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掲載:2022年09月01日 更新:2024年03月07日

サイディングはどんな外壁材?種類やデザインを紹介

サイディングは施工しやすく、多彩な外観デザインを叶えられる外壁材として、低層住宅を中心によく使われています。
一口にサイディングといっても、窯業系や樹脂系などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。

今回はサイディングの種類や特徴、デザインなど解説しますので、「そろそろ外壁を張り替えたい」「家の外壁材を迷っている」という方はご参考にして頂ければと思います。

サイディングとは?

サイディングとは建物の外壁に用いられる、パネル状の仕上げ材のこと。昔は外壁材というと、現場で左官職人が塗りつけるモルタルが主流でした。

それに対して、現場での手間が省ける外壁材として登場したのがサイディングです。
サイディングであれば、モルタルに比べて工期が短く、それに伴う人件費も削減できます。また材料自体も比較的安く、業者によって仕上がりが左右されにくい点もメリットの一つです。

当初は単調なデザインしかなかったサイディングですが、最近は色や柄のバリエーションも豊かに。軽量で地震に強い外壁材として注目されたこともあり、今では戸建住宅を中心に多くの新築・リフォームで使われています。

サイディングの種類

サイディングは大きく「窯業系・金属系・木質系・樹脂系」の4種類に分けられます。それぞれ価格や機能性が変わってくるため、よく検討しましょう。

窯業系サイディング

日本で最もポピュラーなのが窯業系サイディング。セメントに繊維質を混ぜて、高温で焼成した外壁材です。
高温で焼いているため、火や衝撃に強いのが特徴。
さまざまな形に成形して焼き固めることができるので、レンガ風やタイル風などデザインが幅広いのも人気の理由です。
また他のサイディングと比べても初期費用が安く、コスト的にも導入しやすい外壁材となっています。

金属系サイディング

ガルバリウム鋼板などの金属でできたサイディング。金属ならではのスタイリッシュな外観を叶えられます。

金属サイディングの大きなメリットは、他の外壁材に比べて軽量なこと。窯業系サイディングの約1/4、モルタルの約1/10程度の軽さとなっています。
建物の重量を抑えることで、耐震性の向上に。また新築や張り替えだけでなく、既存の外壁に重ね張りする「カバー工法」にも使いやすい外壁材です。

木質系サイディング

その名の通り、木材でできたサイディング。値段は他のサイディングに比べると高めですが、木ならではの温もり感や経年変化を楽しむことができます。

防火面で他の外壁材よりは劣りますが、製品によっては準耐火構造にも対応できます。雨水が染み込むと腐食しやすいので、定期的な塗装で保護することが長持ちの秘訣です。
また焼板といって表面を焼いたものなら、炭化層で保護されるため、塗装をしなくても腐食しにくくなります。
炭化層が残っている限りは、ほとんどメンテナンスも不要です。

参考:日本初!木製外壁準耐火構造認定を取得した防火木材外壁材「WILL WALL」

樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂でできたサイディング。日本ではまだ知名度は低めかもしれませんが、アメリカやカナダなどでは高いシェアを誇る外壁材です。

樹脂は水分をはじく素材なので、湿気や雨によって劣化しにくいのがメリット。
また樹脂に顔料が練り込まれているので、色が剥がれたりする心配もありません。
凍害や塩害の心配が少ないので、寒冷地や海沿いの地域では非常に人気の高い素材です。

サイディングのさまざまなデザイン

サイディングの良さの一つが、豊富な色柄のバリエーション。木目調、タイル調、石目調などたくさんのデザインから選ぶことができます。
どんなデザインがあるかを知って、外壁材選びにお役立てください。

木目調

ナチュラルでやさしい印象が素敵な木目の外壁。
本物の質感を求めるなら木質系サイディングを選びますが、木の質感に似せた木目調の窯業系サイディングという選択肢もあります。

タイル調

高級感のあるデザインがお好きな方に人気なのが、本物のタイルに似せたタイル調のサイディング。
本物のタイルと比べてコストが安く、軽量で建物に負担をかけにくくなります。

石目調

石を積み重ねたような、重厚感あふれる石目調のサイディング。
窯業系サイディングなら色合いはもちろん、表面の凹凸のあるテクスチャーまでリアルに再現されています。
邸宅のような高級感ある外観をお求めの方におすすめです。

レンガ調

ヨーロッパやアンティークの雰囲気を表現できる、レンガ調のサイディング。
本物のレンガ造やレンガ調タイルのようなコストをかけることなく、自然なレンガの風合いを出すことができます。

コンクリート調

コンクリート打ちっ放しを表現したサイディングを使えば、木造住宅でも鉄筋コンクリート造のような雰囲気を再現できます。
無機質でシンプルなデザインは、金属屋根とも相性抜群です。

サイディングのメンテナンス

Danサイディング

サイディング自体の寿命はおよそ15〜30年と比較的長め。
しかし防水性を維持するためには、10年に1回程度のメンテナンスが必要です。色褪せやチョーキング(塗料が粉状になって手につく現象)などが見られたら、表面の塗装を塗り直します。
このときサイディング自体の傷みがひどい場合は、部分的な張り替えや補修なども行うとよいでしょう。

またサイディングのつなぎ目を埋めているシーリング材は、早くて5年程度で劣化してきます。縮んで固まったりひび割れしてきたら、新しいコーキングの補充や打ち替えをしましょう。
シーリングの劣化を放置すると、そこから雨水が入って内部を傷める原因になります。

サイディングのメンテナンスを減らす方法

サイディングのメンテナンスを完全になくすのは難しいですが、高耐久の塗料やシーリング材を選んでメンテナンスの頻度を低くすることは可能です。
通常のシーリングの寿命は5〜10年ほどですが、なかには30年ほどもつ高耐久の商品もあります。

また樹脂系サイディングは、シーリング自体を使わない「オープンジョイント工法」で施工することもあり、シーリングの補修が不要になります。

まとめ

サイディングは短工期で安価に施工でき、耐久性やデザイン性などトータルのバランスがとれた外壁材です。タイル調や木目調など選べるテクスチャーも豊富なので、好みの外観を叶えるのにお役立てください。

また、窯業系や金属系などの種類があり、それぞれ質感や耐久性などが異なるため、将来のメンテナンスも視野に入れながら選びましょう。



著者(村田 日菜子)プロフィール

住宅専門ライター







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