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掲載:2023年09月12日 更新:2023年9月12日

畳のある暮らし 和室の魅力を見直そう


日本の伝統的な床材である畳は、長い間生活の中で親しまれてきましたが、欧米の影響を受け生活スタイルが変化するとともに、床材の主流は畳からフローリングへと変遷していきました。

実際に、新築戸建住宅や新築マンションに和室がない間取りも少なくありません。しかし、古民家のリノベーションが人気となるなど、古き良き日本の暮らしが最注目されているという側面もあります。今回は、畳や和室の魅力をご紹介します。


1.そもそも「畳」とは?



日本固有の建材である畳の歴史は古く、奈良時代には使われていたといわれています。今でも部屋の広さを表す単位として「畳(じょう)」が用いられているように、畳文化は日本人の生活に密接に関わっているといえますね。

その一方で、畳の素材や構造を知らないという方も多いのではないでしょうか。畳は、畳表(たたみおもて)、畳床(たたみどこ)、縁(へり)の各部位で構成されています。一番よく目にする畳表は、自然素材のイグサで織られています。国産のイグサは品質が良いのですが高級なため、比較的安価な中国産イグサが畳全体の中で大きな割合を占めています。近年は、耐久性に優れたポリプロピレンなどの樹脂や和紙を使った畳表も数多く製作されています。畳床は畳の芯となる部分で、従来は圧縮した藁(わら)でつくられていました。

現在は木材チップを圧縮したものやポリスチレンフォームを用いるのが主流となっています。畳縁は畳の長手方向に付けられる帯状のもので、畳の角を保護したり、畳を敷き合わせる際に隙間をしめる役割を果たしています。製造方法によっては必ずしも付けるわけではないので、琉球畳のように縁がない畳もよく見かけますね。素材は綿や麻など自然なもの、ポリエステルなどの化学繊維のものがあります。無地もありますが、最近ではその上品な和柄や丈夫さから手芸の材料としても使われています。畳の構造に使われる素材によって、特徴やメリットが異なります。


2.畳の魅力



畳は畳ならではの魅力をたくさん持っています。いくつかご紹介しましょう。

優れた調湿性能


畳表に使われているイグサの内部はスポンジのようになっています。この構造が湿度の高いときは湿気を吸収し、乾燥しているときは水分を放出するという優れた調湿機能を生み出しています。多湿な日本の気候に合った床材といえるでしょう。

優れた断熱性能


イグサの構造が多くの空気を含むことで、優れた断熱材の役割も果たします。床下からの冷たい空気を遮断し室内の暖かい空気を逃がさないので、一年中快適な空間を保ってくれます。

音や衝撃を吸収する


イグサが空気を含むことで得られる効果は断熱性能だけではありません。空気の層が適度なクッション性を生み、音や衝撃を吸収してくれます。マンションでは階下へ足音や物音が響くのを軽減してくれるでしょう。
また、子どもや高齢者が万が一転倒しても、フローリングよりも表面が柔らかいため、衝撃を吸収して怪我をしにくいメリットもあります。

リラックスできる


旅館や飲食店などで畳があると「落ち着く」と感じる方が多いのではないでしょうか。イグサの香りにはリラックス効果があるといわれています。日本人にとって和の雰囲気は、気持ちが落ち着く心地よい空間と感じられるでしょう。

カラーバリエーションが豊富


先述ではイグサを使った畳の魅力をご紹介しましたが、最近増えている樹脂や和紙を使った畳のメリットとして豊富なカラーバリエーションが挙げられるでしょう。従来の畳のグリーンも趣があって良いのですが、カラーが増えることで家のテイストやインテリアに合わせることができ、用途の幅が広がります。
モダンな雰囲気のブラックやグレー、ナチュラルな印象のベージュ、爽やかなブルー、可愛らしいピンクなど、さまざまなカラーやデザインの畳があります。カラーの違うものを使ってデザインを楽しむのもいいですね。


3.和室の使い方



「和室をうまく活用できない」と悩み、使わないまま無駄なスペースになっていたり、目的がはっきりしないまま物置のような部屋になっていることありませんか。昔から和室は、居間や寝室などさまざまな役割を果たしてきた万能なスペースです。目的を決め必要に応じた工夫をすれば、きっと使い勝手の良い空間になります。

子どもスペースとして


子育て世代の方なら、子どもの遊び場やお世話をする場所としての活用がおすすめです。フローリングよりも柔らかくクッション性のある畳なら、もし子どもが転んでも怪我につながりにくく安心です。
遮音効果も期待できるので、子どもの足音なども軽減できるでしょう。すぐに寝転がることができる和室なら、お昼寝スペースやオムツ換えにも便利です。子どもが成長したら、低めの机を置いて本を読んだり絵を書いたり、勉強をするスペースにするのもいいですね。

寝室として


もう一つ、子育て世代の方おすすめなのが、寝室としての活用です。子どもが小さいときは一緒に寝ることが多いと思いますが、和室に布団を敷けば家族みんなで雑魚寝できます。子どもが増えれば布団を増やし、大きくなって自室で寝るようになれば布団を減らすなど、子どもの成長に合わせて対応できます。子どもが寝たあとに残っている家事を片付けたい、というときでもリビング近くの和室なら子どもの様子が分かり安心ですよね。
ベッドと違い、布団を押入れにしまえば別の用途で使うこともできます。

家事スペースとして


最近はキッチンや洗面室の近くにユーティリティなど、家事ができるスペースを設けることもありますが、和室はそのような使い方としてもとても有効です。「リビングに洗濯物を広げるのはちょっと気になる」という場合でも、和室なら洗濯物を畳んだりアイロンをかけるときも便利に使えます。畳に座ってスペースを広く使えるので、家事の効率アップにもつながるでしょう。
和室と他の空間との間に間仕切りがあれば、閉めてしまえば見えないので、急な来客時でも慌てずに対応できます。

客間として


和室は、来客時に対応する客間や応接間としての使い方にも向いています。リビングはキッチンが見えたり物が多かったりと、生活感が出やすくなるため、気になる方も多いのではないでしょうか。年代を問わず落ち着ける空間の和室なら、ゆっくりと話すこともできるでしょう。椅子は座る人数が限定されてしまいますが、和室は座布団を置いてフレキシブルに対応できます。
温かみのある畳の上にそのまま布団を敷けば、来客者用の寝室として使えるので、両親や親戚、友人などが泊まるときにも便利です。


まとめ



畳や和室にはたくさんの魅力があります。畳といってもさまざまな種類があり、これまで不安視されていたダニやカビの発生を抑える性能を付加したものや、メンテナンスの手間がかからないもの、耐水性に優れたものもあります。和室という形にこだわらず、置き敷きタイプの畳を用いれば、その使い方はもっと広がるでしょう。間仕切りにスクリーンやおしゃれな引き戸を用いることで、洋風の雰囲気とも合わせやすくなります。
家の雰囲気や好みのテイスト、スペースの使用目的を考えて家族のライフスタイルに合ったものを取り入れましょう。




著者(おのみき)プロフィール

建築・インテリア系の専門学校卒業後、工務店にて建築業務に携わる。
福祉住環境コーディネーター2級。
二児の母。



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