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掲載:2023年10月24日 更新:2023年10月24日

理想の住まいと暮らし方|「無印良品」のアンケートをもとに解説

無印良品の寝室と収納について

リビングやダイニング、寝室、バスルームといった部屋をどのように配置するか、壁や家具をどこに置くかによって、暮らし方は大きく変わります。たとえ、ワンルームのような小さな空間でもそれは同じことです。
住まいの暮らし方を決めるには、それぞれの理想が必要になります。

実際に家を建てようと思うと、自分の理想の暮らし方を想像しながらそのための間取りを考えるのはなかなか難しいものです。 そのなかでも特に重要なのは、人がゆっくりと安らぐことのできる寝室、そして切っても切ることができない収納だと思います。
この2つが整えば、ストレスなく暮らしやすい住まいのヒントが得られると思います。

今回の記事は、「無印良品の家」を展開している無印良品に寄せられた約10万人の声やアンケートをもとにまとめられた、理想の住まい・暮らし方について現実的な部分と重ね合わせながらまとめていきます。

1.寝室について

寝室について

一昔前までは、家族で川の字になって寝るということは珍しくはありませんでした。
その後、家族とはいえプライベートが重視されることが当たり前になり、寝室の数を優先した時代がありましたが、最近では、寝室全体またはそれぞれの寝室をあえて仕切らずに1つの空間で寝るという人も増えてきています。

ここでは、家族のありかたを視点に寝室を考えていきます。

2.アンケート結果

アンケート結果

Q1.どのような寝室の構成が理想ですか?

Q2.現在はどのような寝室の構成ですか?

年齢を重ねるとともに、夫婦で別々の寝室がいいという意見が増えています。
また、夫婦+子供の世帯では、「ふとん」派が38%もいることがわかりました。フローリングのうえにふとんというスタイルが人気だったことにも注目でした。

また逆に、高齢になっていくとともにベッドのほうが楽という意見もありました。

3.食寝分離、個室志向、寝室の多様化へ

食寝分離、個室志向、寝室の多様化へ

家族それぞれが個室を獲得するまでの歴史は、戦後の住宅の歴史でもありました。大正から昭和までは、一般庶民の家庭では「食事をするところ」と「寝るところ」は同じ空間でした。戦後、公団が近代的な暮らし像を考える中でまず取り組んだのが、食寝分離でした。

また、その後の高度経済成長とともに家の中には次第にものが溢れるようになります。家族それぞれが個室をもちたいという欲求の高まりを受けて、部屋の大きさは徐々に大きくなっていきます。
こうして住宅が広くなるなか、「子供1人に1部屋」といったプライベートを重視した間取りがメインになっていきます。
また、1つの部屋を障子やふすまでゆるく仕切ったり、仕切り方に可変性をもたせたりする方法も提案されるようになりました。 このような寝室の多様性について改めて考えていく必要がありそうです。

最近では、夫婦で別々の寝室にしたいという声も多くなってきました。
これは、夫婦仲が悪いというわけではなく、背景には、それぞれの生活時間帯が異なるということや、睡眠を妨げないようにゆっくりと寝てほしいという配慮があるようです。

1人で寝ないと熟睡できない、1人の時間をつくりたいという思いもあるようです。寝室の間取りを考えるうえで、こうした心情や志向をしっかりと汲み取ることがとても重要になってきます。

4.収納について

収納について

生活していくにつれ、いつのまにかさまざまな物が増えていきます。家の中の物が整っていると、気持ちが落ち着きます。家の中を整えるには、普段から不要な物を捨てるという習慣が大事です。

そして間取りにおいては片づけやすく取り出しやすい収納計画が必要です。収納の方法、その収納の工夫について考えていきます。

5.アンケート

アンケート

Q1.現在、家にはどのくらいの物がありますか?

●たたんである衣類の量は・・・世帯平均15ケース
※幅44×奥行55×高さ24cmのクローゼットケースの場合

●靴は何足?・・・世帯平均は27足・ひとり平均12足

●タオルの枚数は?・・・ハンドタオル世帯平均16枚・フェイスタオル世帯平均20枚・バスタオル世帯平均10枚

●おもちゃの量は?・・・世帯平均5個

Q2.あなたは整理整頓が好きですか?得意ですか?

平均値を見ると、家にある物は意外と少ないです。(人や家族構成によって物の量に偏りもあります)
また、整理整頓好きは45%、でも得意な人はわずか9%という結果になりました。得意な人は物の置き場所を正確に決めています。

6.押し入れから作りつけ収納へ、物をもたない暮らし

押し入れから作りつけ収納へ、物をもたない暮らし

昭和の初め頃まで、日本の一般住宅の収納といえば和室に設けられた押し入れでした。昭和25年頃の公団住宅にも和室に押し入れがありました。
当時は物が少なかったこともあり、4人家族が暮らすのにじゅうぶんな間取りと広さでした。その後、日本が高度経済成長に突入すると、どの家庭でも物の量が増え続け、いつしか小さな面積の家や収納では窮屈になりました。
また、生活の西洋化が進んで和室が少なくなり、ふとんを使うことが減ってくると、従来の押し入れをふとん以外の物の収納として積極的に使うようになります。

しかし押し入れは畳んだふとんを収納できるように奥行が深くできています。 そのため小さいものを収納すると手前と奥にわかれてしまい、取り出しにくいうえに何が収納されているかわかりにくいという欠点がありました。

このような収納容量の不足と押し入れの使いづらさなどを解消するため、以降のマンションなどでは効率よく収納できるような作りつけの収納を備えるようになりました。しかし、作りつけ収納の欠点は、可変性がないところです。
収納計画を立てても、物の量や家族の構成が変わってしまうと収納の容量や形状がそぐわなくなってしまいます。

そこで、後から備え付けるシステム収納の活用や、家具と作りつけ収納とを組み合わせる方法、場合によっては家具だけを使うというさまざまな収納の考え方が出てくるようになりました。収納計画を立てるにはさまざまな方法があります。
最も重要なのは、まず物に対する自分の考えをしっかりともつことです。

アンケートでは、物が多いと感じている人が62%、物を減らしたいと思っている人が79%もいました。いつかは使うと思っていても、一度も使われないものも多いのではないでしょうか。物の定量を決めて、不要なものは勇気を出して捨ててみるのはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ

物のない時代を経て、物が溢れる時代になりました。そんな時代に物で暮らしを豊かにするのではなく、暮らし方そのものに焦点をあてていくことが必要になってくると思います。
日々の暮らしの中で、自分の好きな物を選び取り、心地よく暮らしていくことが暮らしを豊かにしていくコツかと思います。

時代が変わり、物が溢れ必要な物がすぐに手に入るようになり、プライベートを重視する時代になってからこそ、従来の日本の姿を思い出し、その姿も大切にしながら暮らしと人生が充実していくヒントになれば嬉しいです。





著者(SaKI)プロフィール

<経歴>
建設会社にて2×4工法、RC造の建築物の設計・積算を担当。
故郷である熊本が地震で被災した際に知った、建築家の坂茂さんの紙のログハウスに感銘を受け、命を守る建築の魅力に気づく。

技術職とは別に、ジュエリーブランド「casa」を立ち上げ、ジュエリーデザイナーとしても活動中。
インテリア界のパリコレと言われる審査の大変厳しい Maison & Objet への出展許可をいただきました。
建築の知的な造形美をジュエリーに取り込んだ作品を生み出しています。

<保有資格>
・建築積算士
・二級建築士







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