「常緑キリンソウ袋方式」はなぜ失敗しにくいのか

過酷な環境下でも、将来的な緑化成立を前提とした構造設計

常緑キリンソウ袋方式は、初期の見た目や短期的な生育状態ではなく、日本の屋上という過酷な環境条件のもとで、数年後も緑化が成立しやすい構造を前提として設計されています。
施工・環境・管理・経年変化を含めた構造的成立性の観点から、常緑キリンソウ袋方式が「なぜ失敗しにくいのか」をご紹介いたします。

< 袋方式の柔軟性と現場適応性 >
常緑キリンソウ袋方式は、袋体が「非剛体(柔軟体)」であることを前提に設計された緑化システムのため、現場で生じやすい障害物・段差・曲線・曲面などに対して、施工時に“形を合わせる”対応が可能です。

袋方式は折り曲げや角度調整によって現場形状に柔軟に対応でき、角部なども納まりよく施工できます。さらに、変形しても土壌が袋内に保持されるため、施工時・施工後の土の流出リスクを抑えることができます。

段差や曲線、凹凸など不整形な条件にも追従しやすく、階段状の部分や障害物周りにも対応可能です。

トレー式は形状が固定されており現場での加工が難しく、調整には別部材が必要になりがちです。一方、袋方式は土壌を袋内に保持できるため、現場調整がしやすく柔軟な納まりが可能です。


< 屋上緑化システム(在来工法)と常緑キリンソウ袋方式の比較 >

① 雑草侵入の比較
在来工法は、表面に土が出ていますので雑草が侵入します。常緑キリンソウ袋方式は防草シートの袋で出来ていますので雑草が侵入しません。在来工法で、丈夫な常緑キリンソウを使用しても雑草の侵入は防ぐことはできません。



②土壌流出の比較
常緑キリンソウ袋方式は袋の中に土が入っています。豪雨・強風による土壌の流出から守られています。雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体(常緑キリンソウ+袋)で立派に育ちます。



③ 風洞実験比較(風への抵抗性)
風洞実験では、トレー式は硬く板状のため風の影響で浮きやすく、一気に飛散しやすい結果となりました。一方、袋方式は柔軟に変形し風を逃がすため浮力が発生しにくく、飛びにくい構造です。施工中も含め、袋方式が材料の飛散防止の役目をはたしています。


< 屋上緑化カバー工法とは >
屋上緑化カバー工法とは、失敗した屋上緑化(既存)の上に新しい屋上緑化システム(常緑キリンソウ袋方式)を被せる工事の方法で屋上緑化を簡単に補修することが出来る工法です。
異常気象の影響で、施工後2〜3年で屋上緑化が失敗し、雑草や土壌飛散などの問題が増えています。従来は荷重や固定の制約からカバー工法が難しい中、常緑キリンソウ袋方式は「土壌流出防止」「雑草対策」「置くだけ施工」を実現しました。

屋上緑化カバー工法(既存緑化の改修方法・改修事例)


<  施工工程(常緑キリンソウ袋方式) >
① 縁石ブロック、防根シート、植込み済み袋などを屋上へ搬入
② 重ねしろを確保しながら、防根シートを全面に敷設 
③ 排水用の目地を確保しつつ、縁石ブロックを設置 
④ 専用土壌を充填した袋に、常緑キリンソウを植え込み 
⑤ 植込み済みの袋(500×500)を所定の位置に敷設
⑥ 施工後の片付け、清掃
⑦ 工事完了

< 簡単緑化という言葉の位置づけ> 
常緑キリンソウ袋方式は、袋単位で扱えるシンプルな構成により、専門機械や高度な技能に依存せず施工できる点が特徴です。このため、子どもや一般の方でも参加可能な緑化体験や、社員参加型の屋上緑化など、環境教育や参加型の取り組みにも活用されています。


一方で、建築工事としての屋上緑化においては、置き敷きを基本とすることで施工手順の複雑化や属人化を抑え、適切な工事品質を確保しやすい仕組みとなっています。
さらに、この「簡単さ」は初期施工にとどまらず、防水改修時の撤去・再設置においても特定の技能や工具への依存を低減し、ライフサイクル全体を通じて計画的かつ持続的に運用しやすい点にあります。

>>「常緑キリンソウ袋方式|屋上緑化システムの考え方」 詳細を読む

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出典:株式会社緑化計画研究所

建材ナビ・スタッフからのコメント常緑キリンソウ袋方式は、柔軟な構造により複雑な施工条件にも対応しやすく、日本の屋上という厳しい環境において数年後の緑化成立を見据えて設計されている点が特長です。短期的な見た目だけにとどまらない、持続性を重視する緑化手法としておすすめです!
 
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