷毛を利用して抗ウイルス空間を一体化します。

また、ウイルス等に対して強い効果を発揮しながらも、人体に対する安全性は強く、快適で安心出来る住環境の構築が大きな魅力です。 各種内装、ドアノブ、スイッチ類を始めとして床 ・廊下 ・壁などの全ての箇所に施工可能という点も見逃せません。

抗ウイルス性能だけでなく、臭いの元になる雑菌を抑制し、消臭効果も期待出来ます。 「抗菌・抗ウイルスコーティング」にも様々な仕様や製品があり、用途と予算に応じて最適な物を選択しましょう。



6.まとめ

いかがでしたか。 ウィルスや細菌に強い住まいづくりに役立つ建材や住宅設備機器を紹介させて頂きました。 需要の増加に伴い、今後は抗ウィルス商品が益々増える可能性があります。

抗ウイルスフローリングや除菌効果の高い空気清浄機、さらにはHEPAフィルター仕様のロスナイ換気扇やエアコンも続々とラインナップが増えてきました。 新型コロナウィルスに限らず、これからの住まいは「抗ウイルス」が大切なキーワードとなります。

建築のプロなら知識不足にならないように、しっかり抗ウイルス製品の動向に注目しておきましょう。
早い情報収集がビジネスチャンスに繋がり、さらにお客様の安全な暮らしへと広がります。 時代の流れに応じた情報収集に心掛けましょう。


著者(田場 信広)プロフィール

・一級建築士、宅地建物取引士

・建築設計、工事監理、施工(大工)、戸建て木造住宅の新築からリフォーム全般、分譲マンションの内装改修、マンションの大規模修繕工事の設計・設計管理、警察署の入札仕事や少年院の特殊な工事も経験

・某資格学校にて2級建築士設計製図コースの講師を6年務める







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