Special Interview for Architects
2014年 秋号
【THE SPACE DESIGN】では、これからの住宅や商業施設における設計、デザインの動向を知り、そこで使用されるさまざまな建材アイテムの方向性を探るため、設計士、建築デザイナーを中心とするプロフェッショナルの方々に取材してまいります。
プロフィール    
一級建築士事務所 三浦尚人建築設計工房    
三浦 尚人(ミウラ ナオト)    
経歴  
1994年 東海大学工学部建築学科(吉田研介研究室)卒業
1994年 桑原建築設計室(所長:桑原廣)に勤務
2001年 一級建築士の免許取得
2001年 一級建築士事務所 三浦尚人建築設計工房を設立
2001年 「いわきのコートハウス」で福島県建築士会主催
第12回<ふくしま住宅コンクール>にて優秀賞を受賞
三浦尚人建築設計工房

三浦尚人建築設計工房

三浦先生のプロフィールをお聞かせ下さい。

生まれてから現在まで自然に恵まれた練馬区で生活しています。
幼いころから図画工作が好きで小学校時代は地元の絵画教室に通い、油絵も描いていました。
その頃から建物を見るのも好きで、母親の故郷の京都で寺社仏閣を訪れているうちに建築に興味を持ち、建築学科へ進みました。そこで、芸術と社会経済と人間との関わりを持った職業である「建築家」になることを決めました。
趣味は国内外を問わず旅行が好きなので、その土地の食べ物を味わったり、職業柄古い建築から最新の建築、そして町並みなどを観て廻ることが多く、行く先々で写真を撮って事務所のホームページやブログに載せたりしています。
また、テニスも長年やっており、休日は近所にある公園のコートで仲間たちといい汗を流して楽しんでいます。

得意な設計分野・デザイン分野を教えてください。

個人住宅の設計監理が大部分を占めています。
住宅というものは場所、家族構成、生活スタイルや趣味などにより異なるため、10組のご家族がいらっしゃれば10通りの住まいが出来る、つまり住宅とはすべて唯一無二であると私は考えています。
敷地と周辺環境の特徴を生かし、光の取り入れ方、風の抜け方、外部空間をどう取り込むかを重視した家づくりを心掛けています。
さらに、住宅は建築物単独で成立するのではなく、その敷地全体で成立するものだと考えています。そのため、私は自分達の敷地全体を有効活用して、積極的に外部空間を取り入れた住宅である「コートハウス(中庭のある家)」の設計を得意としています。

設計・デザイン上でお客様からの要望が最も多いものは?

まず挙げられるのは、「明るくて風通しのいい家にしてほしい。」という要望です。
と同時に最近、「プライバシーが守られ、セキュリティ(防犯性)を重視した住まいにしてほしい。」という要望も増えてきています。
ただし、単にセキュリティ会社のシステムを採用するというのではなく、開口部の位置や大きさなどを含めたプランニング上でそれらの点をクリアするような要望です。
このようなことから相反する要望を兼ね備えたコートハウスをお客様へご提案しています。

一般ユーザーさんに対して良い家を建てる為に設計士として何かアドバイスがあれば教えてください。

今現在、生活をされている住まいを見つめて、満足している点(便利な点)と不満な点(不便な点)を書き出してみることをお勧めします。
また、言葉で表現できないこともあると思いますので、住宅やインテリアの雑誌等で気に入った写真を切り抜いてクリアファイルにまとめておくと、相手に伝えやすいのではないでしょうか。

設計士・デザイナーとして建築に携わられて、仕事にやりがいや喜びを感じられるのは、どんな部分でしょうか?

それはやはり、お客様の微笑んでいる顔を見たときです。はじめてお会いした時、お客様が自分達の望む家について、私どもへ楽しそうに語っている表情、設計過程で図面や模型をお見せした時の驚きと嬉しそうな顔、地鎮祭や上棟式での緊張した面持ち、現場にいらして職人さんたちと楽しく会話をされている時、完成した住まいを見て微笑んでいる姿などを拝見したり、お客様からお礼や感謝の言葉を頂いたり、住まわれてからお宅へお邪魔した際に、お客様から快適に生活されているとの言葉を頂いた時です。

設計士・デザイナーとして建築に携わられて、矛盾を感じたり不満を感じたりした事はありますか?それはどんな場合だったのでしょうか。

常々不満を感じている点は、不動産仲介されている土地についてです。
自由設計と書いてありながら「建築条件付き」の土地だったり、「建築条件なし」の土地であっても余計な<参考プラン>が載っている折込チラシは、お客様にとって選択の幅を狭くさせられるだけでなく、我々のような設計事務所にとっても大変迷惑な話です。
また、設計事務所の設計による注文住宅に対する大手金融機関による住宅ローンを組むことの難しさと大変さから、融資に関して不公平さを感じています。