徳渕邦泰 / 建築家 設計士インタビュー(商業施設における空間創りテクニックを探る)| 建材ナビ

◆プロフィール

有限会社スーパーキュービック 代表取締役
熊本工業高校工芸過程(インテリア科)卒業
東京デザイナー学院 インテリアデザイン科卒業
(株)丹青社の外部ブレーンとしてテーマパーク、ホテル、大型商業施設等の企画・デザインに携わる。

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スーパーキュービックのデザインオフィス
◆得意とされている設計・デザイン分野は何でしょう?
■商業施設、店舗(飲食店、美容室、各種物販店、アミューズメント、ショールーム)、オフィス、クリニックなどの建築・インテリア・エクステリア・サイン等の企画、デザイン、設計、CGデザイン、ロゴ、マークデザインなどです。
◆特に店舗設計の場合、お客様からの要望は多種多様と思うのですが、最も多い要望とはどのようなものでしょうか?
■商業施設の設計の場合、業種・業態により異なりますが、先ずは繁盛店、集客力のあるデザイン、飽きのこないデザイン、機能的で使いやすくメンテナンスが簡単で耐久性のある設計、各設備機能の快適性。そして何より工事費が安価で、見栄えするデザインが求められます。
作品

◆店舗オーナーさんへのアドバイスとして、良いお店づくりのポイントを教えて下さい。
■店舗オーナー(施主)と言っても多店舗展開されている経営者から、数店舗を経営されている方、これから初めて出店をされる方と様々ですが、特に初めて出店される施主の方は、自身の理想や夢、表面的な形にとらわれて、あれもこれもと多くのことを求められる傾向にあります。限られた予算内で最大の効果を目指すには、しっかりしたコンセプトでターゲットを明確にし、優先順位をつけた店づくりをしなければなりません。工事予算の有効な配分が必要です。店舗の基本はしっかりと造り、フレキシブルに出来るところは、顧客の動向、時代のニーズに対応し、変化できる店づくりをすることです。これによっていつまでも鮮度の高さを維持することが出来ます。

◆例えばオーナーさんからの難しい注文などがあった場合、どのように対応をされていますか?
■設計デザインには、必ず条件はつきものです。可能な限り対応しなければなりません。しかし難しい注文と無理な注文とは分けて取り組まなければいけません。難しい注文はデザイナーにとっては自分の真価を発揮するチャンスなのです。提案したものが完成して施主や顧客に喜ばれると、やりがいを感じます。ただ、無理な注文は工事工法、構造、工期、予算、法規など内容は様々ですが、解決策がない場合は納得のいくまで説明し、代案を提案します。安易に受け結果が出なかったり、後で問題が生じた場合トラブルの原因になる場合があります。これは施主にとってもマイナスです。
作品
◆これからの商業施設づくりに欠かせない「建材」の条件や開発の方向性などはどのようにあるべきでしょう?
■住空間、商業空間、「人」が介在するあらゆる空間において、人にやさしく、環境にやさしい素材がこれから益々求められる時代になります。有害物質を含まない、天然素材を原料にした質の高い、低価格で防火基準を充たした外装材・内装材の製品を求めます。
◆取材後記
ユーザーからの要望を、どれだけ満たすことができるかは、クリエーターにとっては、ある意味本領発揮の場面と伺い、大いに理解できるような気がいたします。しかしながら、徳渕先生が同時に「難しい注文」と「無理な注文」との違いを明確に線引きし、お客様に理解していただくことが結果的にはお互いのメリットになるとの言葉には、確かに現場での経験から得た重みを感じます。そしてもうひとつ、人が介在する空間において今後最も重要な要素となるのが、やはり「環境への配慮」という大きなテーマだということを、再確認いたしました。

取材・文 建材ナビディレクター 中島