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建築家インタビュー
  • 掲載:2025年05月29日 更新:2025年06月02日

住と工の重なる地域の風景に馴染むサスティナブルで人や地域に優しい工場
塚田裕之建築設計事務所 塚田裕之

塚田裕之建築設計事務所
有機的な屋根面による住と工に馴染む佇まい
滋賀県栗東市における新工場の計画。計画地の隣地の一角は戸建て住宅に、またもう一方では工場と倉庫群に囲まれている。小学生が通学する風景の中に工場が建ち並ぶ、そんな日常的な生活の風景と産業的な風景が重なりあうような場所であった。
クライアントは地域への貢献などSDGsへの取り組みを積極的に行っており、そうした企業理念を体現する工場としての在り方を求められた。
このような立地と背景から、住と工の重なる地域の風景に馴染むような存在としての柔らかな佇まいを持ち、太陽光や雨水・井水等の自然エネルギーを利用したサスティナブルで人や地域に優しい工場を目指した。

設計士プロフィール

塚田裕之建築設計事務所
塚田 裕之 | つかだひろゆき
一級建築士

〒155-0031
東京都世田谷区北沢3-27-4 立木ビル2F

経歴
1986年 神奈川県生まれ
2008年 法政大学工学部建築学科 卒業
2010年 法政大学大学院建設工学科 修了
2010-2012年 アイガー産業
2013-2017年 シーラカンスK&H
2017年 塚田裕之建築設計事務所 設立

受賞歴
・2020年 グッドデザイン賞
・2023年 Sky Design Award The New Black



企業理念を体現する工場

工場としての必要面積や機能、動線などの機能的な要望とともに、環境に貢献した製品づくり、地域の子どもの工場見学をはじめとした地域貢献、SDGsへ取り組みを積極的に行っており企業理念を体現する工場として在り方が求められました。



こだわり

隣地に住宅街があったために建物の配置や、色、素材等、佇まいでなるべく圧迫感を感じさせないこと。地域の風景として馴染むような柔らかな印象となるように周辺環境を配慮して設計しています。


一番大きな工場の屋根は曲面形状にして、近くに通る東海道新幹線からも景観として柔らかい存在感を作り出しています。


また工場の入口となる大庇と平屋の屋根は、軒裏に杉羽目板材で仕上げています。
工場は一般的に機能的で無機質な建物になりがちですが、素材自体が持つ温もりを感じることができます。

また植栽計画では道路沿いに高木から低木、地被類など様々な樹種による季節感や多様さを感じることができます。シンボルツリーとしてケヤキもあり、将来的には建物高さくらいまで樹木も成長し、今後も道路沿いの景色が変化していくかと思います。

外構の照明計画では作業性を確保しながら電球色に近い器具を採用し、温かみが感じられ地域の人にも親しみを持ってもらえるような計画としています。



技術的な課題はあったか

前面通りに沿って一番高さの低い平屋屋根があるのですが、これはHPシェルと呼ばれる曲面形状で一枚の紙を捻ったような形になっています。
諸室に応じて天井の高さを変えているのですが、それと同時に前面通りから建物の見え方を見る角度によって変えてくれます。捻った形状なので屋根の仕上げ材は使える材料が限られてきますし、施工もその分大変でした。
メーカーの素材開発の賜物、また施工会社の技術力もあって初めてなせる形だと思います。



作品で使用した建材

【外壁】
塚田裕之建築設計事務所
使用建材 :金属サイディング
建材名 :アイジーサイディング SP-ガルブライト
建材メーカー アイジー工業


塚田裕之建築設計事務所
使用建材 :カラーガルバリウム鋼板
建材名 :TRX-3
建材メーカー :元旦ビューティー工業


【屋根】
塚田裕之建築設計事務所
使用建材 :カラーガルバリウム鋼板
建材名 :パーフェクトルーフ
建材メーカー :ダイムワカイ



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設計士プロフィール

塚田裕之建築設計事務所 塚田裕之
塚田裕之建築設計事務所
塚田裕之(つかだひろゆき)
一級建築士 管理建築士

〒155-0031
東京都世田谷区北沢3-27-4 立木ビル2F

【経歴】

1986年
神奈川県生まれ
2008年
法政大学工学部建築学科 卒業
2010年
法政大学大学院建設工学科 修了
2010-2012年
アイガー産業
2013-2017年
シーラカンスK&H
2017年
塚田裕之建築設計事務所 設立

【受賞歴】

・2020年
グッドデザイン賞
・2023年
Sky Design Award The New Black
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