河川堤防用透気防水シート 「ブリーザブルシート」

外装
国土交通省の公募で評価結果Bに認定、さらに越流対策工として初の採用実績。
河川堤防の耐浸透機能強化・越流浸食対策として。雨水や河川水の浸入を防ぎ、空気の透過性に優れた防水シート。
国土交通省による「粘り強い河川堤防に関する技術」の公募によって、越水に対する性能等が一定程度確認された評価結果Bの4技術のひとつとして認定され、秋田河川国道事務所管轄の子吉川水系石沢川の復旧工事にて、越流対策工としてブリーザブルシートが採用・設置されました。

雨水や河川水の浸入を防ぎ、空気の透過性に優れた防水シートで、河川堤防法面に敷設すると、雨水の浸透や河川水位上昇による浸透を抑制し(防水効果)、また堤防内の間隙空気圧の上昇を抑え(透気効果)、さらには越水時の侵食を防ぐ保護効果があり、より粘り強い堤防構造となります。
 
新技術情報システム「NETIS登録」:透気防水シート「ブリーザブルシート」
登録番号CB-160004-A


■近年の気候変動と、河川堤防の安全性の確保

河川堤防は、河川管理施設等構造令にて「堤防は、盛土により築造するものとする」と「土堤原則」が規定されています。しかし土堤は、洪水時に長時間の水圧が作用するなど堤体への浸透による強度低下や流水による洗掘、越流による侵食などに弱い面も有しています。

近年では著しい気候変動により、計画高水位を超える洪水や超過洪水がかつてない頻度で発生し、河川堤防を越水する危険性は年々増大しており、河川堤防の安全性を確保するために、新しい対策が求められるようになりました。

■【堤防決壊の原因】侵食による裏法面の崩壊

直轄河川における堤防決壊の原因について昭和22(1947)年~44(1969)年までの事例分析を見ると、その80%以上が越水によるものであり、また、1945年以降の直轄及び県管理河川堤防の破堤事例(全678事例)の調査結果では、越水が原因となるものが50%を占めています。

さらに、「令和元年台風19号の被災を踏まえた河川堤防に関する技術検討会」でも台風19号による堤防決壊原因について同様の報告がされており、近年の甚大な被害をもたらしている堤防の決壊は侵食による裏法面の崩壊が原因となっています。

■裏法面保護における従来のシート材の課題

河川堤防の法面保護における工法としては、これまで 『遮水シート』や『吸い出し防止シート』を用いるものが一般的でしたが、

・遮水シートは堤体内への浸水を防ぐことはできるが、堤体内のエアーブロー対策が十分ではない

・吸い出し防止シートは堤体の土砂の流出を防ぐが、遮水性がないため雨や越流水の浸透は防止できない

といった課題があり、対策には、従来の遮水シートや吸い出し防止シートに代わるシートが必要です。

■ブリーザブルシートが越水に対して「粘り強い河川堤防」に関する技術公募において「分類B」を取得

令和元年東日本台風を踏まえ、国土交通省が関係業界団体・民間企業等と連携し、越水した場合でも決壊しにくく、堤防が決壊するまでの時間を少しでも長くするなどの減災効果を有する「粘り強い河川堤防」の技術開発に取り組んでいます。

令和5年に技術公募を開始し、提案技術に対し第三者機関が評価を行い、ブリーザブルシートが「分類B」に認定されました。※「分類A」は1工法もないため、「分類B」は現状評価で最高評価となります。

この「分類B」の認定もあり、秋田河川国道事務所管轄の子吉川水系石沢川の復旧工事にて、経済的で早期復旧が可能なブリーザブルシートによる越流対策工が実施されました。(越流対策工としてブリーザブルシートが全国で初めて採用・設置されました。)

■製品概要

ブリーザブルシートは雨水や河川水の侵入を防ぎ、空気の透過性に優れた防水シートです。

・防水性と透気性をもつ透気防水性シートとその両面を保護する保護マットで構成された三層一体型のシート

・従来の遮水シートに比べて軽量

・接合部にも防水性あり(熱融着や接着剤による接合)

■ブリーザブルシートの効果

河川堤防法面に敷設すると、雨水の浸透や河川水位上昇による浸透を抑制し(防水効果)、また堤防内の間伱空気圧の上昇を抑え(透気効果)、さらには越水時の侵食を防ぐ保護効果があり、より粘り強い堤防構造となります。
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製品画像・施工事例

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