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掲載:2023年10月12日 更新:2023年10月12日

パリのインテリアを楽しむ収納法

パリのインテリアを楽しむ収納法

みなさんはどのような棚を使っていますか?その棚の中にはなにをしまっているのでしょうか?指紋をつけたくもないような大切なものでしょうか?大事な人からいただいた思い出深いものでしょうか?

これは私事なのですが、ジュエリー関係の仕事でフランスへ行ったことがあります。
そのときに私がパリで学んだことは、「好きなものはしまわずに出して使う」ということでした。
ものの数ではなくものの値段ではなく、もののセンスでもなく、好きなものを収まりよく並べていく、それがパリの収納術なのだと目の当たりにしました。そもそもフランスではものは日々使うものなので「日常的に外に出しておく」という考え方が基本です。

収納とディスプレイを兼ね備えたインテリアは見ているだけでわくわくさせ、幸せな気持ちにさせてくれます。 ものも自分も楽しくなる収納は、その部屋の空間を明るくし居心地のいいインテリアを作り出します。 収納とインテリアは切っても切り離せない関係を持っています。

限られた空間を最大限に使うためのレイアウトのポイントを学び、「収納+インテリア」の重要性をお伝えできたらと思います。「ものが多い部屋だって、すっきりお洒落に収納できる!」フランス・パリのエッセンスを取り入れたものと暮らしをご提案します。


1.3つのバランスの法則

地盤補強工事・工法

バランスを見ながら、作品として収納を考えることが大切です。
収納するには好きというくくりだけでなく、見せるものと見せないものをきっちりと分類する必要があります。

その方法はたった3つです。
「そろえる」、「並べる」、「重ねる」です。
この法則に従えば、どんなにものが多くてもシンプルに美しく収納することができます。

ポイントは、全体のバランスをとりながら作品をつくるように整えていくことです。

2.そろえる

用途をそろえる

家にあるものを実用的に収納するには、まずどこで使うかを考え、使う場所ごとに分類することから始めます。
使う場所が決まれば、あとは自分の動線に沿って、かけたり並べたり使いやすいように収納していきます。

色・素材をそろえる

色や素材をそろえると棚はとてもすっきりしますが、単調になりがちです。
そこで、ウッド調のものは面を見せたり、高さに変化をつけたりして、アクセントにしていきます。少し離れて棚の全体像を見てバランスを意識しながら、配置していきます。

3.並べる

左右対称に並べる

物を左右対称に並べるのは、スペースを最大限に使ううえでも、すっきりみせるうえでも、とても有効なテクニックです。最大の利点は、2つ並べることで全体がきっちりと統一感のあるように見えることです。
同じ収納用品を使えば悩むこともなくバランスもとりやすいうえに整頓して見えます。
また、複数買いはなかなか踏ん切りがつきませんが、2つなら買いやすいので、並べて見せる収納をはじめるのにぴったりです。

ケースを使って並べる

同じケースを使った収納はとても簡単。サイズを合わせれば、スペースを最大限活用できます。
透明ケースのほかには、色や素材がシンプルなものを選ぶといいでしょう。

4.重ねる

見た目の可愛さと収納力アップのダブル効果

「並べる」の応用で、色や形がシンプルであることが条件ではありますが、それさえクリアすればどんな場所にも応用できるテクニックだと思います。
この「重ねる」のメリットは、なんといっても存在がひとつに見えるということ。もちろん、単体を置いても魅力的なのですが、ぽつんとひとつ置くと、その存在が極まって、まわりと馴染みにくくなることがあります。その点、積み重ねておくと、統一感が生まれ、すっきりと見せることができるようになります。
わざとアンバランスに重ねたり、使いながら出てくる微妙なずれが楽しめるのも、「重ねる」ならではの魅力です。
まっすぐに直したり、ズレをあえて大きくすることで、表情を変えることができ、いつまでも飽きがこないです。

5.インテリアを選ぶときのアンバランスのバランス

インテリアを選ぶときのアンバランスのバランス

あるフランス人女性のお話です。
彼女の食卓には、ある独特の魅力があります。数世紀も前から使われているような古いテーブル、1960年代にデザインされたモダンな椅子、そしてコップは、ヌードの女性のレトロな写真つき。同じような柄でも形はそれぞれ異なっています。
デザイン的にも時代的にも全く異なるこれらの品物は、本来ならアンバランスさを生み出すはずなのに、こうして一緒に並べてみると、とてもいい味を出しているのです。

彼女の食器棚を見ると、全く形の違う不揃いなものばかりです。ですが形は違っても、みんな同じ黄色なのです。彼女は言います。

「同じお店でそのシリーズを意図的に買ってるわけじゃないのよ。ある日、黄色のコップがたくさん無意識に食器棚に入っているのを見て、それ以来、同じように黄色のコップを見つけると自然と買うようになってしまったのよ」

さまざまなジャンルや時代のオブジェを躊躇なく共存させる。いろんなお店に置いてあったものが、ここで生まれ変わり、新しい意味を持ち、新しい道を辿り始めます。まるで昔からここにあったような優しい感覚をもたらしてくれます。
トレンディーな店で買ってくる商品よりも、ひょんなことから偶然に集まってきた商品はとてもチャーミングです。焦ることなく、好きになったら出会ったその時に買ってみる、ということも大切です。
こうして感覚に沿って偶然によって集められたその商品たちは、それぞれ個性は違っていても、当然のごとく、あなたに似ている商品なのです。 だからこそ、あなたのそばで優しいインテリアのひとつとして生き続けます。

「いかにも頑張りました」はかっこ悪いです。こだわりぬいて、すべての個性を合致したものしか手に取らない!ということは避けましょう。また、せっかく買っても大事にしすぎて奥にしまい込んでしまうことはやめてしまいましょう。

もっとゆったりと選んで、ゆったりと使い込むことで、フランスらしいシンプルで自然な空間を作り出すことができます。

まとめ

まとめ

収納とインテリアの方程式を解くヒントは、日々の生活の中にあります。
暮らしやすく、居心地よく、毎日が楽しく、を意識しながら収納を考えることは、自分の目指すインテリアに近づく一歩だということを、私自身が実感しました。ものを単に収めるだけでは、本当に自分が暮らしたいと思えるような空間をつくりだすことはできません。

フランス人から学んだ、「独自性」、「美意識」、「創造性」の豊かさは、自分のこだわり=オリジナルを生むための大切な糧となりました。 優しい時間が流れる、あなたの大好きな空間づくりに、この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。





著者(SaKI)プロフィール

<経歴>
建設会社にて2×4工法、RC造の建築物の設計・積算を担当。
故郷である熊本が地震で被災した際に知った、建築家の坂茂さんの紙のログハウスに感銘を受け、命を守る建築の魅力に気づく。

技術職とは別に、ジュエリーブランド「casa」を立ち上げ、ジュエリーデザイナーとしても活動中。
インテリア界のパリコレと言われる審査の大変厳しい Maison & Objet への出展許可をいただきました。
建築の知的な造形美をジュエリーに取り込んだ作品を生み出しています。

<保有資格>
・建築積算士
・二級建築士







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