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掲載:2021年02月24日 更新:2021年12月24日

一級建築士オススメ!オンラインを活用した建築情報の収集術


1990年代後半、インターネットの普及により社会は大きく変わりました。 欲しかった情報が簡単に手に入るようになり、仕事も生活もそれまでとは一変しました。 さらにタブレットやモバイルパソコン等の小型デバイスの普及により、インターネットがより身近で便利なものになりました。 特にスマートフォンは小型で携帯性に優れ、且つ高性能で手軽に情報を持ち歩ける現代人の必需品となりました。

現代はまさに情報戦。建築士もこの情報化社会に乗り遅れていては生き残れません。 クライアント様や関連業者との良好な関係構築や連絡手段として、また大切な情報収集源として有効的に活用しなければなりません。 今回は建築士に役立つ情報収集や顧客開拓に役立つオンラインを活用した建築情報収集術を紹介させて頂きます。


1.身近になったオンライン環境を上手に活用する

オンラインを活用した建築情報の収集術

建築士に限りませんが、士業という職種は知識や経験が重んじられる仕事です。 一般人では知り得ない特殊な知識や経験を身に着け、専門家としての立場から適切なアドバイスや提案を行なうのが本来の業務です。

ところがインターネットの普及により、一般人でも専門的な知識を簡単に収集する事が出来るようになりました。 情報化社会以前の時代であれば、知り得た知識や経験だけで長年仕事を継続していく事が出来たのですが、現代はインターネットを上手に活用出来なければ、専門家としての立場を維持する事が難しくなっています。

特に最近のお客様は、インターネットを利用して熱心に情報収集し、懸命に勉強される傾向が強くなりつつあります。 専門家が発信するブログ、工務店やハウスメーカーのホームページ、住設機器メーカーのデジタルカタログを参照しながら、建築のプロでさえ驚くような知識を持つ人もいらっしゃいます。

スマホで気軽に情報獲得出来るような時代になったからこそ、建築のプロとして生き抜く為には、お客様以上の情報収集と勉強をしなければなりません。


オンライン活用法は建築の知識以上に重要になります。


2.積極的利用をするべき4つのオンライン活用術

オンラインを活用した建築情報の収集術

建築士が積極的にインターネットを活用する目的は大きく分けて次の2つになります。

・「情報収集」目的
・「情報発信」目的

専門家にとって「情報発信」は、立場や威厳性の確保、そして集客目的に繋がるので有効です。

お客様は、相談会や内覧会、関連業者や施工業者経由、口コミや広告宣伝等々を通して建築士と接点が生まれます。 しかしながら、お客様の立場からすれば、いきなり専門家に相談するのは、実は心理的に高いハードルと言えます。

お客様が初期段階で利用するのがインターネットでの情報収集や相談です。 見込み客が情報収集してる段階に接点を獲得できれば、専門家として優位な立場に立ってアドバイスし、仕事の受注にも繋がりやすくなります。

私もオンライン活用の一つとして、とある情報サイトで住宅相談を行っています。 簡単な相談や質問が多いのですが、お客様は相談先としていきなり専門家に問い合わせするのではなく、情報サイトを利用している事がわかります。 積極的な攻めの情報発信が必要である一つの証です。


3.情報収集目的としてのオンライン活用

オンラインを活用した建築情報の収集術

専門家として知識不足・勉強不足は言い訳になりません。 お客様の方が建築のプロよりも多くの知識を有していると言う事は絶対に避けなければなりません。

手軽に専門的な情報収集が可能になった現代、一般ユーザーは興味のある分野に対して専門知識や商品知識を豊富に揃えようと熱心に努力します。 住設機器メーカーからカタログを取り寄せ、施工のブログ等を閲覧して熱心に情報収集する方が増えつつあります。

実際に私も、
「水圧が何メガパスカル以上必要なのか?」
「機能には何が付いているのか?」
「相場がどれくらいであるのか?」
という専門的な話をされるお客様とお話した経験があります。

専門知識を得ようとするお客様に対し、生半可な知識では太刀打ち出来ません。 専門家として適切なアドバイスする以上は、お客様以上に知識が豊富である事が大前提です。 インターネットで手軽に入手出来る専門的な情報には、常に目を光らせて閲覧しておくようにしましょう。
また、カタログ等は細部まで一読しておく必要があります。


4.専門家同士のコミュニティを利用する

オンラインを活用した建築情報の収集術

一般公開されている情報だけでなく、専門家同士の情報交換も重要になります。 建築士会や専門家の集まりはリアルでの開催が基本でした。

しかしコロナ禍の影響もあり、勉強会は開催されても交流会や親睦会が無いケースが増えました。
専門家同士の情報交換の場が減ってしまったのですが、これも積極的にオンライン活用すべきです。

Facebookやmixi等のSNSには建築士や専門家のコミュニティがあります。中には一般人が参加出来ない専用コミュニティもあり、情報交換の場として有効活用する事が可能です。

リアル開催の勉強会とは異なり、建築関連の異業種の情報を仕入れたり、新着情報の獲得にも利用することが出来ます。 場所や時間に縛られること無く利用可能ですので、積極的に参加して情報源の一つにしましょう。意外な面白い情報を得られるかも知れません。


5.イベント告知機能として利用する

オンラインを活用した建築情報の収集術

コロナ禍の影響により、オンライン講義やオンラインセミナーの開催が急激に増加しました。
参加者の立場からすると、移動する手間が省け、場所や時間的な制約からも開放され、気軽に参加出来るオンラインセミナーは大きな注目を集めてます。

オンラインセミナーは参加者だけでなく、講師側にもメリットをもたらします。 会場費の削減や会場設営の省略、移動が不要になる等、双方に大きな利があることがオンラインセミナー開催の魅力です。

このオンラインセミナーは、見込み客の集客としても活用する事が可能です。 実際に自分のビジネスの集客の為にオンラインセミナーを開催している講師も増えました。 これは一般の講師業の先生だけでなく、専門知識を有する士業も同じです。

オンラインセミナー受講生の多くは30〜50代が中心で、リフォームや住替えに関心のある世代です。 関心のある初期段階から受講生を育成出来れば、仕事に繋がる可能性を秘めています。 積極的なオンラインセミナーや勉強会の開催は、今後のお客様獲得の鍵を握っています


6.積極的な情報発信ツールの活用

オンラインを活用した建築情報の収集術

建築士のオンライン活用として、積極的に実施して頂きたいのがブログやSNSの利用です。 特に専門性を必要とされる職種だけに、積極的な専門家としての立場を主張しなければなりません。

専門家や先生としてのポジションを強化する為にも、自発的な情報発信と、ユーザーとの意見交換は重要です。 定期的なブログを投稿し、情報収集目的の一般ユーザーとの繋がりを作りましょう。 またSNSを利用して、ユーザー側の立場や心理状態を理解し、適切な情報を発信する必要性があります。

インターネット初期の頃は一方的な情報発信だけでもユーザーが集まりましたが、SNSの普及により、ユーザーの顕在ニーズと潜在ニーズの掘り出しが重要視されています。 ユーザーが気軽に質問できる環境を整え、適切なアドバイスが出来るSNSコミュニティを作り、専門家としての強いポジションを積極的に構築しましょう。

気軽に情報発信と質問が行えるTwitterやLNE公式アカウントの活用は重要です。その他にもたくさんのSNSがありますが、この2つは積極的に活用するべきです。

7.まとめ

いかがでしたか。建築士として建築情報収集術や情報発信の為のオンライン活用は現代の情報戦社会では必須です。 今までは仕事に困らなかった環境であっても、これから先の日本は人口減少の影響でどのように変化するか分かりません。 「待ち」の状態でも仕事が受注出来た時代は過去の話です。これからはインターネットを積極的に活用したスキルが必要になってきます。

今回ご紹介した活用法も時代の流れとともに変化していきます。乗り遅れてしまうと使い物にならないのがオンライン活用の怖さです。 少しでも早くご自身に適合するネット活用法を取り入れ、専門家としての地位と立場を構築し、安定的な仕事の確保を目指して下さい。


著者(田場 信広)プロフィール

・一級建築士、宅地建物取引士

・建築設計、工事監理、施工(大工)、戸建て木造住宅の新築からリフォーム全般、分譲マンションの内装改修、マンションの大規模修繕工事の設計・設計管理、警察署の入札仕事や少年院の特殊な工事も経験

・某資格学校にて2級建築士設計製図コースの講師を6年務める







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