河村和義・河村利枝子 / 建築家 設計士インタビュー(「愛着を持てる住まい」づくりに挑む)| 建材ナビ

アトリエK(ケイ)一級建築士事務所
http://www.atelierk-jp.com
代表取締役
河村 和義
専務取締役
河村 利枝子
 今年も桜の季節が巡ってまいりましたが、日本の経済における満開の見込みはいつごろになるのでしょうか。
 そんな中、政府はCO2削減目標達成に向け、企業が排出する温室効果ガスを市場で売買する「国内排出量取引制度」(C&T)の本格導入に向けた検討に入りました。C&T導入で懸念されるのは日本の有力な製造業が拠点を途上国へ移してしまうことで国内経済の空洞化が起こるのではということです。
 建築業界においても製造メーカーの皆様には、可能な限り国内で試行錯誤を重ね、この不況を何とか乗り切っていただきたいと願わずにはいられません。

 さて、今回のシーズンインタビューでは、設計家の立場から地産地消の精神でこだわりの「北の住まい」の数々を提案する「アトリエK」のお二人にお話を伺ってまいりました。

◆プロフィール
河村 和義(写真 右)・・・ 一級建築士 
1950年 札幌生まれ
1974年アトリエK一級建築士事務所設立 代表
社団法人 北海道建築士会 理事
社団法人 北海道建築士会 札幌支部 副支部長

河村 利枝子(写真 左)・・・一級建築士・インテリアプランナー
1952年 札幌生まれ
1974年アトリエK一級建築士事務所設立
北海道インテリアプランナー協会 会長
デザイン・設計の相談をする
◆お二人の作品を拝見し、洗練されたデザイン性の高い建物が多いのですが、その中でも、最も得意とされている設計分野とは。
■ アトリエーKは、商業施設・店舗・住宅・ホテル等の 企画・設計・監理を行う設計事務所です。新築・増改築・マンションリフォーム等幅広く対応いたします。
◆一般ユーザーさんに対して良い家を建てる為に設計士として何かアドバイスがあれば、お教えください。
  ■ 私たちが考える住まいとは、そこに住む人の人生そのものであり、それぞれの住まい方があります。
住まいは決して建築家の主張を押し付けるのではなく、私たちは住まい手の夢を形にするお手伝いをと考えております。 住まいや店舗を建てようとするユーザーさんは一般に、設計事務所は敷居が高いと考えてはいませんか。建築工事はしっかりとした工事監理・コストマネージメントで設計料は吸収できます。工務店に設計施工で任せることなく設計事務所に依頼することをお勧めいたします。

◆店舗ユーザーさんに対して良いお店つくりの為に何かアドバイスがあれば 教えてください。
■ 厳しい経済状況の中 みなさん真剣勝負でお店創りをされています。ただインターネットなどで情報が容易になり、情報過多で振り回されている傾向が見られます。様々なデザインティストがあふれる中デザインコンセプトをしっかり固めてから店創りをされることが求められます。  
◆ 設計士・デザイナーとして建築に携わり仕事にやりがいや歓びを感じられるのは、どんなときでしょう。
■ クライアントに喜んでもらえた時でしょうか、建物は設計者のみでつくるものではなく、オーナーと設計者と施工者と三者の気持ちが一致して良いたたずまいができます。よきオーナーとの出会いにも歓びを感じます。
◆ 設計・デザイン上で今後このようなものを使いたいと思われる素材などはございますか?
■ バブル期には経済重視の消費社会の中で建てては壊し捨てられてゆく物に囲まれておりました、そんな中で、設立当時に設計した店舗が今なお全く古さを感じさせずに当時のままでつかわれているのがあります。自然素材を使うこと・ものと丁寧につき合うこと・そしてものに愛着を持つことを教えられます。
今後も、地産地消で北海道産の木材や珪藻土を取り入れて「北の住まい」を提案し続けていきたいと思います。
 
◆取材後記
 住宅、店舗、オフィスとそれぞれの居住条件・環境は異なるのは当然ながら、そこを利用するのは、やはり「人」であるという大前提を踏まえての設計、施工がなされなければなりません。住みよい、居心地のよい空間づくりのプロフェッショナルとして活躍されているお二人は、バブル期の使い捨て時代も経験された上で、今、ものに丁寧につき合う、愛着を持つ、という「ものづくり」の原点を建築設計に実践されています。住まいもそれこそ、長く使えば使うほど、愛着のもてる、大切に思えるように「成長していく住まい」が理想であり、それをカタチにする頼もしいプロフェッショナルの重要さをあらためて認識させていただきました。

取材・文 建材ナビディレクター 中島