Special Interview for Architects
2018年 春号

【THE SPACE DESIGN】では、これからの住宅や商業施設における設計、デザインの動向を知り、そこで使用されるさまざまな建材アイテムの方向性を探るため、設計士、建築デザイナーを中心とするプロフェッショナルの方々に取材してまいります。

光と風を取り込み、心地よさを味わえる家を建てることで、
そこに住むご家族それぞれのクセ・色のある家ができあがります。

株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所

小木野貴光(TAKAMITSU OGINO)

一級建築士

〒115-0053
東京都北区赤羽台1-5-7-113
TEL/FAX:03-5948-9673  

経歴
1973年 静岡県浜松市生まれ
筑波大学大学院芸術研究科修了(デザイン学修士)
1998年 東京・横浜の2つの設計事務所に勤務
2006年 一級建築士事務所を開設
2012年 法人化

●ケイミュー施工事例コンテスト2017 首都圏エリア賞
●DSA日本空間デザイン賞2017 入選
●丸の内ガーデニングショー2008入選
●OMソーラー住宅 OMの町角 設計提案競技 佳作
●住まいの外観コーディネートコンペティション 優秀賞

建築に興味を持ったきっかけを教えてください。

 想像的にモノを生み出すという行為に憧れて、建築設計の道に入りました。国内、国外、多くの住まい・建築・街を訪れる中、人の生活暮らしを垣間見ることが出来ました。その中でも、風土・文化・環境に応じた心地よい暮らしの場が生み出されていることに、興味を持ちました。
 北欧の近代・現代の建築では、現代建築の理論的な考え方であるモダニズムに、その場特有の気候・材料・文化を組み込んだ、現代性と地域性を併せ持つ住宅が設計されています。同様の現象は、南米やオーストラリアなどにも見受けられます。私自身も、日本のそれぞれの場所での気候・風土・文化を読み取り、流通を含めた建築材料を使いこなしながら、私たちの生活にフィットした設計をしていきたいと考えています。


得意な設計分野・デザイン分野はどんなものですか?

 住宅と共に、老人ホーム・クリニックの設計をしています。
 住宅では、施主自身が今まで暮らして来た生活スタイルと、これから形にしていきたい理想のライフスタイル、その接点を探し家という場をつくる設計をしています。
 老人ホームとクリニックについては、光・風・自然を取り込み心地よく過ごせる場づくりはもちろんのこと、利用者さんはどんな人たちなのか。敷地・街はどんな特性があるのかを読み込み、選んでもらえる・訴求力のあるデザインにより、建築自体がブランディングになる設計をしています。
 ライフスタイルとブランディング。一見異なるようですが、どちらも、とにかく人を中心においた設計の考え方をしています。


住宅を設計する上で、今まで最もすばらしい製品とは?

 KMEWのCBウォール工法です。元々、屋根材として旧来から普及していたコロニアル(スレート材)を外壁に使えるように製品化した材料です。10年以上前から、屋根材として使っていたウロコのような模様が浮き出る材料を外壁材に使えないかと考えていましたが、メーカーさんが施工方法含めて商品化してくれたおかげで、使いやすくなりました。実際、CBウォール工法で施工した、リノベーションアパートメントは、可愛らしいと女子人気のアパートになり、デザインの賞も受賞しました。


今まで請けた設計デザインの案件でやりがいがあったものはどのようなものですか?

 近年、リノベーションの問い合わせが増えています。あるものを使いながらつくる事を設計しますので、技術的には数倍難しく、設計者・デザイナーとしての力量が問われます。施主が今まで住んできた・使ってきた想いを答え、ストック利用という社会的な要請にも答えるリノベーションは、困難ながら、遣り甲斐のある仕事のひとつです。


良い家を建てるためのアドバイスがあれば教えてください。

 いい家とは、そこに住む家族の色のある家のことです。生活には、ご家族それぞれのクセのようなものがあります。今までとこれから、どんなライフスタイルで生活を暮らしをすごしていきたいか、見直すところから始めると良いかもしれません。
 家族の団欒が増えるにはどうしたらよいのか?家事を効率化するにはどうすれば?子どもに片付けや勉強を教え、のびのび遊べる住まいとは?どれも間取りや家のつくり方、建築製品を吟味し、家づくりをすることで実現できる事柄です。
 その上で、光と風を取り込み、心地よさを味わえる家を建てることで、快適な住む方らしい家ができあがります。

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