メーカーインタビュー
瀧口木材株式会社
限りある天然資源としての材木。
長い歴史を重ねてきた材木の街「新木場」はいま、時代の流れに沿うべく
新たな舵取りを模索し、動き始めている。
2013年 9月
インタビュー / 建材ナビ・アートディレクター

木材の街「新木場」を長年支えてきた企業への取材を通して、ものづくりの原点を探るシリーズがスタートした。
本日は、無垢天井板の卸し問屋として昭和22 年創業を開始、現在は関東近県を中心に幅広い木材、建材を取り扱う「瀧口木材株式会社」を牽引するスタッフの皆様に、新木場のこれまでの歩みと、今後の展望について熱気あるご意見を伺うことができた。

 木材の総合卸問屋「瀧口木材株式会社」は、社長を始め、木材のノウハウを知り尽くしたプロフェッショナル集団で構成されています。本日は、皆様の忌憚のないご意見を自由に語っていただくため、座談会形式で取材を進めてまいります。新木場の明日を担う皆様の、本音トークにご期待ください。

話し手の皆様(登場順 /取材記事中敬称略)
  • 吉田 祐二 様   新木場センター所長
  • 市川 正信 様   浜松センター所長
  • 瀧口 善二郎 様  常務取締役
  • 富岡 隆志 様   沼津センター所長
  • 中山 博貴 様   上尾センター所長
  • 河田 伸幸 様   越谷センター所長
  • 瀧口 宇一郎 様  経理部
■ 会社概要
社名: 瀧口木材株式会社
代表取締役社長 瀧口一郎
会社設立: 昭和22 年5月
所在地: 〒136-0082
東京都江東区新木場1-2-17
■ 営業所・拠点
新木場センター 東京都江東区新木場1-2-17
上尾センター 埼玉県上尾市西宮下2-3
越谷センター 埼玉県越谷市大間野町1-130
東京木材市場越谷センター内
沼津センター 静岡県浜松市東区大瀬町1070-1
浜松センター 静岡県沼津市新沢田町15-44

木材のプロフェッショナル集団が語る「木材今昔物語」

瀧口木材株式会社

― 御社は、木材製品・建材製品と幅広く取り扱われている「老舗の木材問屋」さんですが、創業当初は「天井材」を主力としていらしたと伺っております。その当時から現在に至るビジネススタイルの変遷と、そのプロセスにおけるエピソードなどあればぜひ、お聞かせください。

吉田:それはたぶんどこかに資料があったんですけど、お持ちした方が良さそうですかね。私も詳しいことまではよくわからないので、情けないんですけど。
市川:いえいえ、この人生き字引きですから(笑)
吉田:先代の社長が深川の問屋で修行をして、その後独立。最初に木材問屋やって、市場の浜問屋に入って。それと並行して建材も扱うようになった。それが発端ですね。

― 木材専門問屋としてスタートし、その後今のように幅広い建材も扱うようになったのはいつごろからですか?

吉田:設立から4~ 5 年後でしょうか・・。
瀧口(宇):この会社の歴史から話して行きましょう。
その後、時代の流れとともに取り扱う製品がどう変わっていったか、またこれからの展望なども含めてですね。
市川:もともとは、秋田の杉板から始まったのです。いわゆる、「秋田杉」ですけど、杉板を何に使ったのだろう。羽目板やフローリング?
吉田:全てにですよ。秋田が産地で、そちらの製品をこっちに持ってきて販売したのが最初みたいですね。
瀧口(宇):構造材から面層まで全部に、能代の杉を持ってきて使ったのです。今でも杉は使ってはいますが、内装材が多いですね。杉の扱いはありますけど、それは秋田に限定されてるとか、そういうことではないですよね。
吉田:当時を知る人が居ないので、あまり詳しく説明できなくて済みませんね。

― 先ほどのお話に出た、市場の「浜問屋」とはどんなところなのでしょうか?

市川:結局、山があって、市場へ荷物を持ってくるわけですよね。
それを競りで浜問屋が落とすのですが、 これが結構複雑な仕組みになっていて、 落としていいか駄目かとか、元落ちだとか、いろいろあって、もう大変だから浜問屋に任せちゃおうということになるわけです。市場というのは、売り買いではなく、ものを預けてそれを競りで落とし、そのマージンを山にあげると言う方式で成り立って来ました。
吉田:言ってみれば「委託販売」みたいなもので、浜問屋が全国の材木を市場に集め、そこに一般の材木屋が競り落としにやってくるということです。
市川:その競りも、一般の人では解らない単位を使ったり、荷主との話し合いでこれ以下なら売ってはいけないなどの取り決めもあったり、と複雑です。また、競りでは売り手の力も影響していましたね。瀧口の先代も競りが上手くて、ダミ声でね・・・(笑)うちの会社はそれが最初です。
その後、秋田の大高銘木さんとうまくマッチングできて、今の会社になったわけです。

天井工法の技術革新「目透かし天井工法」開発秘話

― 御社が大高銘木様と共同で開発された画期的な「目透かし天井工法」とはどんな点が従来の工法と違っていたのでしょうか?

吉田:目透し天井は、大高さんとうちの他界した先代が、他に先駆けて一番最初に作った工法です。
市川:いかに天井施工における、大工作業の効率化を進め、時間の無駄をなくすか。つまりいかに手間を省くかを検討した結果、たどり着いたのが「目透かし天井」というわけです。
瀧口(宇):1番最初の天井工法って、どんなものだったのですか。
市川:無垢の「イナゴ」という工法。

― 無垢というと、修正していない1 枚板のことですよね。

市川:厚さは12 ミリ。尺貫法でいくもので、4分とか3分とか。「イナゴ」は貼り方がちょっと難しいんだけどそれを重ねていく工法です。
瀧口(宇):そういう感じなんですね、昔の天井は。重ねて、重ねて、重ねてという・・・。
吉田:ちょっと違います。
富岡:落ちないように、竿縁の上に置く。

イナゴ(稲子)工法

竿縁(さおぶち)天井を張る場合に無垢の幅広天井板を突合わせて使うと、湿度の変化に応じて伸縮します。
それを解消する為に天井板を重ねたて張り、その部分が反らないように、2材を連結するための小さな木片を指します。この木片の形状が稲子(イナゴ)に似ていることからその名称で呼ばれています。取り付けの際に、天井板にU 字型の木片を接着して、いなごを取り付ける方法や金物を打ちそこに差し込んで固定する方法などがあります。なお、固定のために建築用のボンドを使います。
また天井板を図のように重ねて稲子の木片の代わりに、釘打ちで止める方法などがあります。上に重なる天井板部分は稲子取り付けの際には、その部分だけ削りとります。

※ W-Wallet より引用 建築用語解説
http://www.w-wallet.com/page836.html
イナゴ(稲子)工法