- 掲載:2025年05月09日 更新:2025年05月09日
ひび割れしない、目地不要のシームレスが美しい人工大理石模様の床材 株式会社吉村靖孝建築設計事務 ✕ 株式会社パーフェクト・ウォッシュ


- 建築家・早稲田大学教授
吉村 靖孝 -
1972年愛知県豊田市⽣まれ。
1995年早稲田大学理工学部建築学科を卒業、1997年同大学院修士課程修了。
1999-2001年文化庁派遣芸術家在外研修員としてオランダのMVRDVに在籍。
2005年吉村靖孝建築設計事務所を設立。
2013-18年明治大学特任教授。
現在、早稲田大学教授。
- 東京都新宿区大久保3-4-1-58-303 (吉村研究室内)
TEL:03-6434-0386 - https://www.yasutakayoshimura.com/
株式会社ナノメートルアーキテクチャー 一級建築士事務所
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建築家
野中あつみ愛知県出身。名古屋大学大学院遺伝子工学修了後、専門学校UDA卒業。
吉村靖孝建築設計事務所での勤務を経て、2016年ナノメートルアーキテクチャー設立。
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建築家
三谷裕樹大阪府出身。三重大学大学院修了。同大学施設部整備チーム、SUPPOSE DESIGN OFFICEでの勤務を経て現職。
- 2022 日本国際博覧会休憩所等設計業務プロポーザル優秀者選出
- 2024 第5回日本建築設計学会賞受賞
- 愛知県名古屋市中区栄4-17-27エンパイアビル402
- https://nm-9.com/

- 株式会社パーフェクト・ウォッシュ
- 工事部
兼高 樹⽣ -
神奈川県横浜市神奈川区橋本町2-1-23
TEL:045-461-5677(代表) - https://www.perfectwash.co.jp/
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2023年に中途入社。元々の建築経験を活かし様々な現場での職長経験を重ね、現在では多くのテラゾー事業を担当する。
横浜を拠点に全国各地の現場を管理し事業発展を担っている。
株式会社吉村靖孝建築設計事務所
今回の施工現場となった名古屋市の店舗について概要を教えてください。
今回の施工対象は、魚のみりん粕漬で有名な鈴波という名古屋の老舗店で、店舗は物販と膳所で構成されており、いつも行列の絶えない人気店です。
鈴波は、名古屋市の繁華街である栄駅の地下街にあり、今回は店舗の面積拡張のためのリニューアル工事を行いました。中日ビルという大型商業施設が近くに建替えオープンしたことに加え、隣接区画が空いたことで、新たな客層の人通りが増えることを期待しての面積拡張リニューアル工事をすることとなりました。
リニューアルにより座席数が18席から40席に。6ミリの鉄板が縦横に店内を駆け巡るこだわりの空間となっている。地下鉄「栄駅」直結。
パーフェクト・ウォッシュ様の「PCP-YYF工法シームレステラゾー」を店舗内の床やテーブルに採用することになった決め手や重視したポイントなどについて教えてください。
店舗の区画形状は間口が広く、奥行きが狭いのが特徴で、地下1街通路と店舗の区画壁を普通に作ってしまうと、それだけで有効内法が100ミリぐらいは小さくなってしまいます。そこで6ミリの鉄板で壁を作ることにしました。そうすると鉄板は搬⼊や加工の関係から目地が出てくるため、なるべく壁以外の部分には目地をなくして広さや上品さを演出したいと考えました。
名古屋の老舗であることから、カジュアルになりすぎない素材でシームレスなものを探す中で本製品に辿り着きました。本製品は、海外において空港など、大面積、かつ耐久性が求められる場所での実績があることへの安心感があり、また日本ではまだ導⼊実績がないということで、「名古屋といえば鈴波」をより強くアピールする今までとは違う新店舗を目指す計画に、お互いに「挑戦」という意味でマッチするのではないかと感じました。
テーブルは木などの素材も検討していましたが、より特徴的な壁の空間を印象的に見せる意味でも、なるべく素材数を減らしたいと思い、床材と同じ素材にすることとしました。
「PCP-YYF工法シームレステラゾー」の施工に際して特別に工夫された点などはありましたか。
シームレステラゾーは骨材の色やサイズのバランスを自由に設定できるのが特徴でした。今回は鉄板壁の色を真鍮色としていたため、それに合わせるような色味にしたく、実際に会社に伺いました。数多くの骨材やサンプルを見せていただいて組み合わせを相談し、色味が合うように調整を行いました。
また、施工時には現場に立ち会い、骨材の撒き方を調整・相談しながら施工していただきました。
パーフェクト・ウォッシュ様とのプロジェクトは如何でしたか?
フットワークが軽く現地にもお越しいただき打合せを密に行ったり、サンプル作成も快く引き受けていただけました。特に、決して余裕のある工事スケジュールではなかったため、工程の調整やスケジュール短縮案などのご検討・ご提案をいただき、お力添えをいただきました。
仕上がりもとても美しく、お施主様も設計者も大変満足いく空間となりました
株式会社パーフェクト・ウォッシュ
今回、鈴波に採用された「PCP-YYF工法シームレステラゾー」について教えてください。
当工法は、お好みの骨材や下地の色味をご選定いただき、1つしかないデザインの人造大理石という名のテラゾーを現場で左官から仕上げる工法です。このテラゾーはラテン語でTerrazzoと言い、ヨーロッパの歴史的建造物の多くに使用されている工法です。
特徴としては、大理石の骨材に加え、ガラス、木材、貝殻、など様々な物を⼊れ込むことができます。過去の事例として、地産地消の観点からその地で廃棄されてしまう貝殻をこのテラゾーに⼊れ込みました。
左:【左官】テラゾーに入れ込んだ大理石の骨材、ガラス、木材、貝殻、などを左官職⼈により塗りつけます。
右:【粗研ぎ】研磨作業の粗研ぎで製品の表⾯の大きい凹凸を取り除きます。
「PCP-YYF工法シームレステラゾー」の提案や施工時に、どのようなサポートやアドバイスを行いましたか?
弊社へのお問い合わせ時にテラゾータイルの様に目地が発生してしまわないような仕上げにしたいというご希望をお聞きしておりました。そこで私たちのPCP-YYF工法シームレステラゾーをご提案させていただきました。この工法には様々な種類の材料があり、使用用途や施工箇所によって使い分けることができます。そこで今回のプロジェクト予算に沿った材料をご提案させていただき、このプロジェクトを完遂することができました。また、この工法の強みでもある「デザインは自由自在」といった観点から左官後にガラスを巻くことをご提案させていただき、再生ガラスも追加のテクスチャとして増やすこととなりました。
吉村靖孝建築設計事務所様とのプロジェクトについての感想をお聞かせください。
初めての出会いはナノメートルアーキテクチャー様から弊社のホームページへお問い合わせをいただいたのがきっかけでした。現場のテラゾー仕上げをご希望されており、急ぎの案件であったため⾄急名古屋へお打合せの為お伺いさせていただきました。そこで吉村靖孝建築設計事務所の吉村靖孝様とご一緒にお仕事をさせていただく運びとなりました。
作業を始めるにあたり、懸念点がいくつかありましたが設計者様が親身にご相談に乗ってくださり早急にご対応いただきスムーズにプロジェクトを進めることができました。
このテラゾー工法の楽しさは何と言っても設計者様のイメージを形にして実現することです。
それは難しい事ではありますが、それよりも楽しさややりがいが大きく社員全員が更に成長できる素晴らしい機会を設けていただいた事に感謝しております。
貴社の今後の目標や将来の展望などをお聞かせください。
私たちは、お施主様や設計者様のご要望に最大限お答えするフルオーダーメイドのテラゾー事業を行っております。
テラゾー事業以外にも創業当時から続く石材やコンクリートの特殊洗浄や美観維持を行う事業の他にコンクリート面に意匠を仕上げる意匠事業も行っております。
全ての事業の目的は最⾼の技術をお客様へ提供することです。
『私たちの商品は技術です。』この目標を掲げ今後も物づくりへ貢献します。