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掲載:2023年09月12日 更新:2023年09月12日

家の外壁に木を使いたい!おすすめ木材&注意点


家の外観のほとんどを占める外壁。どんな外壁にするかで、住まいの印象は大きく左右されます。
家の外壁と言えば「サイディング」や「塗り壁」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、「」も選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか?

木の家というと昔ながらの和風なイメージがあるかもしれませんが、現代的な外観に合わせてもOK。ちょっと個性的で、落ち着いたおしゃれな住まいになりますよ。
しかし、外壁に木を使うとなると「腐らないの?」「メンテナンスが大変そう…」と思われる方も多いでしょう。今回は、外壁材に木を使用するメリット・デメリットやおすすめの木材をご紹介します。


1.内装の木質化で期待される効果とは



まずは、外壁に木を使うメリットを見ていきましょう。

高級感があり趣のある外観に


窯業系サイディングのなかにも、美しい木目肌を再現した商品がありますよね。しかし本物の木を使った外壁には、他の工業製品には出せない風合いがあります。
風格のある純和風や和モダンの外観はもちろん、デザイン次第で現代風のナチュラルやスタイリッシュな外観も叶えられます。

経年変化を楽しめる


天然木なので、長年暮らすうちに木の色は変化していきます。他の建材だと「劣化」と言われてしまうような汚れや変化も、木の場合は「味わい」として楽しめるでしょう。

廃盤の心配がない


サイディングなどの工業製品の場合は、常に新しい製品が開発されており、それに伴って廃盤となる製品も出てきます。木は自然のものなので廃盤の心配がなく、部分的な張り替えが必要になったときに同じ材料が手に入りやすいのもメリットです。


2.外壁に木を使用するデメリット



外壁に木を使用するのであれば、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。

コストがかかる


木の外壁は、サイディングなどの一般的な外壁に比べて約1.5〜2倍のコストがかかると言われています。
コストを抑えたい方にはデメリットと言えるでしょう。

防火規制のあるエリアでは使えないことも


市街地では火災の被害が広がるのを防ぐため、「防火地域」「準防火地域」「法22条区域」として指定されたエリアがあります。
こういったエリアでは使える屋根材や外壁材に一定のルールがあるため、材料を選ぶときには注意が必要です。


3.木の外壁のメンテナンスってどうなの?



木をそのまま屋外に置いておくと、雨風や紫外線でボロボロに。注意したいのが「腐朽菌」で、温度・酸素・水分・栄養があると木が腐ってきてしまいます。木を腐らせないためには、水分と栄養をコントロールすることが大切です。
表面に塗料を塗れば、木を腐食から守ることができます。ただし塗料はだんだんと剥がれてくるため、定期的な塗装が必要です。

その他に、木の表面を火で焼き付けて炭化させる方法もあります。だんだんと炭の部分が落ちていきますが、炭化層がある限りは腐朽菌の繁殖を抑えることができます。炭化層の厚みによっても違いますが、30〜50年ほどノーメンテナンスでいいと言われるほど長持ちです。炭が落ちて木の地肌が見えてきた部分は、部分的な塗装や張り替えでカバーします。


4.木の外壁はこんな人におすすめ



木の外壁は「多少コストがかかってもいいから、本物の趣を感じられる外観にしたい」という方におすすめです。
「木の外壁はサイディングよりメンテナンスが大変そう」と思われる方もいるかもしれませんが、サイディングや塗り壁を採用した場合でも、外壁のメンテナンスは必要不可欠。サイディングの汚れや変色は抑えたいですが、木の場合はむしろ「味・風合い」とも言えます。
長く住むうちに生じる色落ちなどの変化を、劣化でなく味と感じられるかどうか、家族の意見があっていることも重要なポイントです。


5.外壁を木にしたいならコレ!おすすめ商品を紹介


ここからは、外壁材におすすめの木材をご紹介しましょう。

レッドウッド



木材の中でもトップクラスの耐腐食性能を持つと言われている「レッドウッド」。腐りにくいため、腐った木を好むシロアリ被害にあいにくいのも魅力です。真っ直ぐに生え、樹高は100mを超えるものもあることから、定尺での商品化を実現しています。

イペ



ブラジル・ペルーなどの南米で産出される木材「イペ」。非常に硬いハードウッドで、ねじれや反りが出にくいのが特徴です。耐久性が高いため、不特定多数の人が利用する公共施設のウッドデッキやボードウォークにも使われています。
全面に使用するのもいいですが、アクセントとして他の素材と組み合わせて使用するのも素敵です。

焼杉


杉板を焼いて表面を炭化させる「焼杉」。日本に古くから伝わる、伝統的な外壁材です。
通常、木材を外壁に使用する際は腐らないように塗装しますが、表面が炭によって保護された焼杉は塗装しなくても腐りにくいとされています。 炭化によって耐久性・耐火性・防虫性もアップされた杉板は、優れた機能と落ち着きのある美しい見た目で人気です。

焼きっぱなし仕上げ



不揃いな質感と風合いを感じられる焼きっぱなし仕上げ。炭は経年変化により徐々に落ちていきますが、ノーメンテナンスで30年持つとも言われています。 真っ黒でかっこいい見た目なので、シックな外観に仕上げたい方におすすめ。
ただし、表面はいわゆる「炭」なので、触ると手が黒く汚れる点には注意が必要です。

ブラシ仕上げ



ブラシ仕上げは、焼杉焼きっぱなしの炭をブラシで落としたもの。木の柔らかい部分が削ぎ落とされて固い木目部分が残るため、木目の凹凸を強調させる「浮造り(うづくり)」風に仕上がります。
焼きっぱなしより炭化層が薄いぶん早く色落ちしますが、焦げ茶色から徐々に飴色に変わっていく様も魅力的です。


まとめ ~木材の外壁で自分らしい住まいをつくろう~


木の外壁は本物の風合いと趣を感じられ、デザイン性の高い外観を叶えることができます。 自然素材なので色落ちや褪せはつきものですが、むしろ風合いが増して味が出ることを魅力とも捉えられるでしょう。

建材ナビでは、今回紹介した紹介した商品以外にもたくさんの外壁用木材を取り扱っています。ぜひチェックしてみてください。




著者(村田 日菜子)プロフィール

大学で建築を学んだ後、住宅専門のライターとして活動中。
主にWebコラムや住宅情報誌で、住宅購入やリフォームのノウハウ、マネー情報等の原稿執筆・編集をしています。







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