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掲載:2023年10月26日 更新:2023年10月26日

災害に備えて採用を検討したい住宅設備とは?

近年日本では大きな被害をもたらす自然災害が相次いでいます。地震や台風、大雨などによって住宅が損壊する可能性は全国どこの地域に住んでいても起こりうる状況です。
しかし災害に備えた対策をした住宅なら、災害発生後も避難所などを利用せず在宅避難できる可能性が高まりますね。

この記事では、自然災害に備えて採用を検討したい住宅設備を災害別に紹介します。住宅の自然災害対策を考えている方は参考にしてみてください。

1.地震対策に効果的な住宅設備

地震対策に効果的な住宅設備

大きな地震が発生した場合、もっとも必要なのは電気やガス・水道といったライフラインを確保することです。 食品や日用品の備蓄をしていても、停電や断水が起きると日常生活を続けるのが難しくなる確率が高いので、復旧まで少しでも長く対応できるような備えが必要です。
また、自然災害が起きると窓ガラスが破損し防犯性が低下するため、安全面を確保できる備えも必要でしょう。
室内については、家具の転倒による被害を抑える対策を考えておくことが大切です。

太陽光発電システム

ライフラインの中では復旧が早いと言われる電気ですが、地震の規模によっては一週間以上の停電の中生活しなければならない可能性があります。
万が一地震による停電が起きた場合は非常用電源として使用できる最大のメリットに加えて、日常では生活電力を補えるのが魅力です。導入価格が高額なので国や自治体の費用助成制度を上手に活用するのがおすすめです。

蓄電池

電気を蓄えておくことができる蓄電池は、停電時に役立つ住宅設備です。電化製品の使用や携帯電話の充電などができるため、食事や災害情報の収集がしやすくなります。
太陽光発電システムよりは価格が安いので比較的導入しやすいでしょう。

感震ブレーカー

大きな地震が来た後は、漏電などによって火災が発生する確率が高まります。
地震の被害は免れても、火災によって住宅を失うことは避けたいですよね。一定の震度以上の揺れを感知すると自動的に通電をストップする感震タイプのブレーカーは、避難時にブレーカーを落とす手間がかからず、停電復旧時に破損したコードへの通電による感電事故や火災を防止する効果があります。

防災ライト

夜間や早朝に地震が発生した時、暗い中で物が散乱した室内を手探りで移動すると怪我をする危険性が高いです。停電になっても一定時間光るタイプや、ケースから外して懐中電灯の代わりに持ち運びできるタイプだと便利です。

合わせガラス

地震の揺れや近所の建物の倒壊などで窓ガラスが割れることを想定して、割れにくい合わせガラスを採用しておくと安心です。災害後は混乱が起きて治安が悪化し、空き巣などの被害が出やすいと言われているので、防犯目的としても有効と言えます。

家具固定金物

地震が起きた時に在宅している人の安全を守るためには、大型家具の転倒防止対策が必須です。天井と家具の間を支えるタイプや壁面に固定するタイプなどいくつかのタイプがあるので、天井や壁の補強下地材の有無とあわせて使いやすいタイプを選びましょう。

耐震シェルター

地震が起きた時に心配なのは、家の倒壊や破損によって生命が危険にさらされることです。かといって戸外に避難すると、近隣の建物の倒壊や道路の散乱物によって怪我をする危険性が高まります。

避難できるスペースを確保できる住宅用シェルターは、地震から身を守ることができる住宅設備としておすすめです。耐震性だけでなく耐火性にすぐれたタイプなら、地震後に発生しやすい火災にも対応できます。

2.台風対策に効果的な住宅設備

台風対策に効果的な住宅設備

台風は地震とは違って事前にある程度対策が取れるとはいえ、直撃した場合は深刻な被害を受けることが少なくありません。地震と同じようにライフラインを確保することはもちろん、強風や大雨から住宅を守るための対策が必要です。
飛散物による被害が出やすいことを念頭に置いて住宅設備を選択することが大切です。

窓シャッター

台風が直撃した時だけでなく、進路に近い時もいろいろな物が飛散してくる可能性があります。
窓の破損を防ぐことは家族の安全にもつながるので、いざという時にとても安心です。強風に耐えられる台風タイプを選ぶのがおすすめです。

飛散防止用窓フィルム

万が一窓ガラスが割れた場合、ガラスが広範囲に飛散することを防ぐためにフィルムを貼っておくことは有効です。室内側に貼るので劣化しにくく、紫外線をカットする機能も同時に得られるため、日常では家具や床などの日焼け防止にもなります。

耐風ガレージドア

大切な車が台風による飛散物や強風で破損するのは避けたいもの。
耐風性能が高いガレージドアを選ぶことで、車を守ると同時にガレージドアの破損を防ぎます。防犯性が高いタイプだと日常の安心も得られて一石二鳥ですね。

3.大雨対策に効果的な住宅設備

大雨対策に効果的な住宅設備

地球温暖化の影響で日本の天候は大きな変化を迎えています。
これまで一年間で降っていた雨量が数日で集中的に降るパターンが増えてきており、大雨による浸水被害も多くなっています。台風とあわせて激しい雨が降る場合もあり、雨による被害の防止や抑制ができる住宅設備を取り入れる意識が必要です

高水密性ドア

大雨が降ると玄関開口部から浸水する可能性が高まります。高い水密性能を持つ玄関ドアを選んでおくと、室内への水の侵入を防ぎやすくなるでしょう。水と一緒に流入してくる土砂の侵入も防止できます。

水害対策商品

ゲリラ豪雨や長雨によって雨量が増えると、低い土地に立っている住宅は浸水の危険性が高まります。いざという時に土嚢の代わりになる水害対策設備を準備しておくと、大切な住宅や車を水害から守れます。固定ではなく必要な時だけセットするタイプなら、価格もリーズナブルで取り扱いやすいでしょう。

まとめ

まとめ

自然災害が多い日本では、住宅の防災対策が不可欠です。新築や建て替え、リフォームを行う時には今後数十年住み続けることを踏まえて、安心で安全に生活できる機能を搭載した住宅設備について考えるのがおすすめです。

今回の記事を参考に、予算とのバランスを見ながら災害対策の効果が期待できる住宅設備の採用をぜひ検討してみてください。





著者(河野 由美子)プロフィール

住宅やオフィス・店舗などの設計およびインテリアコーディネート、新築分譲マンションの設計変更などを担当。
建築関連企業の社員研修外部講師、インテリアコーディーネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

▼略歴
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計企画会社で10年勤務したのち独立。
主に住宅を中心としたリフォームやリノベーションを担当。
新築分譲マンションの設計変更やインテリアコーディネート業務にも携わる。

▼保有資格
二級建築士、インテリアコーディネーター、防災備蓄収納1級プランナー。







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