建材情報まとめサイトすまいリング
掲載:2021年01月19日 更新:2022年01月12日

ショールームの検索・閲覧ができる「ショールームナビ」を一足先に使ってみた


「コロナ!コロナ!」と慌ただしく過ぎ去ってしまった2020年でしたが、建築業界も少なからず痛手を被った年となりました。 心機一転、2021年は十分なコロナ対策のもとで経済活動の活性化に向けて頑張りたいところです。

そんな新年の決意に相応しく、建材ナビの新しいサイト「ショールームナビ」が2021年1月13日からスタートするとの情報を耳にしました。
一般公開に先駆けて早速「ショールームナビ」を視察させて頂き、建築のプロとしての目線からこの新サイトに対する率直な意見と感想をまとめました。
今後の建築系情報源の一つとしてどのように役立つのか参考にして下さい。



1.コロナ禍で建材情報を仕入れるための賢いWeb活用


2020年はコロナ禍の影響で、生活やビジネススタイルの大幅な変更を余儀なくされました。
人が集まる場所での制約が特に厳しく、「密」を避けること、換気を良くすること、マスクを着用すること、入場前の検温や消毒を行うこと等々、今までにない新しい生活様式が急速に広まりました。

この影響により、従来のセミナーや建材系展示会が自粛・縮小され、貴重な新情報を得る機会が少なくなりました。 特に建材系展示会はメーカーと建築士やユーザーが出会える貴重な場所で、新しい商品の発見、地方企業やベンチャー企業の商品に触れる大切な機会でした。 運営形式を変更して開催している展示会に参加したこともありますが、密を避けるために入場制限を設け、今までのようにゆっくりと見て回りながら新商品に関してその場で質疑応答するのが難しいという印象でした。 コロナ禍の影響により、売り手と買い手の交渉の場に高いハードルが生まれたような感覚を持ちました。



リアル開催が難しい状況になりましたが、メーカーとユーザーが情報共有出来なければ、いくら良い商品が誕生しても一般認知は難しくなります。

今までリアルで開催されていた会議や打ち合わせが急速にオンライン化して仕事のスタイルが大きく変わったように、展示会やショールームもオンライン化が重要なキーワードとなりました。
Webである程度めぼしい商品やメーカーを見つけてから、短時間でショールームを訪問することができれば、コロナ対策万全の情報収集として非常に有効的です。
その意味も含めて、今回のショールームナビのサービス開始は、建材情報を仕入れるための賢いWeb活用の一つといえるでしょう。

2.建材ナビの新しいショールーム紹介サイトを使ってみた


ショールームナビは、建材を紹介している「建材ナビ」が運営する新しいサイトです。 ご存知の通り建材ナビは800社を超えるメーカーの製品を紹介する建築材料専門の検索サイトです。 興味深い商品や建築に役立つ情報が盛りだくさんで、建築業界に携わる人であれば利用価値の高い建築系情報サイトの代名詞的存在です。

この建材ナビがショールームに特化した新しいサイトを立ち上げるとの情報を耳にし、一足先にサイトを拝見させて頂きました。 ちょうど「株式会社オルスタンダード」のショールームに行くことを考えていたので、早速ショールームナビで拝見しました。

株式会社オルスタンダードの詳細ページ

実際のショールームの様子が見える上、取扱製品やカタログも連動しているので非常に見やすいという印象です。 PRODUCTとして取扱製品の抜粋も掲載されているので良い感じで興味をそそられます。私自身、株式会社オルスタンダードの「リーフストーン」に興味があって検索していたのでグッドタイミングで役に立ちました。

ショールーム詳細ページで紹介している製品一覧

さらに、リアルショールームに行く前からたくさんの予備知識が得られるため、効率的にショールームの活用ができそうでワクワクします。 所在地、連絡先、関連商品の情報が記載されているため、サクサクと各メーカーのショールーム検索にも役立ちそうなイメージです。

3.プロの目から見たショールームナビの使い勝手


実際にショールームナビを使ってみた感触は、上手にまとめられていて面白いという印象です。 興味深いメーカーや商品がたくさんあり、見ているだけでも良い勉強になります。 オンラインで閲覧するだけであればコロナ対策も不要で、自由な時間に多くの情報収集が可能です。

ショールームナビは「建材ナビ」や「かたなび」に連動しているので、カタログや商品をすぐに検索できるという点も評価の高いポイントです。興味を持った商品をオンラインのまますぐに調べることが出来ます。これは便利で頼もしい機能です。
各ショールームの新着情報も入るのでブックマークしておいて、時々チェックすると良いでしょう。

ストリートビューやお知らせがあるショールームはアイコン表示

掲載されているショールームの中にはGoogleストリートビューを導入しているメーカーもあり、実際のリアルショールームを歩いているような感覚で、見ているだけでも楽しくなります。このワクワク感はリアル展示会に参加しているような楽しさに似ているかも知れません。 また、建築の専門家だけでなく、一般ユーザーも十分楽しめる気軽なサイトです。

ストリートビュー保有のショールームは詳細ページ内に表示

大手メーカーのサイトとは異なり、面白いレアなメーカーや商品を見つけることが出来る楽しみはショールームナビならではといえる大きな訴求ポイントでしょう。 メーカーとユーザーの良いマッチングサイトとして、今後さらに期待が持てるサイトではないでしょうか。

4.工夫と魅力いっぱいのショールームナビ


プロとしての目線だけでなく、ユーザー目線でもメリットが多いと感じるショールームナビは、各メーカーのショールームの検索に役立ち、単純にメーカー検索だけでなく、意外な商品探しにも便利です。

情報収集のためとはいえ、コロナ禍の中であちこちのショールームを何箇所も渡り歩くことに対しては多少の懸念が残ります。 しかしショールームナビを使えば、オンラインで欲しい情報に対してポイントを絞って探すことができます。 リアルショールームに行く前に、実際のショールーム内部の様子や商品の確認が出来るのは嬉しい機能の一つです。

気に入った商品が見つかれば、サイトに記載している電話番号を押すだけで各ショールームの電話に簡単に繋がります。訪問予約を入れて、密を避けながら安全にリアルショールームで実際の商品を確認しましょう。

また、ショールームナビには各ショールームの場所や定休日も掲載されているので大変便利です。 カテゴリー別、メーカー名別、当道府県別と、用途に合わせた便利な検索機能も大きな魅力でしょう。 ショールームの場所を確認するための工夫として、サイトに地図が掲載されていることも嬉しいですね。 実際にショールームを訪問する場合、予約状況がひと目で分かるので、訪問予約が取りやすい点も評価が高いといえるでしょう。

5.今後のショールームナビの展開に期待すること


全体的に使い勝手が良く、好印象のショールームナビですが、全くデメリットが無いうことでもありません。 私個人が強く感じたデメリットは、参加メーカー数がまだまだ少ないということです。

興味深い良質な商品点数が多いだけに、今後はもっと掲載メーカーの数を充実させて欲しいという印象です。 大手メーカーのサイトや商品を利用するだけでは、つい単調な建築になってしまいオリジナル性を出すのが難しくなります。 ユーザーが求める理想的な素晴らしい建材と出会うためにも、ショールームナビのようなサイトの存在は非常に重要です。 素晴らしい商品を一つでもたくさん閲覧できるように、掲載企業数の増加は今後のサイト運営の大きな鍵を握っているといえるでしょう。

その他に感じた点は、各ショールームによって掲載方法や情報にややバラツキがあることです。 掲載方法に統一感を持たせると、さらに見やすく、且つ判断しやすいサイトに仕上がるのではないでしょうか。 また、全てのショールーム案内にストリートビューがあるとさらに見やすく便利になるのではではないかと感じました。

今後掲載企業の増加と統一感が整えば、楽しみな建築情報サイトに成長するのは間違いないでしょう。

6.まとめ

実際にショールームナビを使ってみた感想は、手応えがあり建築情報サイトとして今後十分活用できるという感じでした。 まだスタートしたばかりで若干の未熟感は否めませんが、今後の展開次第でかなり面白くなるサイトであることは間違いないでしょう。
地方創生やベンチャー企業の育成、隠れた逸品の紹介のために、さらに充実したショールーム紹介サイトへ成長することに期待が持てそうです。

何といっても信頼と実績のある建材ナビが運営するサイトですから、今後話題性を呼び、展開拡大に繋がる可能性が高いでしょう。 次々に掲載企業が増え、貴重な情報源サイトとして育つことを楽しみにしましょう。

建築のプロならブックマークしておくべきオススメサイトの一つです。


著者(田場 信広)プロフィール

・一級建築士、宅地建物取引士

・建築設計、工事監理、施工(大工)、戸建て木造住宅の新築からリフォーム全般、分譲マンションの内装改修、マンションの大規模修繕工事の設計・設計管理、警察署の入札仕事や少年院の特殊な工事も経験

・某資格学校にて2級建築士設計製図コースの講師を6年務める







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