捨てられるはずだった瓦が気候危機に貢献!

産業廃棄物の瓦をリサイクルした舗装材「K-グランド」

誰もやらない技術を開発しないと、企業の永続性がない


 
K-グランド誕生のきっかけは、1997年に起きた「ナホトカ号重油流出事故」です。この事故により重油にまみれた海砂が大量に発生し、社会問題となりました。
「厄介者である海砂をプラスに活用できないか?」
そう考えた同社は、試行錯誤の末、重油まみれの海砂をリサイクルするコンクリート工法を開発。それが、のちのK-グランドの前身です。この開発により、株式会社エコシステムの方向性が定まったと言っても過言ではありません。
その後、「建築残材として残された廃棄瓦の処理に困っている」という情報を聞きつけます。
硬くかさばる瓦は細かく砕くことが困難で、最終処分場を逼迫させる厄介者。一方で、多孔質なため透水・保水性が高く、使い方によっては優れたマテリアルといえます。同社はそんな瓦の特徴を活用し、98年に舗装材であるK-グランドを開発・発売。廃瓦をリサイクルし資源循環させることで、最終処分場の延命化に貢献しています。

開発こそ順調に進んだK-グランドですが、販売に関しては、なかなか周囲からの理解を得られませんでした。なぜなら、当時の道路はコンクリートかアスファルトが主流。瓦リサイクル舗装材の話をすると、建設省や関係者から「道路はゴミ箱じゃないんだ」と言われることもありました。
しかし、K-グランド開発者の信念は「誰もやらない技術を開発しないと、企業の永続性がない」。
同社はめげることなく県や自治体などへ出向いては、「この地域で廃棄された瓦はこの地域でリサイクルすべきだし、K-グランドならそれができます」と、資源循環への貢献性を説明しました。
そうして一件ずつ着実に実績を積み重ね、周囲からの信頼を得ていったのです。
 

K-グランドとSDGsの親和性が高い理由


 
SDGsには17項目の目標がありますが、K-グランドはそのうちの3項目に貢献しています。
まずは、「SDGs11(住み続けられるまちづくりを)」「SDGs12(つくる責任 つかう責任)」。
本来、廃棄された瓦はリサイクル困難物のため、その多くが埋め立て処分をされてきました。残念なことに、まれに不法投棄されてしまうこともあります。K-グランドはそんな瓦を捨てずに舗装材として甦らせることで、SDGsの上記2項目に貢献しています。

次に、「SDGs13(気候変動に具体的な対策を)」。
K-グランドの素材となる瓦は多孔質で、断熱・透水・保水効果に優れているのが特徴です。そのためK-グランドを舗装に使用すると、雨水を路面で循環・保水させ、温度上昇を抑制する効果があるのです。
これらは、熱帯夜や都市型洪水被害の軽減に繋がります。まさに「気候変動への具体的な対策」と言えるでしょう。

捨てられるはずだった瓦が、街を守ってくれる


厄介者扱いされていた廃材の瓦が、舗装材に生まれ変わったことで、ヒートアイランド現象や都市型洪水の抑制に一役買っています。
それはまさに、理想的なSDGsへの貢献と言えるのではないでしょうか。90年代から熱意を持って環境問題に取り組んできたエコシステムだからこそ、実現できたことです。

【ラインナップ】

K-グランドC 瓦骨材利用透水・保水性舗装



 
瓦の粒同士がスカスカしているポーラスコンクリート。透水性が高く、自然に優しい地下浸透型舗装であり、瓦本来の保水力も抜群。
すべりにくく歩行感が良好なため、交通弱者であるお年寄りや子供、障がいをお持ちの方にも「優しい道」となる。
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K-グランド(CO)瓦コンクリート


 
瓦の粒同士の間を瓦砂で埋めた瓦コンクリートであり、「K-グランド」シリーズ最上級の保水力を持つ。
歩道、遊歩道、公園の園路に最適。Cよりも強度が高いため、車の出入りがある駐車場などにも使える。
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K-グランドR 瓦骨材利用透水性樹脂舗装


 
瓦の粒同士を特殊な樹脂で固めた透水性舗装材。アスファルトやコンクリートの上に1cmくらいの厚さで敷くだけで景観性を格段に高められる。
また透水性によって水溜まりができない、音の吸音性・分散性に優れるなどの機能性舗装が可能となる。
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K-グランドコート 瓦骨材利用断熱性すべり止め薄層舗装


瓦砂と特殊塗料をスプレーガンなどで吹き付けていく工法。カラーバリエーションが豊富で、吹き付けたところがザラザラする。
路側帯の歩道エリアや障がい者用駐車スペースなど、「色付けして視認性を高め、すべりにくくしたい」場所に重宝される。
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出典:株式会社エコシステム
 
建材ナビ・スタッフのコメント
昨今の環境問題で見直されている「リサイクル」への動き。最近は再生素材をリユースした製品も多く見受けられ、人々の関心もより強まっています。今回ご紹介いたしました、「K-グランド」には廃棄される瓦を使用し、舗装材に生まれかえる事に成功いたしました。硬くてかさばるリサイクル困難物だった「瓦」をセメントや樹脂、コンクリートなどと合わせる事で断熱・透水・保水効果に優れた舗装材になり、更には「瓦」特有の多孔質・釉薬仕上げの特徴なども舗装材としての付加価値を高める要素となっております。場所や用途に合わせて4つのラインナップから選べるところも特長です。気になった方は、お気軽にお問い合わせください。
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