日吉聰一郎 / 建築家 設計士インタビュー(開放感にあふれた快適な空間創り)|建材ナビ

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風土に適した素材にこだわる

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 世界的な金融危機が報じられる昨今、私たちの暮らしを取巻く環境も決して明るいNEWSばかりとはいえません。しかし、こんなときこそ「心」のゆとりを持ちたいものです。仕事や対人関係で疲れた精神は疲弊の連鎖をもたらします。ほんの少し、脳のスイッチを切り替えるだけで肩の力が抜け、「心」にゆとりが広がって行くのを感じられることが多々あります。
 建築の世界における「快適な住まい創り」というテーマも、人がそこに住まうことで、いかに肩の力が心地よく抜け、「心」のゆとりを感じられる空間と成り得るかという点に凝縮されているように思えます。
 今回のSPACE DESIGNでは、限られた条件の中で住宅の基本である機能性や利便性の充実は当然のことながら、それ以上に「住まう人の感性に響く快適空間づくり」をキーワードに、地球環境との調和を考慮、自然エネルギーなどを採り入れた住まい創りに情熱を燃やす建築家、日吉聰一郎氏にお話を伺ってまいりました。

◆プロフィール

SO建築設計一級建築士事務所 代表 日吉 聰一郎


東京都生まれ
東京理科大学大学院工学研究科建築学修了後、坂倉建築研究所,坂茂建築設計に勤務し、大小様々な建築の設計・監理経験を積んだ後、2003年 SO建築設計
開設、現在に至る。
敷地環境の可能性を最大限に生かし、環境と調和した開放感にあふれた快適な空間を創造することをモットーとし設計に携わる。

 
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◆日吉先生が得意とされている設計・デザイン分野などはございますか?
■個人住宅を中心に集合住宅や店舗・商業施設の設計等、建築の種類に拘らず、幅広く設計を行っています。
◆設計士として一般ユーザーさんに対し、良い家を建てる為のアドバイスがあればお教え下さい。
  ■具体的な部屋の数、広さ等のご要望以外に、新しいお住まいを建てられるに当たって、どういう家にしたいか、漠然としたイメージでも結構ですから、お伝え頂けると有り難いですね。 実際にはご予算や敷地条件等で様々な制約が出てきますが、限られた条件の中で、最大限 の可能性を引出し、お施主さんの夢を叶えるのが建築家の役割と考えておりますので、多少無理かなと思われることでも、遠慮せずご希望をどんどんおっしゃって頂いた方が結果としてよい家が出来上がると思います。
◆店舗オーナーさんに対して、良いお店創りをする為に設計士として何かアドバイスがあれば教えて下さい。
■店舗設計の場合、収益の確保が優先となり、限られた敷地の中でいかに店舗面積を確保するかに、どうしても重点が置かれがちですが、お客様に気軽にお店に入ってもらうため、どのような人の流れが一番スムーズか、周辺の街における店舗のあり方といった大きな視点で、店舗構成を考えるようにしています。 具体的には、アプローチの取り方や、建物周囲の外構等、店舗内部以外のお客様の感性に直接働きかけるアメニティの要素を大事にした方が結果的に良いお店が創れると思います。  

◆設計士・デザイナーとして建築に携わられて、仕事にやりがいや喜びを感じられるのは、どんな部分でしょうか。
■一つの建築物を完成させるためには、現実的にはご予算や、法規の対応等クリアすべき課題が様々あり大変ですが、お客様から「こちらは要望を伝えただけなのに、それを全て満たしてなおかつ想像以上に素晴らしい建物が出来上がり、ありがとうございました」と毎回感謝のお言葉を頂くと、それまでの苦労が吹き飛び、またお客様にご満足して頂くために頑張ろうと思い、やりがいや喜びを感じるところです。
◆これからの住宅・建物(又はこれからの店舗・商業施設はこんな風になるだろうという予測、あるいはこんな風になるべきであるというお考えがありましたら教えて下さい。
  ■表面的な目に見える形の良し悪しだけでなく、光の入り方や風の流れ等、人が快適に感じられる空間をいかに創り上げていくかがますます重要になっていくと思います。 そのためには太陽光発電や風力発電、雨水利用といった自然の力を有効に活用していくことが大事なのですが、どうしても限られたご予算の中では表面的な仕上が優先となり、設備は後回しになりがちですので、これから地球温暖化防止のためにも、積極的に自然エネルギーの活用が行われるような新しい仕組みが必要ではないかと感じています。
◆取材後記
日吉先生は、一般住宅のほか店舗など商業施設なども手掛けられています。ファストフード系は別として、私たちが飲食店などに求めるものは効率一辺倒の味気ない店内ではなく、ちょっとした非日常性を感じさせてくれるアイデアや小さなサプライズだと思います。住宅においてもそうですが、やはり感性に響くものが「心」を癒してくれるものなのですね。
日吉先生をはじめとする建築家の方々の図面だけではない、豊かな感性が私たちの住環境を、これからも益々充実させてくれることを願います。

取材・文 建材ナビディレクター 中島