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掲載:2023年09月12日 更新:2023年09月12日

いま平屋が人気!その理由とは?

平屋

街を見ていて、新しい平屋が増えていると思ったことはありませんか。近年、新築住宅を建てる方の間で、平屋の人気が高まっています。大手ハウスメーカーや工務店から、数多くの平屋プランが登場しています。
以前は、子どもの独立後や定年後の夫婦二人の住まいとして平屋を選ぶ方が多かったのですが、最近では若い子育て世代が増えている傾向です。平屋の魅力、人気の理由について考えながら、平屋のメリット・デメリットを解説します。


1.平屋のメリット


リビング

平屋のメリットには次のようなことが挙げられます。

上下の移動がなく、動線がスムーズ


平屋の最大のメリットは、上下の移動がなく生活のすべてがワンフロアで行えることでしょう
例えば、洗濯を1階の洗面室で行い、干すために重たい洗濯物を持って2階のベランダまで移動する、浴室を2階に設けたためリビングからの行き来が面倒、など毎日行うことだからこそ負担に感じるかもしれません。実際に、マンションから戸建て住宅への住み替えで「階の移動が億劫」という声は少なくありません。その点平屋は上階がないため、動線がシンプルになります。移動時間が短くなるため、家事や生活の効率も良くなるでしょう。

家の中をぐるりと回れる回遊動線を取り入れれば、どこからでもスムーズに行き来できます。また、小さな子どもにとって階段は、大きな怪我につながるリスクが否定できません。子どもだけではなく、大人でも大きな荷物で足元が見えず踏み外してしまう可能性もあります。
年齢を重ねれば、体力や身体の衰えもあり階段の上り下りがきつくなることも十分考えられます。平屋全体をバリアフリーにすることで、いつまでも暮らしやすい住まいをつくることができるでしょう。

地震に強い


平屋は耐震性能も優れています。地震の映像で、高層ビルが揺れているのを見たことがありませんか。建物は高いところのほうが揺れは大きくなります。そのため、平屋は二階建て住宅よりも地震の影響を受けにくいのです。一階と二階ではあまり変わらないように思われるかもしれませんが、耐震性にはもう一つ、建物の重量が関わってきます。重量が重いほど揺れは大きくなります。平屋は二階建て住宅より重量が軽く、屋根の負荷のみのため、倒壊のリスクも軽減できるといえます。
地震が多い日本では、さまざまな大手ハウスメーカーや工務店が耐震技術に力を入れていますが、平屋を選ぶことも一つの地震対策になるのではないでしょうか。

家族間のコミュニケーションがとりやすい


平屋では生活のすべてをワンフロアで行うため、別々の部屋にいても家族の気配を感じることができ、自然と顔を合わせる機会が多くなります。顔を合わせることでコミュニケーションが取りやすくなり、ちょっとした変化にも気づくことができるでしょう。
先述のような回遊動線にすれば、家のどこへ行くにもお互いの存在を感じながら過ごすことができます。子どもが小さいときはもちろん、成長してからもこのような家族のつながりは大切にしたいですね。

デザインの自由度が高い


建築の構造にもよるのですが、平屋は上の階や階段がないため柱の数を減らせることがあります。よって、大きな空間をつくることが可能になります。一階の上は屋根になるので、天井の高さや屋根の形状を最大限まで活かすこともできます。
空間をうまく利用し、中二階やロフトをつくるのもいいですね。吹き抜けにして天窓を設けたり、天井を張らずに梁を見せるなど、より開放感のある広々とした空間をつくることができ、デザインの幅も広がるでしょう。


2.平屋のデメリット


平屋のデメリット

平屋にはたくさんのメリットがありますが、知っておきたいデメリットもあります。

広い土地が必要


二階建て住宅と同じ部屋数と広さを平屋で建てようと思えば、横に広げるしかないため、その分土地の広さが必要になります。例えば、延床面積が60㎡の住宅を建てたいと思ったとき、総二階であれば一階30㎡+二階30㎡とできますが、平屋では一階だけで60㎡になるため、土地はそれ以上の広さが必要となります。当たり前のように思われるかもしれませんが、固定資産税が高くなる可能性も考えると、大きな課題といえるでしょう。
各地域によって「容積率」や「建ぺい率」が定まっており、土地に対する建物の面積の割合が決まっているため、その点も注意が必要です。

日当たりや風通しに注意



平屋は周辺環境に左右されやすいデメリットもあります。住宅が密集しているところでは、近隣との距離が近い、二階建ての住宅に囲まれている、といった状況もあるでしょう。その場合、平屋では思うように日が当たらなかったり風通しが悪いことも考えられます。大きな窓を付けたり窓の数を増やしたいところですが、プライバシー保護や防犯面も心配です。
比較的自由に建物の形をデザインできる利点を活かし、中庭がある間取りにしたり、屋根に天窓を設置するなどの工夫が必要になるでしょう。

建築コストが高くなりやすい


夫婦が二人で住むくらいのコンパクトな平屋では、建築コストはあまり変わらないかもしれませんが、二階建てと同程度の延床面積がある平屋では、基礎や屋根の面積が広くなる分、建築コストが高くなりやすいといえます。デザインの自由度は高いのですが、住宅や屋根を凝った複雑な形状にするとやはりコストがかかる傾向です。予算を念頭に置いて、土地の価格と合わせてしっかり検討することが重要です。

浸水被害の心配



近年台風や豪雨による浸水被害が増えています。すべてが一階にある平屋が床上浸水の被害にあえば、たちまち生活ができなくなる可能性があります。その被害は二階建て住宅よりも大きくなることも考えられるでしょう。
そして、平屋は浸水しても上の階に逃げることはできません。国土交通省や各自治体のHPでハザードマップを確認し、河川の氾濫や洪水などで起こりうる災害を事前に調べておきましょう。

防犯対策が必要



先ほども少し触れたのですが、防犯に対する備えも重要です。二階建てと同じ数の窓を平屋に付けた場合、すべての窓が一階になるため二階の窓からよりも侵入されやすいことは想像できると思います。
窓に防犯フィルムを貼ったり二重に鍵を取りつける、センサーライトを設置するといった対策を、エクステリア部分も含めて施したほうがいいかもしれません。


まとめ


まとめ

今回は平屋のメリット・デメリットをご紹介しました。二階建て住宅も素晴らしいですが、平屋には平屋の良さがあり、どちらがいいというわけではありません。理想の住まいは人それぞれですし、家族構成やライフスタイルによっても暮らし方は大きく違うでしょう。都市部では広い土地の購入は難しいかもしれませんが、働き方の変化やリモートの普及により、郊外での生活を検討しているという方も増えているのではないでしょうか。

住宅の購入は、人生において何度もできることではないしょう。平屋のメリット・デメリットを踏まえ、これからの家族の将来のことを考えながら、じっくり検討してください。考えている時間も家づくりの楽しみの一つだと思います。




著者(おのみき)プロフィール

建築・インテリア系の専門学校卒業後、工務店にて建築業務に携わる。
福祉住環境コーディネーター2級。
二児の母。







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