Special Interview for Architects
2018年 冬号

【THE SPACE DESIGN】では、これからの住宅や商業施設における設計、デザインの動向を知り、そこで使用されるさまざまな建材アイテムの方向性を探るため、設計士、建築デザイナーを中心とするプロフェッショナルの方々に取材してまいります。

自分ひとりではどうすることもできないこともたくさんの人が関わって実現します。
今でも「常に新鮮な気持ちでいること」を大切に仕事に励んでいます。

坂野由典建築設計事務所

坂野 由典(YOSHINORI SAKANO)

〒151-0063
東京都渋谷区富ヶ谷1-14-21 森林ハイツ202

TEL:03-5738-3382

経歴
1969年 名古屋市生まれ
1996年 コロンビア大学大学院修了
1997年 隈研吾建築都市設計事務所入所
2001年 FLATHOUSE設立
2012年 法政大学デザイン工学部建築学科非常勤講師
2018年 坂野由典建築設計事務所に改称

■受賞等
2013年 住宅セレクションVol.4「かしこい家」入賞
2014年 東京建築賞 戸建住宅部門優秀賞

建築に興味を持ったきっかけと最初のお仕事、そして現在進行中のプロジェクトを教えてください。

 高校生のころ、海外の雑誌で磯崎新さんの建築が紹介されていたのを見て興味を持ち始めました。そこから建築を学ぶようになって、バーナードチュミやレムコールハースが影響を受けた、ロシアアバンギャルドの建築に興味を持ちました。

 最初の仕事は、隈研吾さんのもとで、慰霊公園というプロジェクトの担当をしました。そして独立して最初の仕事は、デザイナーさんの住宅設計でした。今でも、「常に新鮮な気持ちでいること」を大切に仕事に励んでいます。
現在は商業施設、住宅、集合住宅等のプロジェクトと、"CLT"を使ったプロジェクトが進んでいます。


設計・デザインをされる上で、お客様からの要望が多いものはなんですか?

 「自然を感じられる建物」の需要が比較的多いかもしれません。そんな中で、店舗付きの住宅の仕事は非常にやりがいがありました。住宅なのにたくさんの人が訪れ、まるで地域の人々に愛されている小さな公民館のようになりました。
今はまだ出来ないですが、いつか公園と建物が一体となったプロジェクトをやってみたいです。


仕事にやりがいや喜びを感じられるのはどんなときでしょうか。

 建物はたくさんの人が関わって実現するものです。自分ひとりのがんばりだけではどうすることも出来ないということが多いですが、デザインした建物を人々が楽しんでいる様子を見ると喜びを感じます。時に難しい注文を受けることもありますが、「検討してみます」と一旦引き受けて、無理かどうかを考えてから理由とともにお伝えするようにしています。
これから家を建てる予定の方は、早い段階で出来るだけ多い情報を建築士さんと共有することをお勧めします。

今一番注目している技術または工法などありましたら教えてください。

 木造の高層化、木材の劣化防止、防火技術、また、ガラス・RC・鉄の断熱技術に注目しています。
 他にも窓や建具のオンデマンド自由サイズ製作技術の実現と低価格化に期待しています。


これからの住宅はこうなるだろうという予測やお考えはありますか?

 これからは、設計段階でバーチャルリアリティが活用されると思います。そのため、「もう少し天井高を下げても大丈夫だね」等、より感覚で判断しながら設計できるようになると思います。そして、技術の発達でさらに複雑な建築が実現していくと思います。また、木材の防火技術やガラスの断熱技術の発達により、素材の短所が克服され、建築のデザインは変わり、都市の風景も更新されていくでしょう。

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