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掲載:2019年12月22日 更新:2023年03月07日

屋根をアスファルトシングルにするメリットや費用、おすすめ商品

シングルライン【アスファルトシングル屋根材】

おしゃれでモダンな雰囲気があるアスファルトシングル材は、アメリカやカナダで一般的な屋根材として使われています。 アスファルトシングル材は、他の屋根材にはない特徴を持つことから日本でも使用する人が徐々に増えており、注目されている屋根材のひとつです。
この記事では、アスファルトシングル材の特徴やおすすめの商品を詳しく紹介します。

• 具体的には以下の内容を解説します。
• アスファルトシングル材のメリットとデメリット
• おすすめのアスファルトシングル材

読むことでアスファルトシングルがあなたに適しているかどうかが判断できるでしょう。

1.屋根に使うアスファルトシングル材のメリットとデメリット

オークリッジスーパー

アスファルトシングル材は、アスファルトにガラス繊維を「含浸(がんしん)」させ、細かくした天然石を貼り付けて製造します。 「含浸」とは、薬剤に圧力をかけて屋根材の細かい穴を埋める工法です。不良品を防ぐ目的があります。
アスファルトシングル材にはどのような特徴があるのかメリットとデメリットを説明します。

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングル材にはさまざまなメリットがありますが、特に注目すべき3つのメリットがあります。

1. デザイン性が高い
2. 割れや錆びに強い
3. 軽量で耐震性が高い

具体的にどのようなメリットがあるのか解説していきましょう。

デザイン性が高い

アスファルトシングル材は、軽量で加工しやすいことから複雑な屋根の形状に合わせて施工することが可能です。 さらに、石粒の色によってさまざまなカラーが再現できることから、和・洋どちらの住宅の雰囲気にも合わせやすく、デザイン性が高いことがメリットです。

割れや錆びに強い

アスファルトシングル材は、薄いシート形状でとても柔らかいことから割れる心配がありません。 さらに、アスファルト性の防水紙と石で製造されているため錆にも強いことがメリットです。 一般住宅に使用することが多い「屋根瓦」や「金属の屋根材」との大きな違いとも言えます。

軽量で耐震性が高い

アスファルトシングル材は、屋根瓦やスレート屋根に比べてとても軽く、建物に負担がかかりにくいため耐震性が高いことがメリットです。 重量は屋根瓦の約5分の1と非常に軽く、地震が多い日本でも安心して使用できる屋根材です。

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングル材には3つのデメリットがあります。

1. 強風に弱い
2. 劣化しやすい
3. はがれやすい

住宅環境や求める性能に適した屋根材かどうかを見極めるポイントとして参考にしてください。

強風に弱い

アスファルトシングル材は薄くて軽いことがメリットですが、実はデメリットでもあります。 薄くて軽いがゆえに強風に弱く、反りややぶれが起きる可能性があります。 山間部など風が強い地域に住んでいる人は注意が必要です。

劣化しやすい

アスファルトシングル材は、水分や湿気、気温が原因で劣化しやすいことがデメリットです。 湿気の影響でカビやコケが発生しやすくなり、気温が高いと熱による伸縮や紫外線の影響で劣化しやすくなります。
さらに、気温が低いと水分が内部で凍ることも劣化の原因になります。 日当たりが悪い環境や、気温差が激しい地域に住んでいる人は注意が必要です。

はがれやすい

アスファルトシングル材は、表面の石粒がはがれやすいのがデメリットです。 表面の石粒がはがれたまま放置しておくことは、劣化を早める原因にもなります。
また、はがれた石粒が雨どいに詰まることで雨水がうまく流れず、外壁や基礎部分を濡らして建物内部に水が侵入する恐れがあります。 石粒のはがれは2次被害をおよぼす可能性もあるため、雨どいの清掃をこまめにする必要があります。

ファイバーグラスシングル【リッジウェイ】

アスファルトシングルはどんな人に向いている?

アスファルトシングル材は、デザイン性を重視したい人や屋根の形状に合わせて施工したい場合、高い耐震性を求めているケースなどに向いています。
特に、耐震性の高さから地震が多い日本に適した屋根材と考えられます。
しかし、住宅環境によっては向かない場合もあるため、アスファルトシングル材のメリットとデメリットを理解したうえで選ぶようにしましょう。

2.屋根をアスファルトシングルに変える場合の費用相場


アスファルトシングル材に葺き替えする場合の費用相場は100~120万です。 これは、100平方メートルの屋根を想定しています。
内訳としては、既存屋根の撤去や処理作業、屋根材、足場などの費用がかかります。 屋根の広さや既存屋根の種類によって費用は変わるため、見積り内容を確認することが大切です。

3.屋根をアスファルトシングルに変える場合の工期


アスファルトシングル材に葺き替えする場合の工期は4~10日ほどかかります。 上記は30~40坪の家を想定しています。 おおまかな工事内容と日数は下記のとおりです。

1.足場仮設:1日
2.屋根葺き替え(既存屋根撤去・清掃・下葺き・屋根材の新規設置):2~8日
3.足場解体:1日

屋根の形状や大きさにより日数は変動するため、業者と相談することをおすすめします。

4.アスファルトシングル屋根材でおすすめの商品


アスファルトシングル材はさまざまなメーカーの商品があり、それぞれ特徴や商品価格が違います。 以下では、アスファルトシングル材のおすすめ商品を3つ紹介します。

丸鹿セラミックス株式会社「シングルライン」

シングルラインはイタリア産の屋根材で、6色展開しているアスファルトシングル材です。 浮き彫り効果で立体的な屋根を演出し、特殊な形状やグラデーションでオリジナリティー溢れるデザインを作り出します。 1平方メートルあたり約13.5キログラムの軽さで地震に強く、建物への負担を軽減できます。
さらに、「住宅環境によっては適さない」というアスファルトシングル材のデメリットを上回るほどの強い耐久性を持っており、 住居環境や地域問わずどこでも使用できる優れた屋根材です。

1平方メートルあたりの材工単価は5,800円です。 この価格には、役物や下地工事、板金工事、漆喰工事などは含まれていません。 シングルラインはアスファルトシングル材を使用したいが住宅環境や地域を理由にあきらめていた人に向いている商品です。

ニチハ株式会社「アルマ」

関連ページ:アスファルトシングル屋根材 アルマ

アルマは、濃淡の色調と2層構造の陰影がとても美しいアスファルトシングル材です。 アメリカのテイストを残しつつもどんな住宅の屋根にも合わせやすい5色展開で、 和風・洋風どちらの雰囲気にも合わせやすいです。

アルマとはラテン語で「鎧」という意味があり、その名前からも分かるように雨風などから建物をしっかり守る優れた耐久性があります。 他の屋根材に比べて廃棄過程でCO2の排出量が少なく、環境に優しい特徴もあります。

1平方メートルあたりのメーカー希望小売価格は3,500円です。 これには工事費や運賃などは含まれていません。 アルマは安い価格でアスファルトシングル材に葺き替えしたい人に向いている商品です。

オーウェンス コーニング ジャパン「オークリッジスーパー」

関連ページ:オークリッジスーパー

オークリッジスーパーは、海外製品としてはじめて日本の防火試験(屋根飛び火認定試験)に合格した、注目のアスファルトシングル材です。 他のアスファルトシングル材に比べて性能が高いことが特徴で、特に注目すべきは「防水性」と「対藻性」です。

「防水性」は、独自のスーパーシーラント(自着材)が雨水の侵入を防いでくれます。
「対藻性」は、セラミックコーティングで太陽光から屋根を守り、藻の付着を防いでくれるでしょう。

屋根を長期にわたり美しく保護し、生活に安心を与える優れた性能です。 また、ライフタイムワランティーという長期製品保証が受けられることも魅力のひとつです。
7色展開でさまざまなニーズに対応可能で、2層構造による異なる色調の変化が屋根に立体感をもたらします。

オークリッジスーパーの価格は非公開です。 詳しく知るには業者への問い合わせが必要でしょう。 オークリッジスーパーは優れた性能と長期保証で安心を得たい人におすすめの商品です。

5.まとめ:アスファルトシングルは安価だが耐久性が低い素材


アスファルトシングル材は、他の屋根材に比べて日本での普及は少ないですが、今後注目の屋根材です。 価格が安く、他の屋根材にはない特徴を持っていることがアスファルトシングル材の大きなメリットです。

一方で、劣化しやすく、住宅環境によっては向かない場合もあるでしょう。 自宅に適した商品かどうかを踏まえて選ぶことが大切です。 おすすめ商品も参考にして、自宅に合ったアスファルトシングル材を選びましょう。



著者(岡崎 康裕)プロフィール

塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験







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