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世界的な金融危機が報じられる昨今、私たちの暮らしを取巻く環境も決して明るいNEWSばかりとはいえません。しかし、こんなときこそ「心」のゆとりを持ちたいものです。仕事や対人関係で疲れた精神は疲弊の連鎖をもたらします。ほんの少し、脳のスイッチを切り替えるだけで肩の力が抜け、「心」にゆとりが広がって行くのを感じられることが多々あります。 建築の世界における「快適な住まい創り」というテーマも、人がそこに住まうことで、いかに肩の力が心地よく抜け、「心」のゆとりを感じられる空間と成り得るかという点に凝縮されているように思えます。 今回のSPACE DESIGNでは、限られた条件の中で住宅の基本である機能性や利便性の充実は当然のことながら、それ以上に「住まう人の感性に響く快適空間づくり」をキーワードに、地球環境との調和を考慮、自然エネルギーなどを採り入れた住まい創りに情熱を燃やす建築家、日吉聰一郎氏にお話を伺ってまいりました。 |
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■具体的な部屋の数、広さ等のご要望以外に、新しいお住まいを建てられるに当たって、どういう家にしたいか、漠然としたイメージでも結構ですから、お伝え頂けると有り難いですね。 実際にはご予算や敷地条件等で様々な制約が出てきますが、限られた条件の中で、最大限 の可能性を引出し、お施主さんの夢を叶えるのが建築家の役割と考えておりますので、多少無理かなと思われることでも、遠慮せずご希望をどんどんおっしゃって頂いた方が結果としてよい家が出来上がると思います。 |
■店舗設計の場合、収益の確保が優先となり、限られた敷地の中でいかに店舗面積を確保するかに、どうしても重点が置かれがちですが、お客様に気軽にお店に入ってもらうため、どのような人の流れが一番スムーズか、周辺の街における店舗のあり方といった大きな視点で、店舗構成を考えるようにしています。 具体的には、アプローチの取り方や、建物周囲の外構等、店舗内部以外のお客様の感性に直接働きかけるアメニティの要素を大事にした方が結果的に良いお店が創れると思います。 | ![]() |
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■表面的な目に見える形の良し悪しだけでなく、光の入り方や風の流れ等、人が快適に感じられる空間をいかに創り上げていくかがますます重要になっていくと思います。 そのためには太陽光発電や風力発電、雨水利用といった自然の力を有効に活用していくことが大事なのですが、どうしても限られたご予算の中では表面的な仕上が優先となり、設備は後回しになりがちですので、これから地球温暖化防止のためにも、積極的に自然エネルギーの活用が行われるような新しい仕組みが必要ではないかと感じています。 |